データスチュワードとは【データ用語解説】
データ用語解説の趣旨
データに係る仕事をしていて、まだまだデータ利活用に関する用語を誤解していることが多いなと感じています。
という事で、データ利活用に係るデータサイエンティスト、データエンジニア、ビジネス部門、業務部門の人たちが押さえておきたい用語を解説していきます。
今回は「データスチュワード」について解説します。
データスチュワードはデータガバナンス体制を構築する上で重要な役割になってきます。
DMBOK第3章のデータガバナンスに体制の話が書かれているので気になる方はこちらを。
データマネジメントについての情報
データ用語解説
データ用語の解説を書いてます。
今すぐわかるデータマネジメントの進め方
著者のDMBOKを用いてCDO室を立ち上げデータマネジメントを推進した経験を基にデータマネジメントの進め方をまとめたkindle本を執筆しました。
データスチュワードとは
データスチュワードとあるが、まずスチュワードとはどういう意味なのかを調べてみる。
昔飛行機のCAさんの事をスチュワーデスといったが、それの男性形がスチュワード。ついでに英語辞書で調べてみると
飛行機のスチュワーデス以外では、F1の審査員の事をレーススチュワードと言いい、元F1レーサーといったF1の有識者から構成される組織もある。
データスチュワードはF1のレーススチュワードと同じような意味で、データに関する有識者から成り立ち、データに関する監視を行い適切な活動を行うためのガバナンス組織という意味合いで使われているような感じである。
データスチュワードの任命
データスチュワードは、ビジネスもしくは業務知識とデータマネジメントの両方の知識が求められる。データを理解するためにはデータを生み出す業務の理解が必要であるからである。
その様な知識を持つ人は社内にすでに存在することが多い。データスチュワードはその様な人を発見し、任命するとよい。
任命したデータスチュワードを軸に適切な体制を整えることで、体系的なデータガバナンス体制を整えることができる。
具体的な会社としてのデータガバナンス体制は、CDOがオーナーシップをとり、その直下のCDO組織とビジネスもしくは業務領域ごとのデータスチュワードで構成される。
適切なデータスチュワードを任命できたデータガバナンス組織は以下を事項を促進することができる。
分析の高速化
ビジネスもしくは業務領域を横断した分析
データ基盤の適切な管理
システム間のデータとドキュメントの交換
最適化されたデータ収集の仕組み
プライバシー、法律、エラーへの適切な対応
データスチュワードの役割
データスチュワードには3つの役割がある。
1つ目は、組織内のデータガバナンスを遂行する役割であり、組織のデータマネジメント活動が正しく行われているか管理・監督する責任を持つ。
2つ目は、組織のもつデータを資産として管理するデータマネジメント活動を行う役割で、主にデータ品質に責任を持つ。
3つ目は、データを活用する専門家としての役割であり、管理したデータを自分の領域内で活用し、ビジネス的な成果を生み出す役割を持つ。
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。
ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。
データマネジメントを学ぶ人が抑えておきたい本
今すぐわかるデータマネジメントの進め方
著者のDMBOKを用いてCDO室を立ち上げデータマネジメントを推進した経験を基にデータマネジメントの進め方をまとめたkindle本を執筆しました。
データ組織立ち上げ編 AI事務員宮西さん
著者のデータ組織の立ち上げ経験をマンガ+コメントでまとめてみました。立ち上げ編は組織を立ち上げてやることが決まるまでのストーリーです。
無料公開のため0円となります。
データ組織の立ち上げに関係する方は是非読んでみてください。
DXを成功に導くデータマネジメント
DXを成し遂げるために必要なデータをどうマネジメントしていけばよいかが書かれている。
データ環境より、セキュリティの観点であったり、プライバシーの観点であったりといった非技術者向けの内容が多く書かれている。
データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。
実践的データ基盤への処方箋
データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。
個人データ戦略活用 ステップでわかる改正個人情報保護法実務ガイドブック
個人情報保護法を順守するための基本的な考え方が実務ベースで書かれている。2022年4月に施工される改正個人情報保護法で新たに追加される概念も同様に記載されている。
政府の出しているガイドラインよりも俯瞰的に読めるためデータプライバシーにかかわる人、データを使ったビジネスを推進する人は読んでおくとスムーズに業務が進められる。
データマネジメント知識体系ガイド(DMBOK)
自分も要約・解説記事を書いているDMBOK。データマネジメントに興味を持った人がまず手に取ると挫折することは間違いないほどのボリュームがある。
読めば読むほど味が出てくるので、データマネジメントを進めようとしている人は各家庭に1冊は是非買っておきたい。
データマネジメントが30分でわかる本
著者もDMBOKを読むためには非常にボリュームが多く読み解くには苦労するので、かみ砕いた解説書をまとめたと書いてある通り、DMBOKを独自解釈してわかりやすく書かれている。
DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。