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ドメイン駆動データマネジメント #1 データマネジメントのはじめ方 レポート
ドメイン駆動データマネジメント #1 データマネジメントのはじめ方 レポート
troccoでおなじみのprimeNumberが主催のイベントです。
レポート書きます。
データマネジメント セミナーレポート
その他データマネジメント関連のセミナーに興味ある人はこちらから。
SaaSスタートアップにおけるデータマネジメントの始め方
発表者
コミューン株式会社 前側 将
発表資料
(載っていれば後から追加する)
概要
コミューンの事業紹介
commmune:コミュニティ作りに特化したプロダクト。お菓子のコミュニティとか。
SuccessHub:営業・CSのアクションを効率化するプロダクト。
データという文脈では人間関係の情報を分析する事がやること。
会社として、データ基盤を構築せねばという課題感はあったが、手が回っていないという状態だった。
データチームの立上げ時
何を狙いとしてデータマネジメントを行うのかをまず定めた。
ここで重要なのはものすごい成功を書きましょう。
入社後に確認する5つの観点と実施した事
1.分析業務
いろんな部署から分析の依頼が来て回っていない状態だったので、優先順位を明確にした
・資金調達、重要な分析を優先に
・依頼対応ルールを作成
・領域を1点に絞り優先する
2.データエンジニアリング
一人がインフラからシステムやメタデータ管理まで対応しなければならない
・限界が来る1歩手前までは対応せず、ギリギリのタイミングでやる
・データの信頼性は最低限と割り切って行う
・代表的な集計は汎用データマートづくりを優先する
3.データ基盤
trrocoとdbtを使ってライトに作成
・dbtの運用方針を定めた
・BIの整理を行う
4.データプロダクト
成果に直結できる分析が重要になってきている。
・データプロダクト
・LLMの活用
5.ビジネスオペレーション
ビジネスユーザーの手動入力によって分析のデータが作られる。ビジネスユーザーにデータ品質を意識してもらうことが重要
・ビジネスデータ品質
・分析民主化
・モニタリングと運用
データマネジメントプロジェクトをどうやって始めたか
社員の規模とデータチームの人数によってレベルを定めた。
![](https://assets.st-note.com/img/1699610033797-esf70o840r.png?width=1200)
また、DMBOKのアセスメントを使ってアセスメントを行った。
アセスメントの結果と苦労ポイント
アセスメントをやった結果
・アセスメントの結果、体制と優先度が考えられるようになった
・AS-ISとTO-BEが明確になって、目線が揃った
・メンバーがロードマップを作って業務を勧められるようになった
苦労ポイント
・アセスメントだけではなくて、通常業務を行う必要があって大変
・アセスメント結果が出るために3か月かかった
・アセスメントするためには幅広い経験が必要。全くホイールの領域がわからないとか。
感想
やっぱデータ整備をしたいときにまずやることは、アセスメントだよなと実感した。
アセスメントのレベルが使いづらくて自分たちで定義したというのも自分が過去書いたのと一緒のこと書いてあった。
結局バンダイナムコネクサスさんの発表であったように、アセスメントをしてデータ戦略を作らないと場当たり的になっちゃうので戦略を作るためにはアセスメントが必須だと思う。
本人から回答が返ってきた(笑)
コミューンでは吉村さんのnoteを教科書にしました!
