海外大学留学にかかった費用『1,400万円』オーストラリアは高い…
留学準備は何にどのくらい費用がかかるの?
将来が見通せない不安で目の前のことに集中できない
留学費用捻出のためにどのぐらい切り詰めた生活をするの?
わが家はボクが看護大学に留学し、妻がついてくるという形でオーストラリア移住しました。
その記録から「何にどのくらいの費用がかかる」か内訳を調べてみました。
結論から書くと、約4年間の留学にかかった費用は約1,400万円でした。個別にかかる料金などは本文で詳しく解説していきます。
夫婦2人でオーストラリア留学した費用は?
留学生の状況によってかかる費用は大きく変わるので、わが家の特徴をまとめておきます。
わが家の移住の特徴
・英語力のせいで語学学だけでも1年と長い
・ボクだけが学校に通い、妻は働いていた
・夫婦2人分で費用は単純計算で2倍
・貯金は留学前後から2人で協力して
これはボクが留学した2011年前後のものなので参考までに。為替レートはボクが留学した当時の$1=80円で計算しています。
留学前の準備費用:682,600円
留学にかかる学費:5,398,400円
夫婦2人の生活費:7,924,000円
看護師登録と永住権:991,200円
留学費用を貯めるために大切なことは貯金・節約
4年間の留学にかかった総額は約1,400万円。渡航の前には約500万円を貯金して、後は現地調達という感じです。
留学の前後を通して節約、貯金、そしてしっかり稼ぐことが必須。
オーストラリア留学前の準備費用:682,600円
留学準備にはたくさんの費用がかかります。
それだけでなく「何をすればいいのか分からない」という状態だったので留学エージェントにお願いすることにしました。
1つずつ見ていきましょう。
留学エージェント:0円
学生ビザ費用:$620(49,600円)
学生保険費用:$4,800(384,000円)
IELTS受験料:50,000円
健康診断:40,000円
航空券:140,000円
パスポート:16,000円
国際免許:3,000円
留学エージェント費用
留学エージェントは英語ができないボクにとって、申請の手伝いをしてくれる大切なパートナーでした。
しかし料金比較のために見積もりを出してもらうと、値段がぜんぜん違って驚き。
費用の違いだけでなく
「見積もりを出します!」と言って連絡が途絶えた
他社より200万円以上高い
足りない分を借金をさせようとする会社
できるだけ費用を抑えるために、仲介料がかからないオーストラリア留学.netというエージェントにお世話になりました。
学生ビザ費用
留学生は学生ビザによって滞在するこができます。
わが家ではボクが学生ビザ、妻が配偶者ビザ(spouse visa)というものが必要でした。
留学エージェントが申請を代行してくれて、実費だけかかりました。
学生保険費用
留学生は必ずOSHC( Overseas Student Health Cover)という留学生用の健康保険に加入します。
Allianzという会社の家族用の保険を4年間支払いました。1年ごとの支払いです。
しかし注意点がいくつかあります。
完全無料にはならない
一度全額を自己負担し、返金を申請する
歯科、コンタクトなどはカバーされない
申請を代行してくれるクリニックもあるので、費用の質問なども併せて聞いてみるといいですね。
IELTS
語学学校の期間は申請前の英語のレベルによって変わります。それをチェックするのがIELTSという語学テスト。
ライティング、スピーキング、リーディング、リスニングに分かれており総合的な英語のチカラを判断されます。
受験料が1回$300ってけっこうしますよね。
妻は提出の必要ありませんでしたが、実力試しに受験しました。
健康診断
学生ビザを申請するために健康診断が必要でした。
簡単な診察やレントゲンを撮りますが保険がきかないのがツライ。
期限ぎりぎりだったので近くの病院は予約でいっぱい。大阪から神戸の病院まで受診に行きました。
問題なしでひと安心。
航空券
航空券の値段は時期・航空会社によってまったく違うので早めに、何社もの見積もりを出すのがオススメです。
わが家ではカンタス、JAL、ジェットコースターを使って日本とオーストラリアを行き来しています。
カンタス:ポイントがたまる
JAL:サービスと機内食が最高
ジェットスター:とにかく旅費を抑えられる
パスポート
わが家ではオーストラリア以前に他の国に行く際に申請したので、留学時には必要ありませんでした。
国際免許
留学生でもオーストラリアで車を運転することもあると思います。
メルボルンでは日本の運転免許をVic Roadに持っていけば、すぐにオーストラリアの免許証をもらえました。
日本と同じ左側通行でほっとしました。
日本のように講習を受けたりする必要はありません。簡単簡単!
