【試験規格MIL-STD-810】

環境への応力に対するチャレンジ

MIL-STD-810は、防衛装備品のための温度・湿度、高度、振動、衝撃など過酷な環境条件に即した試験室による試験規格です。この規格は、昔から民間製品の高信頼性化のためにも大いに役立ってきました。車載用機器やノートパソコン、最近ではスマホなど、ヘビーデューティ(超堅牢)製品として耐衝撃性や耐振動性強化をうたい、多種多様な民間製品がこぞってMIL準拠品としてMIL-STD-810の研究に余念がありません。しかし、防衛装備品の試験規格であるMIL-STD-810は、その長い歴史の中で環境への応力に対する研究の変遷を遂げてきました。今回は試験規格MIL-STD-810をテーマに考察します。

(DCメール 2017年10月1日 No.446)


現在、MILスペックは約3万件存在します。MILスペックといっても内容は様々で、人工衛星や航空機などの部品から需品である被服や食料品、建築資材などの一般品に至るまで、あらゆるものが含まれます。そこで当然ながら、MIL品にするためにどうしたらいいか、自社製品に該当するMILスペックは何か、どうしたらMILスペックに準拠した製品を販売できるかなど、調査の目的は様々で、研究方法も大きく異なります。

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