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花見のはなし

桜が、満開だ。朝起きて家族と朝食をとりながら「桜が満開だね」と話す。その話の流れで昼食はどこかで桜を観ながら食べようととなる。

急な決定だったので昼食はコンビニのおにぎりやサンドイッチを買っていった。なんとなく花見のイメージで三色団子も買っていった。

自宅から車で20分ほどで着く大きめの公園がある、そこならきっと桜の木もあるからとそこを目指した。行く途中の川ぞいにたくさんの人がお花見をしているのを見る。所狭しとレジャーシートを引いて食事やお酒を楽しんでいる。

お花見ってこんなみんなやるものかと思う。

公園もこの状態かも、良い場所あるかなと不安になる。

公園の駐車場に着いた。ん、違和感というのか、なんかおかしいぞと思う。ガラガラなのだ。

まさか、先程とは違う種類の不安がおそう。

桜ない?

駐車場から公園の内部は見えない。まだ分からない。この規模の公園に桜の木がないなんてありえないだろうと言い聞かす。

とりあえず、車を停めて、公園の内部に。階段をのぼると徐々に見えてくる。

ヤバい、ヤバい。

全部のぼりきると公園が一望できる。

どの木も緑色をしていた。

やってしまった。

妻と子供たちの顔を見ることができない。


8才の長男が
「桜ないね、でもミドリミドリで綺麗だね」
という。
「人が少ないし走り回っていいね」
ともいう。

妻も娘も
「そうだね、葉っぱ見しよう」
と笑顔になる。

ありがとう。

その後ミドリの木の下で楽しい昼食を取り、思いっきり走り回って遊んだ。

息子は本当は桜の木の下がよかったのかもしれないし、ココロから「ミドリミドリで綺麗」だと感じたのかもしれない。

どっちもいい。

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