🌃【前半】Spotify API を使ってBe:Firstの楽曲データや2023年度の世界トレンドを分析してみる！

2023年10月12日 08:51

しばらく流行曲なんて興味がなく、しかも日本の流行りにも疎かった私が、なんとなく口ずさめる曲に出会った。しかもそのバンドは海外で活躍することを夢見てる若手アーティストだとか。

そこで調べたくなったのが、彼らの今年の代表曲は、全世界のSpotifyで今年２０２３年流行っている曲とどれくらい似ているのか。つまり、Spotifyで良く聞かれている曲と属性などの曲調が似通っていれば、もしかして彼らの楽曲も全世界に届くんじゃないか？そう思い勝手に分析していきました。

今回フィーチャーするアーティストは、
Be: First (Mainstream)
です。

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【前半】であるこの記事ではSpotifyデータ全体の分析から始めていきたいと思います。【後半】では実際にSpotify APIを使って調べたい楽曲のデータを取得し、今年の流行の楽曲と照らし合わせて分析していきます。
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データソース

まずは２０２３年（現時点までの）楽曲データをｃｓｖファイルでダウンロードしてプロジェクト用のダイレクトリーに保存します。

２０２３年度の楽曲データを色々な角度から見ていきます。

df.info()

df.info()でデータの全体像を見ます。
まず一番左側のコラムはインデックスです。ちなみにPython言語は０からカウント、R言語は統計言語なので１から数えます。
その次のコラムは楽曲の属性などを示すパラメター。その隣にはNon-Null Countとあります。これはNull（何も設定されていない値）がどれだけ含まれているか知ることができます。"in_shazam_charts"というパラメターにNullが含まれているようなので対処しなければなりません。そして一番右がデータのタイプです。パラメターのデータタイプはオブジェクトかint (整数型)なことがわかります。
この全体像から次のステップである「データ・クリーニング」と呼ばれる作業をどのように行っていくのか考えていくことになるのですが、データクリーニングはかなりのステップやテクニックが必要となるので、これについてはまた次の機会に触れることとします。

簡単なビジュアライゼーション（可視化）とアナリシス

ここではPythonというプログラミング言語を使用してデータの可視化をしていき、どんな音楽が今年は流行っているのかを見ていきたいと思います。

plt.figure(figsize=(10,8))

sns.countplot(data=df, x='released_year')
plt.title('Distribution of Tracks Produced Over Time')
plt.xticks(rotation=90)
plt.show()

例えば上の簡単なコードでこのようなバーグラフが現れます。

２０２３年（現時点）で最もストリーミングされている人気曲のリリース年のバーグラフ

前年度（２０２２年）の多くの楽曲が今年になっても聴かれている事がわかります。

months = ["January", "February", "March", "April", "May", "June", "July", "August", "September", "October", "November", "December"]
sns.boxplot(data=df, x="streams", y='released_month', order=months)

plt.title('Boxplot of Stream Volume by Released Month in 2023')
plt.ylabel('Release Month')
plt.show()

そして２０２３年（現時点）で最もストリーミングされている人気曲のリリース月のボックスプロットです。
１月と９月にリリースされた楽曲が他の月に比べて多いことがわかります。

artist_counts = df['artist(s)_name'].value_counts()
df_artist_counts = pd.DataFrame({'Artist': artist_counts.index, 'Count': artist_counts.values})
df_sorted_artists = df_artist_counts.sort_values(by ='Count', ascending=False)
df_top_10 = df_sorted_artists.head(10)
sns.barplot(data=df_top_10,x='Count', y='Artist')
plt.title("Top 10 Artists With Total Streams in 2023")
plt.show()

そして２０２３年（現時点）で最もストリーミングされているアーティスト、トップ１０です。１位はやはりテイラー・スウィフト、圧巻です。

楽曲の属性（Attributes）

そしてここからは楽曲の属性について調べていきます。ここで言う属性とは、「ダンサビリティ」「エネルギー」「アコースティックネス」などがあり、その楽曲がどういう性質の曲なのかを数値化しています。

そして属性のデータを用いて相関分析（Correlation Analysis）をヒートマップで可視化していきます。

track_attributes = ['danceability_%',
                    'valence_%',	
                    'energy_%',	
                    'acousticness_%',	
                    'instrumentalness_%',	
                    'liveness_%',	
                    'speechiness_%',
                    'bpm']

plt.figure(figsize=(10,8))
sns.heatmap(df[track_attributes].corr(),
            vmin=-1,
            vmax=1,
            annot=True,
            cmap=('RdBu_r'))
plt.xticks(rotation=45)
plt.show()

上にあるヒートマップをみると青いボックス、アコースティックネスとエネルギーが少し強めの相関関係にあることがわかります。もう少し調べてみましょう。

plt.figure(figsize=(10,6))

sns.regplot(x='acousticness_%', y='energy_%', data=df_sorted_100)
plt.show()

機械学習を用いた予測モデルを構築する際には、説明変数の中に相関係数が高い組み合わせがないかどうか確かめる必要性があります。相関係数が高い組み合わせが含まれている場合は多重共線性と呼ばれ、幾つかの説明変数を取り除いたりする必要があるためです。この説明は長くなるので、これもまた別の機会に、機械学習についてのNoteに書きたいと思います。

plt.figure(figsize=(10,6))

sns.countplot(x='key', 
              data=df, 
              palette='viridis',
              order=df['key'].value_counts().index)

plt.title('Distribution of Songs by Key')
plt.xlabel('Key')
plt.ylabel('Count')
plt.show()

どのキーをベースにしてそれぞれの楽曲が作られたのか、そして傾向を表すバーグラフです。C＃が一つ頭抜けて多いことがわかります。どんな有名曲がC＃ベースなんでしょうか？

df_sorted_100[df_sorted_100['key'] == 'C#'].sort_values(by='streams',ascending=False)

リリース年を見るとかなり昔の曲も今年良く聞かれてる事がわかります。代表曲がザ・ウィークエンドのBlinding Lights、そしてエド・シーランのShape of Youなどがあります。

# Analyzing the distribution of Beats per Minute
plt.figure(figsize=(10,6))

sns.histplot(df_sorted_100['bpm'], bins=50, kde=True)
plt.axvline(x=df_sorted_100['bpm'].mean(), color='red', linestyle='dashed', linewidth=2, label="Mean BPM")

plt.title('Distribution of Beats Per Minute (BPM)')
plt.xlabel('BPM')
plt.ylabel('Frequency')

plt.legend()
plt.show()

次はBPMを見ていきます。BPMとはBeats Per Minuteの略で音楽のテンポを表す単位です。数値が高くなるほどテンポが速い曲、低いほどスローな曲という意味です。
ちなみに最もストリーミングされた曲トップ１００の平均BPMは１２２．６でした。（グラフにある赤い点線が平均線です）

plt.figure(figsize=(8,6))

sns.countplot(x='mode', 
              data=df, 
              palette='viridis',
              order=df['mode'].value_counts().index)

plt.title('Distribution of Songs by Mode')
plt.xlabel('Mode')
plt.ylabel('Count')
plt.show()

最後にモードという属性を見ていきましょう。モードは長調(Major)と短調(Minor)があり、簡単に表現すると長調は明るい響きの音、短調は暗い響きの音を表しています。上のバーグラフから見ると長調(Major)の楽曲のほうが短調(Minor)よりも多い事がわかります。

【後半】では実際にSpotify APIを使って調べたい楽曲のデータを取得し、今年の流行の楽曲と照らし合わせて分析していきたいと思います。