— ウィル / コミューン/データアナリスト (@willanalysts) November 10, 2023
めちゃくちゃおすすめです!#DDDM https://t.co/CM1Q9y55JZ
データモデリングからはじめるデータマネジメント
発表者
パーソルキャリア株式会社 田中 麻衣子
発表資料
(載っていれば後から追加する)
概要
パーソルの事業紹介
Dodaというサービスを主とした人材紹介会社。
Dodaという名前がついていても、中身は違う会社のごとく縦割りになっているので、全社横断で取り組む必要がある。
冒頭のデータマネジメントの定義の説明資料に宮西さん出てきて吹いた。
![](https://assets.st-note.com/img/1699610864456-N6JWeKCVNR.png?width=1200)
立ち上げの体制
データマネジメントは以下の3職種で実施した。
エンジニア:仕組みを考える人
データマネジメント:分析する人/整える人
ドメインエキスパート:直接価値をだす人
この座組の中でドメインエキスパートが重要でいかにデータで価値をだしていくのか伝授してくれる。
データマネジメントでどこの領域から手を付けたか
結論データモデリングから手を付けた。
データモデリングから始めたのは2つの意図がある。
1つ目は採用課題を解決するためには、業務プロセスをデータに写像する=データモデリングが適切な手段だと考えて、共通言語としてデータモデリングに手を付けた。
データモデリングをしっかりされておれば、どのようなデータが企業にあるのか、どのようなデータ構造なのか把握できて、データを使う人がデータがどこにあるのか探すことがなくなり、目的であった採用課題を解決するという目的に集中できるようになる。
2つ目はデータをやっている人はフロントから遠いため、ドメインを駆動するという意識が低くなりがち。
データモデリングを通して、業務フローやデータフローを知ることによってデータ側の人もフロントに意識が向くこと
感想
データモデリングの成果物が存在しないことが課題になるケースはめっちゃあるので、データモデリングはめっちゃ大事。
おそらく成果物が無いのはデータモデリングをするという目的が無くて、適当にシステムをツギハギで作っちゃうと成果物が無くなっちゃうのでそういう感じだったのだろうと。
冒頭、田中さんは分析よりの出身と言っていたからだと思うが、成果を意識しているのがわかる内容だった。
ドメインエキスパートと呼んでいた役割の人に対してどうやってデータマネジメントで成果が出せるのかを説明して巻き込むというのは非常に大事だろうなと。
あと、宮西さん出てきたのは純粋に吹いた。
大規模プロダクトでデータマネジメントをやり直す
発表者
株式会社サイバーエージェント 田中 聡太郎
発表資料
(載っていれば後から追加する)
概要
Abemaの事業紹介
Abemaは開局8年。
プロダクトは大きくなってきたが、データマネジメントは追いつけてなかった。
そんな中でどのように取り組んでいったのかという話。
Abemaのデータマネジメントの難しさ
プロダクトが大きくなると、ステークホルダーが多くなる。そうすると分業化が進んできて、質問に答えていると日が暮れているような状況。
データマネジメントの価値を広報していかないと、ただのインフラ屋さんみたいな感じになってデータマネジメントの影が薄くなっちゃう。
データマネジメントの提供価値を組織に理解させることが重要。
データマネジメントにおいて「迫られる仕事」と「迫られないけど大事なモノ」の2つがあるが、「迫られないけど大事なモノ」を進めることが大事。
一方で「迫られないけど大事なモノ」で成果が出せないと給料泥棒みたいに見られるようになるので、早く結果がでる「迫られないけど大事なモノ」を実施することが大事。
取り組み紹介
可視化
何をするにも可視化やドキュメント化が大事。
利用者が非同期に必要な情報にアクセスできる重要性は高い。
Abemaだと「データポータル」というものを作って、開発者や分析者が必要な情報をまとめた。
データの流通フロー
データの流通フローを把握する。
データを見ている人はデータに詳しい人とは限らない。
データが利用者の手に渡るまでには何人かが関わっているケースが多々ある。
ニーズは利用者にヒアリングするが、データモデリングを行う時にはデータアナリストなど利用者にデータを出す人にヒアリングしながら作っていくと良い。
感想
プロダクトを開発するときは、利用者から出てきた要望をそのまま実装しても使われるものは作れないという経験があり、本質的な要求を考えるということをやっていたが、データモデリングも同じで、利用者から要望は聞くが、データアナリストと一緒に本質的な要求を考えていくことが重要なんだろうなと想像できた。
大きい会社がドキュメントをちゃんと作ろうと言った、地味なことを推奨していて面白かった。
自分も昔全く同じ名前の「データポータル」を作ったことがあるので、作戦は一緒だなぁと。
データマネジメントやる人はみんな銀の弾丸は無いって言って面白いですね。
いかに地味な仕事だけど、金額換算できるような成果を出しているのかを示していくのはデータマネジメントやる上では大事。
データマネジメント組織立上げ時に、どのようにして打ち手を明確にしたか
発表者
株式会社バンダイナムコネクサス 井村 真樹
発表資料
(載っていれば後から追加する)
概要
バンダイナムコの事業紹介
バンダイナムコグループはIP軸戦略というIPという単位で商品をグループ横断で展開していくという戦略を立てている。
そのためにはIP軸でどのようになっているのかデータが必要であり、そのプロジェクト:データユニバースの中核を担っているのがバンダイナムコネクサス。
データマネジメント組織立ち上げ時にやる事
データ分析組織が大きくなるにつれて、データ基盤の役割が必要になってきて2022年にデータマネージャーの役割ができた。
まずは、アセスメントを行い戦略を作った。
データマネジメント成熟度アセスメントとアンケート
データマネジメントを始めると、課題がどんどん見えてくるが全部を見ることはせずに、手が打てる領域を把握して、そこを対象にしてアセスメントを行った。
他の軸をあげるためにも、まずはデータアーキテクチャが低いと成し遂げられないことがわかり、まずはデータアーキテクチャから実施した。
戦略レベルのことは成熟度アセスメントで組み立てた後に、戦術レベルのことを計画するためにアンケートを実行した。
この時重要なのは個々のニーズを解消するタスクを進めるのではなくて、ニーズの根本を叩けるような戦術をデータ戦略に落とし込んだ。
感想
Abemaの時にも書いたけど、アンケートに書かれたことをそのまま実行するのは悪手であると語られていて、考え方が一緒だなと思った。
成熟度アセスメントで戦略作って、戦術組み立てるのはアンケートも参考にするっていい進め方ですね。
データアーキテクチャというのはデータ戦略も要素として含んでいると思っていて、まずはデータアーキテクチャとしたのだろうと思料。
アセスメントとアンケートを1年ごとに継続的に取っていって戦略を見直すというのはPDCAが効いていますね。自分も昔そうやってました。
全体質疑
データマネジメントが大事ってことを組織にどうやってコミット取った?
