在宅勤務VSどうぶつの森

※徒然なので推敲一切なし

勤務している会社は比較的古風。

年功序列、定年退職、女性管理職1割未満、経営陣は皆グループ会社からの天下りまがいで、新入社員はお茶汲み

わたしは新卒でこの会社に入った。

就活全滅していたところ、なんとなく知っていた会社で、比較的後期まで採用を行っていたから。のらりくらりと面接、グループワーク。あっという間に最終面接。

なんか採用された。確かに「多分ここで働くかも」と感じていた。採用担当をはじめ、関わる社員がことごとくキラキラしていない。わたしに近いと思っていた。丸の内や表参道のキラキラOLに憧れたが、やはり違ったのだ。わたしには微妙な住宅街にある会社がお似合いだから。誰からも求められないけど、就活のアドバイスをするとしたら「身の丈に合わせて」だと思う。

こんな会社だけど、住めば都。採用した方も同じ感覚を持っている人が多いのか、なんとなく波長というか価値観というか、「高さ」が似ている。

さてさて、そんな古代白亜紀のような、尖った石で石板を削って契約書を作っているような古風な会社に突然襲い掛かった「コロナウイルス」

もちろんテレワークなんてやったことがない。書類はすべて紙ベースなので対面以外での会議のやり方なんて知らない。やっと昨年、全社員の社用携帯がスマホに変わった。

それでも、今回のウイルスに対する危機意識は一般より高いのでは?と思うほど「行動」は早かった。

2月中旬には時差出勤開始。まだそこまで東京には蔓延していなかったため、社内では一部「やりすぎ」の声も。ただ、ほとんどの人は朝ゆっくり起きれることに歓喜していた。わたしもそう。

2月下旬には時差退勤開始。この時点で、従来の勤務時間から2時間短くなっている。「その分出勤日数を増やすのでは?」「終息したら勤務時間を延ばすのでは?」とわたしは思っていたが、特にそうした対応もなく何なら出退勤時間も厳密には確認していない。なあなあに始まり、なあなあに時差出退勤をしている。(ここだけ切り取るといわゆるブラック企業のようだが、全員10時まで出社しないし、19時前には全員退社している。)

3月中旬シフト勤務開始。だんだんやばくなってきた。会社のマスクは底をつき、うがい薬も残りわずか。連日の報道でさすがにウイルスが迫ってきていると実感できる。シフト勤務を開始し、1日につき各部署2名ほどは自宅待機となった。なお、2名いた妊婦さんは3月1日より自宅待機となった。当たり前だ。小さい子供がいる部長も、出勤日を減らし対策をしていた。会社からの指示は「各々感染防止をするように」なので、本当に各々感染防止をした。わたしもここぞとばかりにめちゃくちゃ朝寝坊して時差出勤した。

3月30日志村けんが死んだ報道。翌日より全社員の在宅勤務が決定。問い合わせ窓口閉鎖。営業活動停止。みんな入っていたアポはすべてキャンセルしたらしい。「どうしても」という取引先には上席(うち1件は専務)より説明しすべてリスケ。事務職のわたしたちも自宅で業務ができる謎アイテムを付与され在宅勤務になった。

もし、志村けんの報道が午後だったら、おそらく翌々日からの在宅勤務だっただろう。

このあたりでうすうす気が付いていたけど、2月下旬の初動早かったけど、在宅までの判断遅くない?

そして始まった在宅勤務。まず集中できない。だってどうぶつの森があるんだもん。昼間しか出ない虫とかいるんだもん。とりあえずできる仕事をするんだけど、すぐどうぶつの森のこと考えちゃう。自宅待機中はめちゃくちゃ島の開拓して魚釣りしてマイル旅行に行ってたけど、在宅勤務となると話は別。在宅勤務用の謎アイテムも受け取っちゃったし、そもそも仕事が溜まっている。白亜紀の会社のはずなのになんでこんなアイテム持ってるの?石板の契約書とのろしでの連絡しかないんじゃなかったの?

とりあえずツイッターで見かけた在宅勤務アドバイスの通り、自宅だけど着替えて(ブラジャーもした)テレビは付けない。お昼ご飯の時間は守って、お菓子食べながらの作業もしなかった。

こんな感じの日が5日ほど続き。たまに同僚と電話連絡を取る以外には誰とも話さない。なるべくツイッターも開かずに在宅勤務を黙々と続ける。

偉すぎる。いや、偉すぎるでしょ。目の前にどうぶつの森があるのに。今まさに寄贈していない虫が飛んでいるかもしれないのに。というか誰も見てないのに。やってもいいんだよ?たぶん上司も家で龍が如くやってるよ?

悪魔の声をガン無視して収支計算。悪魔の声より大きい声を出しながら入金チェック。悪魔の声を脳内リミックスしながら督促状作成。

17時勤務終了。

17時1分島上陸。

禁島した後の島は最高に気持ちいい。

在宅勤務のメリットは最高の島上陸ができること。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?