datag第二創業期を迎えて
datag代表の小林です。この度、皆様方のご支援のおかげで、当社が創業して3年目を迎えることができましたことを、心より感謝申し上げます。
この機会に、私がdatagを創業した理由やこれまでの振り返り、今後の抱負についてお話をさせていただきたいと思います。
そもそもなぜ起業したのか
私が起業した理由は、もっと海外を飛び回りながら、そして悪戦苦闘しながら、何か社会貢献に繋がる事業を築きたかったからです。特に、実力やスキルセットが揃ってるにも関わらず、何かを成し遂げることに一歩踏み出せずにいるメンバーと共に勝負したいと思っています。
それまでの私には、日本の大学、アメリカの大学含めて資金・人脈など「足りないこと」を理由に第一志望を諦めてきた経験がありました。社会人になってからもリソースが足りないことが常にありました。それでも、色々な人に助けられながら挑戦を続けてきたことで、”足りない中でもうまくやっていく術”を身に付けつつあると実感しています。このノウハウやスキルを活かして、過去の自分と同じく「足りないこと」を理由に諦めている人たちに対し、今度は私が力になりたいと強く思うようになり、datagを立ち上げました。
足りない中でも運に恵まれた
自身のキャリアを振り返ってみると、転機は3回ありました。
1回目は、米国留学してキャリアアップを目指していたものの資金が足りなくて困っていたときです。当時勤務していたアイオーデータ機器の細野昭雄社長(元会長)が快く資金を貸してくれました。今ならズシンと重く理解できます。しかし、単なる1新人に1,500万円を貸してくれた意味は分かっていても、その意義までは、26歳の私にはよく理解できていなかったと思います。細野さんが、「自分が信じる道があることは素晴らしいしサポートできることあれば、是非。でも誰にでもこんなことせんからね」と微笑んでくださったことを今でも鮮明に覚えています。
2回目は、1年待てば奨学金付きでイェール大学の博士課程に入れると言ってくださった教授がいたけれどもそれをお断りし、インディアナ大学地理学部の博士課程に移ることを決めたときです。「さて、資金が足りてないけどどうしようか」と悩んでいたところ、世界銀行奨学金をいただけることになって、晴れて都市経済と環境計画を学ぶ機会に恵まれました。
そして最後は、心理学および認知科学で著名なStanley Wasserman教授の推薦があって、インディアナ大学とミシガン大学の生徒に統計学・機械学習を教える機会をいただいたときです。ビッグデータの書籍を出版することができたのも、アルゴリズム開発を進めてきて特許を取ることができたのも、国内外のデータ系事業家の方々と日本語・英語で数学交えてロジック討論できるようになったのも、Wasserman教授のお陰です。
運が良かったものの、博士論文を書き上げるのには本当に苦労しました。
データが膨大すぎてインディアナ大学の大規模分散処理基盤から追い出されてしまい、どうしようかと悪戦苦闘することになったのです。最終的には、自分で16のCPU(8台のデスクトップPC)を繋げ、奨学金の半分かけてスパコンチックな環境を作り上げることで対処することができました。これは、アイオーデータ機器でBTOを学べたことも大きかったと思います。オーバークロックしすぎて、何度かボヤ騒ぎになったこともありましたが、限られた時間の中でデータ処理、統計処理、論文作成、論文討議を経て無事修了しました。
起業から2年を振り返って
起業してからの2年間を振り返ると、契約まで進まなかったお客様もいれば、一度だけのお付き合いのお客様や、プロジェクトが終わった後も継続して声をかけてくださるお客様もいらっしゃいます。ある会社では事業開発支援として、別の会社では製品開発支援として、さらに他の会社では経営層のメンタルコーチとして、お付き合いさせていただきました。その結果として、今私が思う真実というのは、
モノの形を「作る」ことは、かんたん
製品に「造り」あげることは大掛かりだけど、できはする
でも、事業を「創る」のは、たいへん
ということです。
3つの「つくる」の中には、作り手の熱い志や、お客様の課題をなんとか解決したいという想いが詰まっています。どうせ大変なことをするなら、そして同じ時間を使うなら、単に仕事をするのではなく、同じ志を持つメンバーと志事を続けたいと、心から思います。
今後の抱負
世界は広く、移動した先にはいつもハッとさせられる驚きがあり、自身の持っている常識で身構えること自体がナンセンスで非常識であることや、世の中にはそれまで知らなかった魅力がまだまだたくさんあることを痛感させられます。
もしお客様のリソースが足りないのであれば、グローバルで繋げられるようにしていきたい、リソースを満たせるような製品・サービスを開発していきたい、やりたいことに誰でも挑戦できるような世界に変えていきたい、それが我々チームdatagの実現したいことです。
私一人からスタートしたdatag。それが今では、アメリカ、ウズベキスタン、インド、オーストラリア、シンガポール、ネパール、日本、と世界から仲間が集まってくれるようになりました。このdatagメンバーと一緒にこのようなことを達成したいし、できるはずだと信じています。
最後に、我々の掲げるビジョンについて記し、結びとさせていただきます。今後とも、datagをよろしくお願い申しあげます。
datagのビジョン
『プロジェクト管理をシンプルにして世界に良質な事業を多産する』
・世界に散らばる具現化されてない情報をデータに変えて(datafy)
・それを技術と人的ネットワークで連結させながら(tagging)
・人の生活がさらによくなるような事業が多く産まれるように (agriculure)
動けるメンバーが集まって必要とされる製品・サービスを創る組織に成長させていきたい。
事業を作りたい人を支援するメンバーは、事業家と同じ気持ちで事業の成功を望まないといけない。外注だからという言い訳もしてはいけない。
世界は変態を求めているし、海兵隊のようにガツガツ人のために時間を投資してくれる人を待っている。そういう人たちがなぜか自然と集まる集団がdatagだよね、といつか言われるといいな。
Mistakes make people, and
Failure teaches success.
Basically, impossible is nothing.
Then, find purpose and the means will follow.
By the end of the day, chances favor the prepared mind.
So remain committed to patience for us to become a better person day by day.
愚直に行こう、多くの人が自律できるように。
小林 孝嗣