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DAMA-ADMC2022 モダンデータアーキテキチャ構築に向けたロードマップ策定

DAMA-ADMC2022 モダンデータアーキテキチャ構築に向けたロードマップ策定

John O’Brien 氏
Radiant Advisors CEO and Principal Advisor

多くの企業がデータ分析主導の組織変革を進め、競争力とレジリエンスを高めるために、Modern data architectures を採用しようとしています。
しかしながら、ビジネスの優先順位に沿った実行可能なロードマップを慎重に作成しないため、手詰まりが発生してしまうケースが多く見受けられます。
本セッションでは、ビジネス戦略を実現するためのデータ戦略から、モダンデータアーキテクチャを実装するためのデリバリーロードマップまでのステップを解説するとともに、最新のモダンデータアーキテクチャとそのコンポーネントを説明します。

Asian Data Management Conference 2022 in Japan

データマネジメント セミナーレポート

データマネジメント関連のセミナーに興味ある人はこちらからどうぞ。

著者の他のコンテンツとして、DMBOKについてまとめているのでどうぞ。

モダンアーキテクチャへのロードマップの作り方

データストラテジーは人事戦略とシステム戦略の両観点が大事であり、進めるためには4つのステップがある。

1.ビジネスとの協業
2.データ分析のケイパビリティ
3.論理的なデータと分析テクノロジー
4.物理的な実装

データ利用者のジャーニーを理解してから、データアーキテクチャはそれらの人に使ってもらう環境と位置づけられる。

データアーキテクチャはシステム観点よりエンドユーザーの理解が肝となる。

データ技術は5~7年周期で刷新されて行っており、第三ステップの分析テクノロジーに役に立つ。

データアーキテクチャは「データマネジメントの要求」と「ビジネスの要求」をかなえる必要がある。

1.ビジネスとの協業

データとビジネスゴールを高いレベルで認識を一致させることが重要。

すなわち”データカルチャー”を企業に根付かせること。

従業員に”データカルチャー”を根付かせれば、社員が自身でデータによる意思決定を行うことができ、非常に競争力が高い組織ができる。

そういう組織に必要なのはセルフBIであり、集計の依頼書ではなくなる。

ただ、その状況に持っていくのが大変であり、戦略的に組織をチェンジマネジメントする必要がある。

セルフBIの利用権限を付与するにあたっても、今まで時間かかっても依頼すればよかったものが、自分で集計することを由としない社員者、アカウントの予算を付けない幹部も多い。

組織をどうデータドリブンな会社に持っていくのか、そのために権限、データリソースを渡していくのかというデータ戦略とそれをかなえるデータプラットフォーム戦略が必要。

まずやることは利用者の調査と、誰でも簡単に利用できるデータ環境が必要となる。
データアーキテクチャのゴールはその企業のビジネスユーザーがデータを理解・信頼・統制できる環境があること。

難しいツールを導入して、毎月研修するという事よりも、ビジネスユーザーにも使えるツールを検討する必要がある。

企業がデータを使って行いたい4つの事
・顧客理解
・製品利用状況の理解
・既存業務プロセスの運用効率の向上 ※スピーカーのおススメ
・ビジネスモデルイノベーション(DX)

2.データ分析のケイパビリティ

データおよびデータ環境を提供しただけではビジネスに効果は出ない。

従来のデータ利用のサイクル
・レポーティング→分析→モニタリング→予測

現在は、上記サイクルをあらゆる領域に対して、並列に行う必要が出てきた

1.ニーズを定義して、必要なものを定義する。
2.そのためにデータを探索し、どのようなデータを利用するのか決める
3.データを接続する
4.データを利用できるように準備する
5.モデルの開発/BIの開発
6.モデルの検証を行う
7.モデルを展開・運用する

このような活動を行う利用者に対して、やるべきアプローチが共通言語整備、セルフBI整備、AI/ML整備という3つの軸があるが、どれも時間がかかるためどれに注力するのか決める

3.論理的なデータと分析テクノロジー

アーキテクチャーのビジョンは作っているが、何をしたらよいのかわからないという事がある。

耳障りの良い技術名が多くできているが、いったいどんな基準で選定すればいいのかというのがわからない。

ただし、テクノロジーの選定よりも、どうデータを整備していくのかというプロセスのほうが大変であり重要である。

データアーキテクチャはビジネスのためにあるものというのは忘れてはいけない。

新しいテクノロジーによる新しいアーキテクチャを使うと情報が少なく注目を集めプロジェクトとしてのリスクは高い。

オンプレからクラウドに移行するときは、かなり環境に違いがあるのでクラウドの学習コストを意識して進める必要がある。

クラウドへの移行と言ってもIaasでは意味をなしていなくて、Paas,Saasを使うことによってクラウドの利点を生かせる。

4.物理的な実装

「このアーキテクチャでビジネスユーザーのニーズがかなえられるか」というのを自らに問い、ビジネスユーザーのニーズをかなえられるソリューションを選定する。
毎年アーキテクチャを更新する。そしてアーキテクチャによって生まれたビジネス成果を見る。
ソリューションはすぐに新しいものが出るが、データマネジメントの観点はずっと変わらないため、その時代に沿った最適なソリューションを選定する。

事例を基にAzureやSnowflakeの事例を紹介。
キャプチャが無いのでレポートは省略、この前日本でやっていたのを見たほうが良いかなと思う。

感想

自分は技術大好きな人ではなく、ビジネス大好きな人なのでビジネスユーザーのニーズをかなえるためのデータアーキテクチャを構築する必要があるというのはすごくしっくりきたし、自分もそう思っている。

エンジニアをやっていると、システム基盤は技術ドリブンで技術選定をするケースは多くて、ただそれが間違っているわけではなくて、今後利用者が増えるとか拡張されていく言語を選択する事は回りまわって利用者に還元されるので、あながち間違ってはいない。

データ基盤とシステム基盤は想定される利用者が違うのと、データ基盤の利用者は相応のスキルが求められるので、大変な時代になったなぁと感じる。

おわりに

自分の知識をまとめるためと今後誰かがデータマネジメントをやってみたいと思った時のきっかけとなるためにnoteを書くことにしました。
モチベーションのために役にたったという人はぜひ、フォロー&スキをお願いします。

ツイッターでもデータマネジメントに係る情報をつぶやいてますので、よろしくお願いします。

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