語学学校・大学などにかかった費用:5,398,400円
こちらでは大学・資格関係の費用を紹介します。1番費用がかかる部分ですね。
ボクは英語のレベルが低すぎて語学学校に2年間、大学に2年間通いました。
看護科は本来3年ですが、日本での看護師経験を加味してもらい2年目に編入。
語学学校+大学準備コース:$11,780(942,400円)
医療準備コース:$12,800(1,024,000円)
看護大学:$40,000(3,200,000円)
教科書:$0
アシスタントナースの資格コース:$1,000(80,000円)
IELTS準備コース:$900(72,000円)
OET準備コース:$1,000(80,000円)
授業料が一括払いではなかったので安心。
学生ビザを申請する時点で「授業料の約5%」を手付金のとして支払い各学期が始まるまでに残金を支払いました。
語学学校と大学準備コース
英語力が低すぎて1年間も語学学校に通うことに。
人生初の英語だけで学ぶ授業。でも語学学校に通ってたときが1番気が楽で楽しかったです。
英語を学ぶのはもちろんですが、オーストラリアの文化や歴史についても教えてもらいとても勉強になりました。
オーストラリアでは語学学校の費用は週ごとに決まっていて、好きな期間で区切りやすいのがいいですね。
わが母校ACU付属の語学学校。ここに入ると大学編入時に必要なIELTSのスコアを提出しなくていいので助かりました。
医療用英語コース
オーストラリアの大学に準備するためのコースと医療用英語クラス。
例えば次のようなことを学びました。
ディスカッション
生徒の前でプレゼンテーション
エッセイの書き方を学ぶ
医療英語
患者さんに指導する練習
語学学校とは違って急に授業のレベルが上がり、ストレスがかかり始めます。
大学・看護科
ついに本来の目的の看護学を学ぶ時期です。
毎日課題や授業の準備に追われて図書館で1日中パソコンを使っていたのを覚えています。
課題の多さだけではなく、日本とオーストラリアの看護の違いに戸惑うことも多々ありました。
教科書
医学書ってどれも高いんです。中には$200とか$300するような教科書もありました。
しかしボクは教科書を購入していません。
理由は費用を節約したかったことと「看護の知識があるから大丈夫!」と変な自信があったからです。
「すでに知ってるのに半年で10冊も医学書買えるか!2年間なら40冊!」という感じ。
仮に1冊$150としても$6,000です。
図書室にはたくさん看護関連の本があるのでなんとかなりました。
アシスタントナースの資格コース
アシスタントナースとは日本でいう介護福祉士です。
介護施設で働くためにCertificate III in Individual Supportという資格を取りました。
この資格を取ると、いろんなメリットがあります
大学の休みの間に資格が取れる
日本食レストランより高い給料
実際の医療の現場で働ける
オーストラリアで看護師になりたい人はアシスタントナースとして経験を積むのがおすすめです。
IELTS準備コース
看護師の免許申請の条件として「充分な語学力」が必要です。
ビザの期限が迫っていたので対策コースを受講しましたが、効果はなく失敗しました。
ライティングが6.0以降全く伸びず諦めてしまいました。ホントに難しい!
