datatech-jp データプロダクトマネジメントについて語る会
datatech-jp データプロダクトマネジメントについて語る会 レポート
datatech-jpのSlackにてData Product Management的な取り組みをワイワイ共有し合いませんかという呼びかけがあったので参加しました。
諸々企画から準備、当日の運営までありがとうございました。
こんな交流したい人は下のリンクからdatatech-jpのSlackに入るんだ!
参加メンバー紹介
参加メンバーは全部で6人。DWHを中心にデータ基盤が使われるBIやデータマートも守備範囲にしている人が多かった。
データエンジニアとしてデータ基盤を作るだけではなく、作っているデータ基盤を全社に展開していく命題を追っておりデータプロダクトマネジメントに興味を持っているように見受けられた。
データマネジメントチームのリーダー
業務ではデータ基盤として全社に提供しているBigQueryやLookerなどの運用をやっていたりDWHの構築、展開をやっている
アナリティクスインフラチームのマネージャー
業務ではBIツールの整備 / ABテストの自動化 / 古くなったdatasetの廃止などをおこなっている
アナリティクスエンジニア
DWHやmartの作成、権限整備、データ関連のバッチの運用、コスト適正化などなどをやっている
データマネージャー
隙間産業としてデータに関わるデータエンジニア、アナリスト、サイエンティスト以外のことやっている
データエンジニア
DWHの環境整備やCICD構築など+各プロダクトのデータパイプラインやデータオペレーション構築などをやっている
データエンジニア
現在はDWH/martの作成やパイプライン設計/運用、データガバナンス推進などをやっている
データプロダクト(マネジメント)って?
データプロダクトマネジメントを語る前に「データプロダクト」とは何だろうという事を最初に話し合った。
まだまだ定義は揃っていない状態だったが、プロダクトマネジメントという考えをデータ領域に適応すると、良い効果がありそうという所感を持っているという事は共通していた。
各自の意見
データ基盤をデータプロダクトとして捉えて、プロダクトマネジメントという考え方を適応するというモチベーション
データ基盤がデータベースとして使われる利益を生み出すプロダクトがデータプロダクトであり、社内向けでもプロダクトマネジメントを行うと上手く進むと思っている
社外に向けて展開しているプロダクトがデータを使っている、そのままデータプロダクトと捉えている。
KPI/KGIってどうやって設定してますか?
データ基盤をデータプロダクトとして見た時に、データ基盤の価値を計測できる指標をどうやって設定しているか。
前段に書いたようにデータ基盤をプロダクトとしてとらえて、プロダクトをグロースするときのKPIと同じようなものが設定されている感じだった。
KPI例
利用者数
参照回数
どう売上に繋がっているのか
利用できるまでのリードタイム
いくらかかる意思決定を決めているか
スピード感、操作性、認知度など(アンケート)
認知度
データプロダクトマネジメントの考え方を取り入れることで最も行動が変化した事例や構想はなにか?
実際データプロダクトマネジメントの考え方を取り入れた結果うまくいった事例を話し合った。
視点がデータ基盤の事だけではなく利用者に向くようになり、自らデータを使った調査をもとに手段を決めるようになった。そして、エンジニアリングではない領域も手段として対象にできるようになったというのが行動の変化として見られた。
データ基盤やBIをプロダクトマネジメント的に考えた展開方法
利用者について調査をして(市場調査)
やるべきことやらないことを明確にする(スコープ決め)
前述のKPIを明確にする(目標決め)
手段を問わず実行する(グロース)
どうやってデータ(プロダクト)活用したらお金になりそうなビジネスを見つけてますか?
データ利活用に具体的な効果がある、すなわちお金を稼げるということを示さないといけないという課題感がある。
どうやって効果の高いビジネスを見つけているのか話し合った。
Power of 1%という考え方があり、航空機の燃料は1%でも改善すると効果が高い。
Webの世界だと検索のコンバージョンレート、広告のコンバージョンレートが挙げられた。
また、単体で見るのではなく、youtubeアナリティクスもyoutubeのステークホルダーが得になるとyoutubeも特になるという考え方も良いのではというアイデアも出た。
お金を稼げそうな案件例
検索の改善
広告プロダクトの改善
与信の改善
広告宣伝費の最適化
社内業務が集中しているところの改善
データプロダクトマネジメントをどう知った?
