[Diamond League Paris]Result
驚異の”世界記録”連発
Men 2miles…7'54"10/Jakob Ingebrigtsen(NOR)
[World Record]
〇通過タイム
〇レース展開
序盤ペースメーカーのCampion(FRA)・Munguti(KEN)を先頭に一団となり、Jakob・S.Mcsweyn(AUS)・Kipkurui(KEN)と続く。1000mごろにはかなり縦長の集団となり、Mcsweynが遅れ始める。P.Chelimo(USA)も1600m時点で50mほど遅れる。
2000mでは既にペースメーカー(Munguti)とJakobの独走状態となり、記録との戦いへ。
ラスト2週になり、若干体のぶれが出始めるが、ブレであると同時に加速への起爆剤でもあるかのように徐々にペースを上げていく。苦悶の表情は浮かべない。
淡々と世界記録更新を成し遂げた。
以下レース後のフラッシュインタビュー
まさに”驚愕”。
ペースメーカーが2200mまでいたとは言え、凄まじい記録となった。WAのScoring Tableに換算すると[1304 Points]に値し、以下の記録と同等になる。
余計な説明はいらない。
間違いなく彼が世界歴代最高峰の選手だと証明されたレースとなった。
ブダペスト世陸で新たな歴史を築くだろう。
Men 3000mSC…7'52"11/Lamecha Girma(ETH)
[World Record]
〇通過タイム
〇レース展開
序盤ペースメーカーのK.Kipsang(KEN)とEl M.Aboujianah(ESP)が牽く。続いてGirma・8'06"29の自己記録を持つH.Amare(ETH)・PB:8'05"51のA.Kibiwot(KEN)。
Kipsangは1200mまで、素晴らしいイーブンペースで刻んでくれた。
(彼のPBは2019年に記録した8'11"26
現在29歳であるため、混戦甚だしいケニアの3000mSCの中ではもまれてしまうだろうが、彼示自身の活躍にも期待したい)
1400mごろでGirmaがAboujianahの前に出る。
(個人的には3000mSCのペースメーカーは相当過酷だと思う。基本的にはただでさえ自己記録より速いペースであるのに、ハードルや水濠を越えながら後ろに着く選手に合わせたり、邪魔にならないようこなすのは尋常ではない)
2400m以降徐々にペースが落ちてしまうが、障害で足を取られたわけでもないため、単純にペース負荷によるものだと思う。そもそも単独走での3000mSCは障害に足を合わせやすい一方、競る相手がいないため極端なスピードアップが期待しづらいという側面もあるだろう。今季の7'台ランナーであるEL Bakkali(MOR)がいれば、(両者ともに)さらにタイムが狙えた気がする。
WAのProfiles上での最初の記録が2018年の8'46"23。
それからたった5年で彼は世界記録を塗り替えた。
今後は障害だけでなく、フラットのレースでもタイトルを期待できる。
Women 5000m…14'05"20/Faith Kipyegon(KEN)
[World Record]
先日のDL Florenceでの[1500m:3'49"11]は間違いなく世界に激震を走らせた。それに引き続き、またもや世界を驚嘆させた。
前世界記録保持者のL.Gidey(ETH)とのマッチアップだったため、接戦必至が想定されていたが、着実に68"/400mのペースで刻み、ラスト400mは60"のスプリントを見せつけ圧巻の世界記録を打ち立てた。2着のGideyもパフォーマンス世界歴代3位の好記録で完走。
世界陸上の混戦模様がより一層強まった。
いざ世界…
Men 3000mSC…8'09"91/Ryuji Miura(JPN)
[National Record]
今大会、自分たち日本人にとって楽しみであったことは[三浦龍司]のDL挑戦であった。
彼は今までDLに参加すれば、確実に成果を残していた。
確かに世界のトップとの差を考えてしまえば、「まだまだ」というコメントがあって然りだと思うが、間違いなく世界への距離は縮まっている。
今季はすでに3000m1本(7'58"61)/5000m2本(13'35"00/13'45"52)/3000mSC2本(8'19"07/8'21"41)に出場していた。3000mSCに関しては、WAの「A」カテゴリーに値する[SEIKO Golden Grand Prix]と「B」カテゴリーの[日本選手権]
を制し、勝負の場面を着々と乗り越え、一つ一つ勝利を手にしてきた。
「世界」を目指す彼にとって、全て必要なパーツだったのだろうか。
ここにきて[8'09"91]の日本新記録を叩き出した。
「0"01」の微々たる進歩かもしれないが、2021シーズンの東京五輪ぶりの一桁台。世界選手権への貴重なワンピースとなる。