DAMA-ADMC2024レポート Playful~遊び心に満ちたデータガバナンスの旅
はじめに
DMBOKでもおなじみのDAMAが年に一度、ADMCというカンファレンスを行っている。
自分もオンラインで視聴させていただいたのでレポートを書く。
時間が無かったのでキャンディークラッシュでおなじみのKing社のかたが発表していたので視聴した。
DAMA-ADMC2024 Playful~遊び心に満ちたデータガバナンスの旅
Ilker Tufan氏
King, Data Architect
データマネジメント セミナーレポート
データマネジメント関連のセミナーに興味ある人はこちらからどうぞ。
著者の他のコンテンツとして、DMBOKについてまとめているのでどうぞ。
King社での実践的データガバナンス
スパイダーマンで有名なセリフ
「大いなる力には 大いなる責任が伴う」
これはデータガバナンスにも通じるものがある。
力:企業はデータを収集し、活用できる。
責任:法令、プライバシー、セキュリティという規制に準拠する必要がある
倫理:不正使用から守り、個人の利益を元に利用しなければならない。※スパイダーマンが正義のために力を使うというのと同じくベースにある
スマートフォンの中にはユーザーの様々なデータが入っている。
そのデータをビジネスにとって必要な資源になるようにデータマネジメントを行い、管理する。
資産を守るために保険に入っているように、データはガバナンスによって守る。データガバナンスが無いと保険が無い状態であり、リスクがある状態になる。
King社でのデータの位置づけ
King社はゲームを提供することでプレイヤーに楽しさを提供している。
※King社はキャンディクラッシュのパブリッシャー
ゲームのデータの中心はゲームのイベント。
ユーザーの体験を可視化することが重要。
ゲームをインストールしてからゲームを継続して楽しんでいただくことで色んなデータが収集できる。ゲームだけではなくて、GoogleやFacebookなどプラットフォームからもデータが収集できる。
データの量は数十億のプレイヤーからなり、半端ない。
これらを意味のあるデータとして活用するためにはデータガバナンスが重要である。
King社のデータガバナンス
データガバナンスはみんなが同じ方向に向かうための監督をすること。
プレイヤーのデータはDWHに格納されて、BIによって可視化される。
そしてその意味をあらわすビジネスメタデータが最も重要。
「コーポレートメモリー」と呼ばれる企業にとって必要なメタデータが入っているもの。データランドスケープにデータの意味を管理することで、実現する。
データガバナンスを行うために4つの仕組みを作った
1.データを管理するための組織
2.イベント作成ツール
3.データカタログ
4.用語集
1.データを管理するための組織
データを管理するための組織として、King社では連邦型のデータガバナンス組織を構築した。
4つの会議体によってデータガバナンスを行う体制を作った。
・データガバナンス委員会
・データガバナンス協議会
・データガバナンスオフィス
・データガバナンスフォーラム
これらの体制で、イベント作成の標準化とデータカタログへの反映を行った。
2.イベント作成ツール
ゲームのイベントを作る、「イベント作成ツール」を作って作成、変更、削除に対してデータ上の統制をかけれるようにした。
3.データカタログ
データカタログに必要な機能
・メタデータの文書化
・データカタログへの自動取り込み
・APIによるテクニカルメタデータのリアルタイムの反映
・データの検索機能
・データリネージ
・データカタログが正しく運用する体制
・データカタログが使われているのか分析する機能
ビジネスメタデータはビジネスステークホルダーから連携される。
4.用語集
用語集を2つに分けた
・ビジネス定義=ビジネスの定義
・データ辞書=項目定義
用語集は誰が更新するか、正しい運用ができるようにルールを作る。
これらの4つの要素を整備して、King社のデータガバナンスを推進した
・イベント作成ツール
・データガバナンス組織
・用語集
・データカタログ
これで終わりではなくて、データガバナンスを進めるためには常に改善し続けることが重要。
感想
データガバナンスの推進自体をゲームと呼んで進めて行ったのは、ゲーム会社らしいなと。
イベント作成ツールを作って、イベント作成のフェーズからデータ品質を上げる仕組みを作ったのは進めた人がデータモデリングが強い人だからだろうなと思った。
データガバナンス組織及びデータカタログの整備方法については良くも悪くも特筆すべきことはなく、海外でも特に特別なことは無くて地道にやっているんだなと。
冒頭でデータガバナンスについての大枠の話をしていたが、内容はデータカタログの整備になっていたので、違う話も聞きたかった。
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
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