(1)先生と私の履歴

いまでこそスリット予想や展開予想などと偉そうな単語を口にする先生ですがプロジェクト発足前はルールもよくわかっていないど素人でした。(私に至っては舟券を買ったことすらありませんでした。)

先生の学術分野は貿易・投資関連で私もデータ分析をお手伝いさせていただいていたのですが、専門家のくせに「構造を突けるギャンブルは攻撃的投資、賭博ではない」と常々言っておりました。そんな先生ですから控除率の高い公営ギャンブルは全く相手にしていなかったのですが、ある頃よりテレボートを眺めている姿をよく拝見しました。舟券も買ってみたそうです。あとからなぜボートレースだけ興味をもったかの理由を尋ねてみたところ気象条件等の不確定要素が公営ギャンブルと思えないほどあり、そもそもが危険な環境での開催であること、また、いい意味でも悪い意味でもオッズが適正だと思えないレースが多く、納得できない結果に着地することも多々あり、システムに脆弱性がありそうで興味を持った、そして納得できないことの多くが女子戦で起こっていたと仰られました。

そしてその不確定要素やオッズのゆがみをの「見える化」作業を試みた際に女子戦だけに起こる事象こそが「構造をつけるギャンブル」だと確信され、学者としての血が騒いだとのことでした。

そもそもがボートレース経験から導かれたのではなく、俯瞰的な視点で構造のゆがみを突くことがきっかけでしたので、ボートレースの知識が浅い先生はプロジェクト発足後、私がデータ分析をしている間、人目につかない夜間のグラウンドでのスクーターを使ったスタート実験やらスケートリンクで差しとまくり差しの違いを実体験するなどアクティブにボートレースを体感し、理解を深めておられるようでしたが、「僕は宇野弥生のすごさがわかったよ」と目を輝かせているお姿を拝見した際はこの人と一緒にやっていく自信を失いかけました。

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