初のJ3観戦 YSCC横浜 vs テゲバジャーロ宮崎 2021/05/16
YSCC横浜とテゲバジャーロ宮崎の試合を観に行ってきました。
普段はデータばっかりつぶやいていますが、たまにはデータに関係ないことも書こうかと思います。
なぜこの試合か、というと、色々と理由があります。
フォロワーさんからリクエストをもらってから、J3のデータもつぶやくようになり、サポーターさんの反応が色々あったりして、今まで一切見ていなかったJ3にも、自然と興味が湧いてきました。
また、私事でこの春横浜に引っ越したこともあり、三ツ沢球技場が近くなりました。
早速日程を調べて、まずはこの5月16日、YSCC横浜vs宮崎との試合を観に行くことにしました。
初めてのJ3観戦です。
まず、チケットが安い!
1800円(A)と2300円(S)の二つのカテゴリーのみ。
そのAカテゴリーでもメインスタンドのかなり真ん中寄りに座れます。
ゴール裏でも2300円をいくことがあるこの頃なので、とても驚きました。
得した気分です。
1800円のA席を購入しました。
当日になりました。
Google Mapsが教えてくれた通りに、横浜駅から三ツ沢公園に向かうバスに乗り込みました。
私は出口のすぐ横の席に座りました。
後から続いて、YSCCのロゴが入ったジャージを着る少年たちが入ってきて、バスの最後部に座りました。
ユースチームの子たちでしょう。
自分たちのクラブの試合に行けるなんて良いねえ〜と思っていましたが、彼らが話す内容は、やれメッシやら、やれネイマールやらムバッペやら、海外の選手のことばかり。
YSCCのホームゲームを楽しみにしている感じはあまりありませんでした。
バスの通路を挟んだ私の隣には、かなりガタイの良いアフロ頭の若い男性が座っていました。
体格が良すぎて、2人が座る席の1.5人分にようやく収まるくらいです。
「もしかして、選手?」と思いましたが、キックオフまであと45分ほどなので、そんな訳もないと思いました。
それから、バスが出発する直前に、40代ほどの男性が乗車して来ました。
彼は、座席には座らず、シャツの上からYSCCの水色のユニフォームを重ね着しました。
おお、彼も試合に行くんだな。
初めて見るYSCCサポーター。
他にも数名、試合に行きそうな格好の人たちがいましたが、バスは全く混んでいませんでした。
バスが三ツ沢公園に着きました。
皮肉なことに、横浜FCの宣伝が流れました。
バスからほぼ全員が降り、その後ろについていって、チケットゲートに向かいました。
アフロ頭の男性はスタジアムを通り過ぎて行ったので、試合観戦ではないのだな、と思いました。
公園内にテニスコートがたくさんあるので、テニスをするのかもしれません。
入場列に並び、係員さんの目の前でチケットを自分でもぎってゲートをくぐり、階段を一つ一つ登りました。
一つ一つ登るたびに、人の話し声やボールの音が聞こえます。
一つ一つ登るたびに、胸がソワソワしてきます。
階段を登り切ると、広い空と、緑色のピッチが広がっていました。
選手たちがウォーミングアップをしています。
お〜これこれ!
やはり、生観戦ならではの、何とも言えない興奮があります。
コンクリートの階段と真緑のピッチのコントラストがたまりません。
メインスタンドのホーム側にはそれなりに人がいたので、アウェー寄りの席に行きました。
また、私のツイートに反応してくれる宮崎サポーターが多いので、少々「テゲバ」に肩入れはしていました。
ピッチから少し離れたところに座ると、周りには、一人で観戦に来た方々が10人ほど散らばっています。
グループで来ている人たちは、大体ピッチに近い方に座っていました。
これ、みんな宮崎の応援の人たちなんだろうか、と思いました。
数にしたら100人とかそれくらいなのでしょうが、宮崎県との距離を考えるとなかなか多く感じました。
選手入場の前に、挨拶やセレモニーがありました。
その中でも、横浜市歌を、スポンサーの明治安田生命の方が独唱した時には驚きました。
コンサートに来たのかと勘違いするような素晴らしい歌声で、「え、なにこれ」と笑いを堪えるのに必死でした。
なんだか大晦日のガキの使いであるような展開だったかと。
大物演歌歌手が、美声で変な歌詞の歌を歌う、みたいな。
別に、横浜市歌は変な歌ではないですが。
私の他に笑いを堪えている人はいるかな、とキョロキョロしていると、メインスタンドの一番上、机付きの関係者席に視線が行きました。
そこをよく見てみると、日焼けした白髪の男性が見えました。
あ・・・原博美さん?
