プリズン・サークルを観て

金曜日に休みをとったこともあり今日まで3連休。
この3連休は学びの3連休だったかもしれない。

金曜日は映画「プリズン・サークル」を鑑賞。
刑務所ドキュメンタリーだ。6年にわたる構想と向上。2年にわたる撮影。TQと呼ばれる教育プログラムを受けている一部受刑者の様子が描かれていた。

なぜその罪をおかしたのかを振り返ったり
自らの生い立ちを振り返ったり
未来に向けた対話をしたり

そこにあるのは一人の人間として、自らのふたをしたくてもおかしくない深く深く闇に包まれた不都合な真実に目を向けて向き合っている真摯な姿だった。

犯罪はダメだ。傷つけている人がいる。
一方で犯罪者が生み出される社会的な構造もある。
生まれたときから犯罪者なわけじゃない。
犯罪者になるべく環境がそうさせた現実もある。
もちろん、その環境に汚染された本人の問題もある。

受刑者同士でサポートしあい、本気で向き合う。結局、人は自分の一人の力で嫌なところを向き合いになんていけない。そこには安全な場所と、信頼のできる仲間がいなきゃ無理だ。

心理的安全性という言葉がいわれるようになってから久しい。しかし、本当の意味で、心理的安全性が確保された場はどれだけあるだろうか。そう簡単につくれるものじゃない。場をつくる主体のあり方から全てがはじまる。

このTQプログラムが受けられる受刑者は40000人の刑務所収容者のうち、40人だけだ。これをみたら、もっとこういう場が提供できる刑務所を増えたらいいなと思う。

一方で、本気で、受刑者のこれからを考えて、罪と人を切り離して向き合える刑務所で働いている人がどれだけいるだろうか。また、受刑者たちだって、ある意味弱味を握られるくらいの話をするわけだから、そこにダイブできるかと問われればなかなかに難しいだろう。

ダイブできるためには、
・刑務所側のスタッフの受刑者への向き合い方
・対話をサポートできる支援者の存在と技術
・ダイブができる受刑者の存在

が必要だ。刑罰を与えて、更生させるとはいうが、色々な作業やふれあいだけでどれだけ変容が起きるのだろうか。

過去を成仏させて、今の現実に向き合い、未来に向けて考える、そうじゃなきゃ本当の意味での更正はない。

実際にTQプログラム経験者の再犯率は他の刑務所プログラムと比較しても半分以下らしい。きっとそこには過去を成仏させ、現実に向き合い、未来への対話を重ねてきたからだろう。そして、何よりも、そのプロセスで本気で関わっていた人たちの存在が大きいんだろう。

出所後も相互サポートがされていて、それにより、引き戻されないようにもされていた。

人は一人じゃ生ききれない。
他者に振り回されることもある。
でも、他者がいなきゃ生きていけない。
まさに「人間」。
人の間で生きていわけだ。

だからこそ、人と人との間での相互を肯定しあって、必要に応じて率直なフィードバックをしあって、自分という存在を感じられる場が必要だ。

そんな社会をつくっていけたらきっと人は幸せに溢れるだろう。

やっぱり、社会の中で、
自分が自分らしくいられる場所をつくること、
自分という存在をまるっと受け入れられる人を増やしていくこと、

そんな風なことをしていくのが自分の使命だ。

人の美しさを伝えていきたい。

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