描写と説明について
描写ではなく説明になってしまっている文章は無機質で、作品の世界が広がりにくくなってしまう。
「ここは、部室。」は説明
さりげない描写によって 、登場人物がどんな様子なのか、どんな感情を抱いているのかやだいたいの時刻を読者に感じさせられる。
「タカシは重い足取りで部室へ向かった。」は、何か嫌なことが待ち受けているのかと思わせる。
説明が混入すると、小説が洗練されてないように見える。なぜかというと「視点」の問題が際立つから。
小説は「誰が誰に語っているのだろう」という問題がついてまわる。人工的な語りで成立している。この人工的な語りを、自然なものであるかのように見せるためのテクニックが描写だ。
作者が作品の背後に身を潜ませ、なるべく存在を意識させないようにし、「登場人物がどこにいて、何をし、何を感じたりしているか」をさりげなく伝えるために、描写が必要。
とはいえ、全てを描写にしていまうと、しつこくなる。さじ加減が難しい。
最適な描写を考えることは、小説全体に目配りをすること。登場人物に思いを馳せ、寄り添ったりする糸口。さらに「読者はこの文章をどう受け止めるかな」と想像する客観性を培うこともできる。
読者が最高に気持ちがいい描写をするにはやはり自分自身が最高の読者になる必要があるな
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