あの感じ、原博美さんじゃない?
原さん、今日この試合に来ているの?
他にもJ1やJ2の試合があるのに?
ちょうど2年前くらい前に、日産スタジアムでマリノスの試合を観戦しましたが、その時にも原さんを見つけて、ツーショットを撮ってもらったことを思い出しました。
おお、じゃあ、今回もツーショットをお願いしようかな!?
・・・いや、でも、J3の試合に、原さんが?
今日、他にJ1やJ2の試合があるのに?
なんで?
・・・人違いかな。
でも、あの、ちょっと老眼な感じでスマホで写真を撮る仕草が、以前に会った時に見たのと似ているなぁ〜。
やがて、選手と審判団が入場し、記念撮影を終えてピッチに散りました。
この時、最後のウォームアップでボールをもらった宮崎の18番が、やたら滑らかにドリブルをしているのが印象深かったです。
小柄ですばしっこそうで、足裏を使ってボールを左右に転がしたり、右足と左足で交互にまたいだり、足がとにかくよく動いていました。
この試合で「やってやるぞ!」というのがビシバシ伝わってきました。
こういう選手の熱を感じるのも、生観戦ならではですね。
そして、ここでようやく気付きましたが、今日の主審は女性の方でした。
「ああ、J3では女性も普通に主審しているんだな〜」とふんわり思いました。
自分の認識が正しければ、J1とJ2ではまだ女性主審のケースはないかと。
欧州の試合で見たことある光景なので、「審判もJ3から徐々にステップアップしていくんだな〜」くらいに思いました。
試合がキックオフしました。
宮崎がポンポンとボールをうまく繋いで、正確にビルドアップしていました。
隣のポジション、例えばサイドハーフとサイドバック、例えばツートップ同士との関係性がすごくよく、ダイレクトパスをミスすることがほぼありません。
チームメイトの位置がよく分かっており、練習をよく積んでいるんだな、ということがよく分かりました。
YSCCのプレスをかいくぐった宮崎が何回か決定機を作り、その中から、18番の選手がゴールの右隅に豪快に蹴り込みました。
見事な先制点です。
左サイドハーフに入っていた期待の18番が、私の期待に応えてくれました。
それからも宮崎が試合をコントロールしていました。
YSCCは、宮崎とは対照的で、ボールがよく繋がりません。
ひとりひとり、ボールを持ってから考えて、という感じで、テンポが悪いです。
チームとして一つの絵が描けていないようでした。
ハーフタイムに入りました。
トイレに行くついでに、関係者席がよく見えるところまで歩いて行きました。
そこから見上げてみると、原さんだ、と確信しました。
もぐもぐおにぎりを食べています。
あんまりじろりと見たので、目が合ってしまいました。
ついつい、頭を下げてお辞儀をしてしまいました。
原さんが、私のことを知るわけもないのに。
ハーフタイム中、雨が降っていたので、トイレの横、S席用の階段横にあるスペースで雨をしのごうと思いました。
そのエリアにはショップもあるので、結構な人ごみができていますが、階段横には誰もいなかったので、ちょうど良かったです。
人ごみの中でも、関係者っぽい、バッジを首に下げた人たちも、階段を上がったり降りてきたりしました。
よく考えたら、ここは原さんが座っていた席の真下の辺りです。
お、それじゃ、もしかしたらここで原さんに出会えるかも・・・と思ったりしました。
もし、ここで原さんが降りてきたら、「すいません、原さん、一緒に写真良いですか?」って言えるかな・・・言っていいかな・・・。
そんなことを考えながら、人の邪魔にならない場所で、ジーッと辺りを観察しました。
階段から降りてくる人を一人一人見ていました。
その私の姿はちょっと怪しかったと思います。
原さんは降りてきませんでしたが、一人、衝撃的な発見がありました。
あの、バスで隣に座った、ガタイの良いアフロ頭の男性です。
どこからか出てきて、姿勢良く歩いていました。
私の目の前に現れた時、衝撃のあまりビクッと反応してしまって、それに彼も反応してビクッとしていました。