・生暖かいコミュニケーション好きなので、偉い人と仲良くする。経営が感じている課題をデータマネジメントの課題に変換する(Abema)
・「データプロダクト」が偉い人の中で熱いので、データプロダクトを主語に語る(コミューン)
・活用が目的にあるので、活用できる(パーソル)
・データに課題を持っていて顔が広い人にコンタクト取る(バンダイナムコネクサス)
データマネジメントが
・データマネジメントする人はファシリテーションが上手い人が必須条件
メンバー間のナレッジ共有はどうする?
・データエンジニアの顧問と話すか、テーマを設けて共有するとかやってます。(コミューン)
データのオーナーシップは誰が持つ?
・データの発生源毎に分けていて、例えばGAのデータとかはマーケが見ている。データエンジニアは自前で取っているログとかは面倒見ている(Abema)
データマネジメント面倒なのでAIに面倒みてもらえないの?
・生成AIを活用するためにはスキーマとスキーマの中の付加情報が大事になってくる、そうなってくるとデータマネジメントが重要で、生成AI時代でも飯が食える。
みんな地味やら、価値感じられづらい、成果がみえづらいといいつつ、データマネジメントやっていると思いますが、楽しみはどんなところですか?
・情熱の未来、ここに向き合わないと会社が上手くいかないと信じている(コミューン)
・地味の仕事が好きなのもあるが、ブルーオーシャンなのでおすすめ、まじめにやっていたら成果が出る。テクニックが必要ではなくて楽して稼げる(Abema)
即戦力になれるのはどんな人?
・対話をやめないということが重要、他社の事例をそのまま作ろうとするが、それでは価値は届けられない。組織の人間と対話することが重要。
・人の話を真に受けすぎない。利用者の本質的なニーズを探ることが重要。
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。
ツイッター(@yoshimura_datam)でもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。
データマネジメントを学ぶ人が抑えておきたい本
今すぐわかるデータマネジメントの進め方
著者のDMBOKを用いてCDO室を立ち上げデータマネジメントを推進した経験を基にデータマネジメントの進め方をまとめたkindle本を執筆しました。
データ組織立ち上げ編 AI事務員宮西さん
著者のデータ組織の立ち上げ経験をマンガ+コメントでまとめてみました。立ち上げ編は組織を立ち上げてやることが決まるまでのストーリーです。
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データ組織の立ち上げに関係する方は是非読んでみてください。
DXを成功に導くデータマネジメント
DXを成し遂げるために必要なデータをどうマネジメントしていけばよいかが書かれている。
データ環境より、セキュリティの観点であったり、プライバシーの観点であったりといった非技術者向けの内容が多く書かれている。
データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。
実践的データ基盤への処方箋
データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。
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個人情報保護法を順守するための基本的な考え方が実務ベースで書かれている。2022年4月に施工される改正個人情報保護法で新たに追加される概念も同様に記載されている。
政府の出しているガイドラインよりも俯瞰的に読めるためデータプライバシーにかかわる人、データを使ったビジネスを推進する人は読んでおくとスムーズに業務が進められる。
データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK)
自分も要約・解説記事を書いているDMBOK。データマネジメントに興味を持った人がまず手に取ると挫折することは間違いないほどのボリュームがある。
読めば読むほど味が出てくるので、データマネジメントを進めようとしている人は各家庭に1冊は是非買っておきたい。
データマネジメントが30分でわかる本
著者もDMBOKを読むためには非常にボリュームが多く読み解くには苦労するので、かみ砕いた解説書をまとめたと書いてある通り、DMBOKを独自解釈してわかりやすく書かれている。
DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。