データプロダクトマネジメントという概念は最近出てきたと思うけど、情報のキャッチアップはどのようにやっているかを話し合った。
実務をしている中で自分の職域であるデータエンジニア、アナリストといった定義されている業務以外のことをやる必要性にかられて、それがデータプロダクトマネジメントという単語にビビッときたという感じだった。
データ関係はまだ成熟していないため、データプロダクト以外にもよくあるケースかもしれない。
情報の収集方法
データアナリストとかと併せて情報収集している。
データ基盤の領域は考えていたりやっていたら単語として出てきたということが多い。
データマネージャーって守りな感じで攻めの部分はデータプロダクトマネージャーだよなと思っていた
依頼系業務とその他業務の棲み分けをどのように対応なさっているか?
データ基盤をやっていると各所からの要望、相談が来るがどのように捌いているか話し合った。
頼まれ仕事を漫然とやるのではなくロードマップを引いて意志を持ってやるやらを判断したほうが良さそうという方向にまとまった。
各自の対応例
強い気持ちで断るということを意識している
月に5つまで受け付けるとか、決めておく
その状態はデータ基盤、戦略が無いのかもしれない。戦略に沿って判断する。
ラディカルプロダクトシンキングという赤い本。
ビジョンに沿ってやるのか、サバイバル的にやる事なのか。をマッピングするようなことが書いてある。保守に溺れないように古いのを終わらせてから新しいものをやるようにしている
データプロダクトを実際に作るチーム以外との連携をどうやっているか?
データに関する関係者が多すぎるけど、他チームとのコラボはどうやっているのかを話し合った。
データガバナンスをどうするのかという方向性で議論され、ちょっと気になっても任せるところは任せることを明確にする事でコストは減らせそうという方向性で議論された。
各自の連携方法
チームトポロジーの概念を使って枠割を整理した
データプロダクトマネージャーである自分が役割としてコミュニケーションは全部引き受ける
認知負荷を引き受ける、データプロダクトマネージャーというのはありかも。
自分が営業っぽいことをやっていて、プロダクトマネージャーをやっている感じがある。
不安と気持ち悪さをどうするかが課題
全部是正するのではなく、レビューやガイドラインを作ることでポイントをおさえる
全体を通しての感想
データエンジニアはデータマネジメントだったり、プロダクトマネジメントだったりと領域を広げていてやっぱりイノベーター的なホスピタリティがある人がやっていることがわかる。
そんな状態なのでデータエンジニアが兼務で範囲を広げてやっているため、時間的に辛そうというのとエンジニアであるがゆえに不安と気持ち悪さに気がついてしまい、見て見ぬふりをせざるを得ないという辛さが見受けられた。
自分は元プロダクトマネージャーで今は専任でデータ(プロダクト)マネージャーをやっているため、エンジニアとしての歯痒さも感じることもなく、主務でやっているためグロースに心置きなく注力でき、データエンジニアからもデータプロダクトマネジメント領域を安心して任せられている感じがしている。
ここから見えることは次に来る職種としてはデータプロダクトマネージャーということかな!
今データエンジニアやっている人もその枠にとどまってられない人が多そうなので、今日のデータエンジニアは明日のデータプロダクトマネージャー。
データ基盤もプロダクトのように立ち上げ期、グロース期、安定期みたいな変移があると思うので構築しましたではなくていかにグロースさせたかという経験がキャリアとして重要になってくる。
データエンジニア、データプロダクトマネージャーに未来あれ。
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。
ツイッター(@yoshimura_datam)でもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。
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データ環境より、セキュリティの観点であったり、プライバシーの観点であったりといった非技術者向けの内容が多く書かれている。
データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。
実践的データ基盤への処方箋
データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。
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個人情報保護法を順守するための基本的な考え方が実務ベースで書かれている。2022年4月に施工される改正個人情報保護法で新たに追加される概念も同様に記載されている。
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DMBOKを技術者目線で読み解いた内容になっているので、実践的データ基盤への処方箋と同様データ技術に係る人におすすめする。