バスの中ではベージュや白生地の半袖短パンでしたが、ここではなんと、YSCCの紺のジャージを着ていました。
あの、ユースチームの少年たちが着ていたのと同じジャージです。
あなた、選手だったのか・・・。
私は、彼のことをジーッと見てしまいました。
彼はきっとベンチ外の選手で、ホームゲームなのでスタジアムで見ることになっているのでしょう。
でも、バスで来るとは・・・。
一緒に乗っているとは・・・。
そして、ユースチームの少年も、ユニフォームを着ていた40代の男性も、自分のチームの選手に気付かないとは・・・。
後半が始まりました。
相変わらず宮崎ペースで試合が進みます。
後半は、ピッチに一番近い、一番前の席に座りました。
ピッチ全体を見渡すことは難しいですが、選手やスタッフが目の前にいます。
声もよく聞こえました。
目の前にいる宮崎の監督は、ギリギリまで前に出て試合を観察し、たまに指示を送っています。
「中盤スペースできちゃってる! 縦の距離感!」
(YSCCがビルドアップしている時)
「ハードワーク! ハードワーーーーク!」
(YSCCのサイドバックに宮崎のサイドハーフが寄せきれていない時)
よく振り返ってみたら、指示ではないですね。
指摘でしょうか。
観察結果の共有でしょうか。
「ああしろこうしろ」という細かな感じは一切ありませんでした。
短く端的に言うだけで、命令口調ではありません。
そこがすごく面白かったです。
また、副審の声も一度聞こえました。
ぶっちゃけ、どの副審の人の声も聞いたことがなかったため、驚きました。
副審の目の前で競り合いがあり、宮崎の選手が倒れ、ファウルをアピールした直後です。
「絶対ない」
ちょっと失笑気味に言っていたので、正直耳を疑いましたが、その時にちょうど副審の横顔が見えたので、副審の声だと分かりました。
私の周りは半径10席くらい誰もいなかったので、私しか聞こえていないと思います。
なんかこう、審判にもこういう負の感情はあるんだな、と思いました。
確かに、この試合、宮崎の選手が若干過剰にアピールしていた感じはありました。
例えば、カウンターの時に宮崎の選手が激しいファウルを受け、けれどもチャンスになりそうだったため、アドバンテージで流された時。
宮崎の一部の選手が「レフェリー! レフェリーーー!」と叫んでいました。
もし、ここで、主審がアドバンテージを取らずにファウルを取ってチャンスを潰してしまっていたら、そういうふうに怒るのは分かります。
ただ、せっかくナイスアドバンテージを取っているのに、つまりは主審がそれをちゃんとファウルと認識しているのに、「レフェリー!」と叫ぶのはちょっと違うかな、と。
その他、大したことないコンタクトで、大叫びでファウルを要求したりするシーンがありました。
審判団も、そういうところで宮崎の選手にフラストレーションを感じていたのかもしれません。
私からすれば、主審の方は笛を吹きすぎず、荒いプレーにはちゃんと注意をしていたので、普通にコントロールできていたと思います。
宮崎が決定機を作り続け、その中から追加点を取って勝利しました。
正直、YSCCサポーターが盛り上がれるようなシーンはほぼありませんでした。
もし、バスの中のYSCCユースの少年たちが、この試合に自発的ではなく強制的に来させられていたのなら、不憫でしかありません。
確かに、メッシやらムバッペやらの方がワクワクします。
このYSCC、かなり心配になるレベルでした。
遠くに見えたYSCCの監督も、試合を通してピッチの前に出て腕を組んで見つめるだけという、策が尽きたの監督がよくやる仕草をしていて、監督交代も避けられないのでは、と思いました。
試合終了後、宮崎の選手たちが目の前に挨拶に来たため、立ち上がって拍手を送りました。
選手がすぐ目の前にいるのはちょっと緊張しますが、良いもんですね。
ちなみにこの時、宮崎のイケメン選手が、スタンドに誰かを見つけたようで、パッと笑顔になって手を振りました。
その方向を見てみると、モデルのような背の高い美女が二人いて、照れたような仕草をしていました。
あ〜、自分の試合に宮崎からはるばる呼んだのかな?
