自信よりも大事なもの
責任者というか人もまとめるような役割を担っている際に「自信」という言葉が使われる。この「自信」というのが結構な諸刃の剣で自分自身を立てなくするような殺傷能力を持ってしまうことがある。
自信というのは責任感とか使命感とかマストとかやらなきゃいけないとかついつい重くなってしまいがちなものとリンクしてしまう。
実際に責任者という立場であればそこは付帯業務としてリンクするものだ。
目的が曖昧であったりして見えなくなってしまうとただ単に苦しいだけのものになってしまいやすい。
最近やたら涙もろくなってなんか年取ったなぁと思ってしまうことがある。
先日も「この音とまれ!」というアニメを見ながら泣けた。
ざっくり説明すると、とある高校の筝曲部がいろいろありながら全国大会の切符を手にするまでの話。
その中で印象に残ったエピソード。
第9話 部長の倉田君が久遠君とのやり取りの中で「そっか、自信よりも大事なものを僕はもう持っていたんだ」と気づくシーンがある。
倉田君は部長としての自信がなかったけど、ほかの部員たちは倉田君を部長として信頼していて、倉田君のことを部長と認めていないのは倉田君本人だけだったというようなエピソード。
集団で何かを実現しようとする場合、責任者が自信をもってガンガン引っ張っていくというより、明確な目的があってそこに全員が向かっている状態にあることが大事で、そうなるために方向性を正しくすることが重要。
些細なことで後ろ向きに考えてしまうのではなく常に自分の顔を目的の方向に向けておいて、みんなの顔が目的をとらえることができる状態にしてやるというのが大事で、それさえできていれば方向性を見失うことがない。
言語化すると、ちょっと難しくなってしまうがプロジェクトを動かすというのはそういうことで、誰か一人が頑張っても意味がないし全員が同じ方向を向いていることが大事だということ。
厳しい言葉で言ってしまうと方向性が決まっていてそれがわかっているのに「自信がない」と結論付けてしまうのはただの怠惰で、多くの場合は方向性を見失っているだけなんだと思う。
みんなが同じ方向を向いているのに自信がないと言い切ってしまうのはみんなを信用してないのか、というような話になってしまう。
もちろん結果を出すことも重要なのでそんな青臭いことばかり言ってられないというのも正論だけど、結果だけが全てじゃなく結果に至るプロセスのデータをとることも重要だと置きかえて考えることも必要だと思う。
「自信がない」はたぶん結果を求めた場合の反応であって、おそらく結果は考えなくていいということになると「自信がない」は軽減されるんじゃないかと思う。
何かをやっていくうえでプロセスが楽しくて「この状態がいつまでも続けばいい」なんてことを思ったことはないだろうか。
たぶんそういう時って結果なんて気にしていない。
もっとも、そういう楽しいプロセスであれば結果も納得のいくものになると思う。
大事なのは自信があるとかないとかいう話はなくて、みんなが同じものを見ているかということだと思う。