日本人はライティングにてこずる人がとても多いようです。
それは自然な言い回しができないからネイティブに修正してもらうのが近道。
OET準備コース
IELTSがダメったのではOETという医療用英語に特化したテストに挑戦しました。
テストのための対策コースを受講しましたが1回目は失敗。
リスニングが鬼のように早くて痺れた。
2回目は自力で勉強し、なんとか合格できました。
夫婦2人の留学にかかった生活費::7,924,000円
オーストラリアの物価は一般的に日本より高いので生活費も高くなっています。
学費以外にもけっこうお金がいることに驚くと思いますよ。
ホームステイ:$3470(27,760円)
食費:$19,200(1,536,000円)
家賃:$46,800(3,744,000円)
水道光熱費:(家賃に含まれてた)
通信費:$5,760(460,800円)
交通費:$11,520(921,600円)
小遣い:$4,800(384,000円)
医療費:$2,700(216,000円)
雑費:$4,800(384,000円)
ホームステイ
外国に行くときに住む場所がないのは困るので、多くの留学生の方が最初の数か月はホームステイを考えます。
妻は英語が話せるので、頼りっきりにならないように1人で3か月間ホームステイをすることになりました。
食費
食にはちょっとこだわるほうで、あまり海外っぽい食べ物は食べません。
というより30歳を超えて脂っこいものが苦手になってきました。
ということでわが家はほとんど自炊。
食費は夫婦2人で月に$400ぐらいです。外食すればもう少しかかりますが、月に1.2回程度です。
それは看護師として働いて給料を得ている現在でも変わりません。節約したいなら自炊がコスパ最強ですね。
家賃
看護留学生としてオーストラリアに移住する場合は、数年間は住み続けることになるので住宅環境はとても重要ですね。
選択肢は何種類かありますが、もちろん街から近いほど、家が大きいほど家賃も高くなります。
シェアハウス
学生寮
アパート・一軒家
わが家では留学生の間はシェアハウスに住んでいました。
街から電車で約20分ほどの場所で静かな住宅街。
最初の2年間は週に$200(ネット光熱費込み)、その後は値上げされて週$250を2年間支払っていました。
水道光熱費
シェアハウスでは水道光熱費の計算方法はバラバラです。
うちのシェアハウスのように最初から家賃に含まれていることもあれば、オーナーが前月の使用量を住人の数で割って払うという場合もあるようです。
ちなみにわが家の現在の水道光熱費はだいたいこんな感じ。
参考までに現在の我が家の水道光熱費 2020/8分
水道:月$25(2,000円)
ガス:月$20(1,600円)
電気:月$50(4,000円)
通信費
もはやインターネットで何でもできるようになった現代ではスマホは必需品です。
大学の課題もほとんどがパソコンでの提出。ノートパソコンは必需品です。
SIMはボクが使っているOptusという会社の場合、日本のように2年縛りの契約すれば、スマホ本体が込みで月$60-80ぐらい。
SIMガードだけだと10Gで月$40から使用できます。
探せばもっと安い会社もありますよ。
交通費
メルボルンはオーストラリアで最も公共交通機関が発達しているといわれています。主な移動手段は
電車
バス
トラム(路面電車)
メルボルンでは電車、バス、トラムはすべて同じ会社でmykiという電子カードに入金して支払います。
料金は1日通しで$9ぐらい(毎年値上げしています。)
定期にすると月$120とお得なのでずっとそれを利用していました。
その他にもタクシーやUberを利用できますが、貧乏学生には勿体ないので緊急時のみです。
Uberでは10分で約$10、タクシーなら$15ぐらいが目安です。
交通費 月$120×2人分×4年分=$11,520(921,600円)
美容費
ボクはシェアハウスにバリカンがあったので、節約のために妻に髪を切ってもらっていました。
そのおかげで妻の技術も上がり、いまだにオーストラリアで髪を切ってもらったことはありません。
妻も日本で美容院に行きたいそうなのでメルボルンではお世話になっていません。やはり、日本人の髪質には日本人の美容師さんがあっているようです。
相場としては
カット$70~
カラー$100~
セット$60~
どこの国でも女性のおしゃれにはお金がかかるものですね。
妻いわく、化粧品などの記録は残っていませんでした。無駄遣いはしてないそうです。