すごいな〜。
ヒーローインタビューを終えた宮崎の18番が、遅れて挨拶に来ました。
やはり、ピッチに近いので、選手の顔がよく見えます。
彼は、サッカー少年がそのまま大人になったような表情をしていました。
頭を下げてからスタンドをじっと見ている時、誰かを探しているようにも、この景色を目に焼き付けようとしているようにも見えました。
選手が全員ピッチを去った後、パチパチと写真を撮ったりしていると、女性四人グループが手すり越しに誰かと話しているのがわかりました。
その手すりの下にいたのは・・・監督です。
なんと、宮崎の監督がサポーターと話しています。
すごいな!
これがJ3か!
何を話しているか聞こうと思いましたが、その結果ジローっと見つめてしまって、監督さんに視線に気づかれて気まずくなったので、そそくさと退散しました。
ただ、監督さんは終始笑顔で、いい人だなあ、と思いました。
帰り道、バスに乗りながら色々と調べたりしていました。
すると、発見がいくつか。
今日の主審、山下良美さんは、今日初めてJ3の試合を担当。
また、女性主審がJリーグの主審を担当したのが史上初。
なんと、歴史的な試合を私は見に行っていたのでした。
と、すると、原博美さんが試合に来ていたのも納得です。
DAZNで放映している、ジャッジリプレイ関連でしょう。
「私、この試合観に行ってですね、試合後挨拶しましたけれども」なんて言うのが想像できます。
また、ゴールを決めた宮崎の18番、渡邊龍選手は、この試合がJリーグ初スタメンだったようです。
それだけでなく、1週間前に行われた天皇杯の宮崎県代表を決める大会の決勝戦で、最後の最後にPKを外していたようです。
なるほど、キックオフ直前に見えた、あの気合の入り方には納得です。
それが報われて良かったですし、これからも活躍してほしいです。
なんだか応援したくなりました。
ちなみに、バスに乗っていたYSCCの選手はベベニョン日高アレクサンドルという選手のようでした。
20歳で、194センチの長身フォワード。
彼のことも応援しようと思います。
最後に、ずっとベンチから声を出していた監督は、実は監督ではありませんでした・・・。
倉石圭二ヘッドコーチだったようで・・・。
監督はずっとベンチの中にいたのでしょうか。
家に帰ってから、荷物を置いて、ふーっと息をつきました。
「楽しかったな」
ぼんやりと、その言葉が頭に浮かびました。
ここに書いた以外にも色々と発見があり、新しいこと、学んだことがたくさんありました。
純粋に、「また行きたいな」と思いました。
いやーしかし、生観戦っていうのは、90分の試合時間以外の楽しみが多いですね。
また、J3には、J1やJ2とは違う楽しさがあります。
何にしても、観客を入れて試合を開催してくれるJリーグや、各クラブの運営スタッフさんに感謝ですね。
日程さえ合えば、できるだけ三ツ沢球技場に行って、この非日常を味わえたらな、と思います。
下記のツイッターアカウントでJリーグのデータをつぶやいているので、是非フォローを〜