累計カウントと連続カウントを使って「この10年で価格指数が上下した品目」を検証してみた
こんにちは。Tableau DATA Saberを目指して勉強中のkanaです。
今回は総務省のデータから、各品目の消費者物価指数の上下を累計と連続それぞれでカウントしてみました。
結論
この10年で、価格指数が上昇した品目は食品やエネルギーが主で、下降した品目は家電が主でした。
特に、ししゃもはこの10年で7年も価格指数が上昇しており、2021年は3年連続の上昇となりました。一方、メモリーカードは8年も下降しており、2021年は4年連続の下降となりました。
tableauでダッシュボードを作成してありますので、他にどんな品目の価格が上下しているのかチェックしてみてください。
(タイトル未設定と記載されますが、Tableau publicにパブリッシュしたダッシュボードリンクです)
検証内容
今回使用したデータ
総務省が行っている、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定している消費者物価指数の全国における年平均データをお借りしました。
(公開データは2020年が基準となっていますが、今回の検証には2010年を基準値として再算出した数値を使いました。)
検証定義
今回は、価格指数が前年より5以上大きくなった時に上昇、5以上小さくなった時に下降と判定しました。また、上下した数値の大きさに関係なく、この10年間に価格指数の上昇/下降どちらかが5回以上あった品目をピックアップしました。
累計カウント
価格指数が2010年から何回上下したかを各年毎に算出する計算フィールドを作成しました。
まず、前年より5以上大きくなった時(=上昇)に+1、5以上小さくなった時(=下降)に-1という判定式を作成します。
※2010年が基準になるように、2010年を0処理しています
次に、ウィンドウ内の式の合計を返すWINDOW_SUM関数を使って、品目毎の物価増減スコアの合計値を計算します。元データには1970年からのデータが入っていますので、今回はLAST(2021年)から-11年の2010年をスタートとして、0番目(=各年)までの合計を返すよう設定しました。
WINDOW_SUM関数については、tableauヘルプに詳しく説明されたページもありますので、気になる方は参照ください。
連続カウント
また、物価指数の上下にどのくらい勢いがあるのかを確認するために、何年連続して上下しているかも計算フィールドを作成して算出しました。
累計と異なり、前年からの上下が止まったら、または反対に上下したらカウントを「0」とリセットする必要があります。
そんな時に便利な関数が、前の行列のこの計算の値を返すPREVIOUS_VALUEです。
物価指数が前年より上昇している(物価増減スコア=1)時は「前の列の値に+1」を、その他の場合は「0」を返すよう設定します。これで、連続の上昇が途切れた時は0となり数値がリセットされるようになりました。
最後に
Tableauにはツールヒント機能があり、Vizに記載する以上の情報を付与することができます。
今回はViz上には価格指数の上下の累計値を表し、ツールヒントには価格指数の上下の連続回数の情報を付与しました。ツールヒントを見ることで、その品目の価格指数の上下に勢いがあるかが分かるようになりました。
例えば、「さんま」も「いくら」も2021年の累計物価増減スコアは「5」ですが、連続カウントでは「さんまは2回」、「いくらは1回」で、近年ではさんまの方が値上がり傾向にあることが分かります。
このようにViz以上の情報を付与することは、データを分析したり、より深く理解するのにとっても便利です。
是非ツールヒント機能を活用して素敵なデータライフを過ごしてみてください!