DAMA-ADMC2022 All NTT Groupのデータマネジメント/ガバナンスのためのアーキテクチャー、その試行錯誤から見えてきた新たなインサイトを語る
DAMA-ADMC2022 All NTT Groupのデータマネジメント/ガバナンスのためのアーキテクチャー、その試行錯誤から見えてきた新たなインサイトを語る
登壇者
駒沢 健 氏
日本電信電話株式会社 技術企画部門 IT推進室 次長
概要
データマネジメント セミナーレポート
データマネジメント関連のセミナーに興味ある人はこちらからどうぞ。
著者の他のコンテンツとして、DMBOKについてまとめているのでどうぞ。
NTTグループのデータ利活用推進するための体制
NTTグループは全964社、9万人を超える組織のガバナンスをしなければならない。
NTTのDXについて
現在は社会の不安定、経済の不安定、未知のウイルスなど激動の時代が来ている。
本日はNTTが取り組んできた5つのテーマについて紹介。
DX
エンタープライズ・アーキテクチャ
データアーキテクチャ
データドリブンマチュリティモデル
チェンジマネジメント
DX
お客様のDX支援と共に、NTT自身もDXの実現を目指している。
DXはビジネス変革であり、業務改善ではないと定義している。
まずはどっちをやるのかを明確にして進める必要がある。
DXの事例
Uber
AirBnB
Amazon
PayPay
Suica
NTTはDXに向かっているが全体に浸透しているかというとそうではない。
やっと箱ができたDX Readyな状態。
古いシステムがDXの足枷になっているとされているが、ビジネス目的のためにシステムのどの部分が対応できないかというところまで落とせる事例は少ない。
エンタープライズ・アーキテクチャ
サイロ化されたシステムが多い。
しっかりしたアーキテクトがおらず、その場その場でシステムが構築されることでサイロが生まれていく。
アーキテクチャがない状態で継ぎ足し継ぎ足しで開発すると、全体最適化されないシステムが出来上がる。
アーキテクチャがある状態で開発すると、サクラダファミリアのようにいつまでたっても一貫したものが作られる。
個別のものを作るときも、全体を踏まえて個別のものを作らないと拡大できない。
「TOGAF」というフレームワークがあり、ビジネスとITを一体的に表現してアーキテクチャの設計ができる。
エンタープライズ・アーキテクチャをシンプルに言うと、業務、データ、システム、テクノロジの軸でアーキテクチャを作ること。
データアーキテクチャ
データアーキテクチャはエンタープライズ・アーキテクチャの中のデータ領域。
SoE(顧客領域),SoR(業務領域),SoC(システム領域)の軸で整理する。
データアーキテクチャをLV0(超概要)~LV4(超深掘り)まで作成している。
データアーキテクチャがドリルダウンできるように作っている。
マスタデータとトランザクションデータというものを基本概念として定義することが重要
ビジネスに使いたいダッシュボードを書いてから、データを決めるという逆引きな作成をしている。
データドリブンマチュリティモデル
見たいものが見れるようにする。
経営情報の可視化プログラム。
コード標準化、ルールの策定
データ活用の体制づくり
大規模システムの更改とコード標準化
データ分析基盤の構築
データドリブンの成熟度を作りました。
軸
Organization
Approach
Environment
Education
レベル
1:これから
2:なんちゃって
3:イケてる
NTTグループではデータドリブン企業になるために、エンタープライズなアプローチとコミュニティのアプローチを行っている。
チェンジマネジメント
CIOの46%は最大の障壁は”人”であると回答している。
変革への抵抗は自然の摂理であり、当たり前として捉えるべし。
現状維持、保有効果、損失回避
人は利益と損失では損失に強い印象を持つ。
こういう事なので、積み重ねて当たり前にしていくことが大事。
どうやってチェンジマネジメントするか
反論せず、まず共感
説得せず、真摯に共有
共有すべきは、言葉ではなく言語化・資料化
しかし、人間は適応する能力を持っている。やってみれば適応できる。
感想
特に目新しい話はなかったが、NTTほどの大きい企業だとガバナンスするのは大変そう。
巻き込むために周りに向かって助けてくださいと言いまわるところとか、進め方が自分と似ているような気がしたので、NTTにもこんな人いるんだなぁと思った。(NTTをどんな企業だと思っているのやら)
昔レガシー企業のDX推進をやっていたので、チェンジマネジメントの抵抗はわかる。
ひとつ前のセッションで、データリテラシーについて語られていたが、知らないと自分事にならないので、データリテラシー教育とチェンジマネジメントは密接に関わっていてどっちも、粘り強く積み重ねて共感してくれる人を増やしていくことが大事だと思った。
おわりに
自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。
ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。
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データマネージメントに興味を持った人はまずは読んでみるとデータマネジメントでなすべき概要が理解できる。
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データ利活用を行うために必要なデータ基盤の考え方と、利活用するためにはデータをどのようにマネジメントしていけば良いかを具体的な例を用いて説明されている。
技術が中心になるので現在データ技術に係る人がデータマネージメントに興味を持った時には、まず手に取ることをおすすめする。
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