小遣い
節約生活の中でも我が家では、一応小遣いをもらって生活していました。
ちなみに小遣いは月に$50。これで買える物って。。。最近の小学生でももっともらってるんじゃないでしょうか。
医療費
ボクはオーストラリアに来て1か月ほどで歯のかぶせが取れてしまい、どうしても歯科医を受診することになりました。
なんとその時に虫歯が6本も見つかってしまい総額で$2,700もかかってしまい、ガクッと膝から崩れ落ちました。「留学1か月で20万以上。。。」
日本から渡豪する前に検診してもらったのに。
是非皆さんも歯医者さんでレントゲンを撮って完全に治療してからオーストラリアに来ることをおススメします。
それ以外は大きな病気もなくありがたい限りです。
雑費
シェアハウスに入っていると、共同で使用するのも(トイレットペーパーや洗剤など)はオーナーが買うことが多いようです。
それでも、日用品など細々したものはわりとかかりました。
大学が終わってもまだまだお金はかかりますよ。
看護師登録と永住権にかかった費用:991,200円
わが家の留学の1番の目的ともいえる看護師登録と永住権の申請です。
ここからは大量の書類を提出するのでお金も労力もかかります。
ANMAC申請代金:$340(27,200円)
AHPRA申請代金:$170(13,600円)
OET受験料:$1,200(96,000円)
IELTS受験料:$1,200(96,000円)
健康診断の受診料:$500(40,000円)
ビザエージェント費用:$2,700(216,000円)
永住権の申請費用:$6,000(480,000円)
ブリッジングビザ申請費用:$280(22,400円)
ANMAC申請代金
ANMACとは海外の看護キャリアを認定してくれる団体です。
海外で看護を学んだ人が「オーストラリア看護師の基準に達しているか」をチェックするということです。
「今さら?ダメだったらどうなるの?」とも考えましたが、とにかく書類を提出するしかありません。
AHPRA申請代金
AHPRAとはオーストラリアの看護協会のようなもの。オーストラリアで看護師として働くためにはここに登録する必要があります。
毎年12月には現地の看護学生も含めて一斉に申請されるのでとても時間がかかりますのでお早めに。
OET受験料
ボクは留学当初にOETを受けて、完全に敗北。
IELTSに切り替えましたがライティングで惨敗。
数年後に看護師免許申請の時に必要だったので、もう1度OETにかけて受験し、なんとか必要な英語の基準に達しました。
それにしても1回の受験料が$600って高いですよね。
IELTS受験料
看護師免許申請のために必要な語学テストのIELTS。
ボクは3回受験しましたがライティングが必要なスコアには届かずに諦めました。
妻もビザの申請のために英語のレベルを示す必要があったので受験しました。
健康診断の受診料
永住権のビザ申請時には健康診断があるので、2人で受けました。
Bupaという会社の健康診断です。もちろん保険適応外。
特に問題なくほっと一安心。
ビザサポートエージェント費用
卒業ビザの申請は自力で行いましたが、永住権はビザ申請のエージェントを利用しました。
その理由は学生ビザの期限が迫っていて、手順や書類が非常に煩雑なためです。
ちょっとした間違いで申請の時間が長引いて期限が切れるのは困ったので、$2,700と高いですが仕方ないと判断しました。
永住権の申請費用
永住権申請自体にかかる費用です。
なんとか期限内にすべての書類を集めて提出することができました。
ここまでくれば自分たちですることはないので、書類を提出してしまえば後は移民局が審査をしてビザがおりるのを待つのみ。
ブリッジングビザ申請代金
これまでのご褒美として日本に一時帰国しようということになりましたが「ビザ申請中は海外に出られない」とのこと。
しかし、ブリッジングビザがあれば旅行ができるということで申請することに。
実際には旅行をする前に永住権がもらえたので、無駄になりました。
社会人でオーストラリア留学には貯金と費用節約
留学費用はトータルでどのくらいかかるかわからず不安になります。
わが家の留学の特徴は、
日本人の夫婦2人
1人が語学学校と看護科に通う
トータルで4年間の留学期間
このような条件で留学費用が約1,400万円かかりました。
節約生活、留学前の貯金、移住後のアルバイトによりなんとか乗り越えて目標を達成できました。
2011年の情報なので物価や為替が違いますが参考になれば幸いです。