見出し画像

スタートアップに潜む負の根源 『なんとかして』を感じたら…。

みなさまは自分が参加しているプロジェクトから主要なメンバーが抜けた場合どう考えるでしょうか?

・自分の力を発揮するチャンスだ!
・これも成長の一歩、なんとかなる!

などのポジティブな方向に考える人もいれば、

・自分の仕事が増えるのは嫌だ。
・責任が大きくなるのでなんとかして。。

と、ネガティブな感情を抱く人もいるでしょう。そして人に連鎖しやすくスピードも早い。

プロジェクトには、このような「なんとかなる」と「なんとかして」が共生しています。その差は一体どこから来るのでしょうか?

『なんとかして』が生まれる日

私どものようなスタートアップでは、最初から人が少ない状態で始まっています。たとえ人が減ったところで「なんとかなる」というタフさを持った人が多いというイメージありますが、そうでも無いのが実情です。

「スタートアップ希望して来たからには当然オーナーシップを持っているだろう」

このバイアス、希望的観測はスタートアップにおけるひとつの落とし穴だと思って良いでしょう。まだ事業も立ち上がっていない段階でも「なんとかなる」ではなく、「なんとかして」という受身タイプは意外と多いです。

理由は「保身」です。スタートアップの自由な働き方や比較的に良い給与条件など、最初は都合の良い部分だけをみて、少々の苦難も乗り超えられると考えるものです。しかし時が経過するに連れてその意識は薄れ、慣れてくるとやがて「保身」が生まれてきます。

さらに、同じメンバーで数ヶ月プロジェクトを運営していると「依存」関係が生まれ、少々のミスなどを許容し合ってしまったり、円満に納めたいがために見て見ぬ振りをするようになることも多々起き常態化して行きます。

元々は「なんとかなる」タイプの人でもこのような環境にいると「なんとかして」タイプに変わってしまうこともあります。もっとも、この場合は話をすることで、本来の「なんとかなる」に戻る確率は高いようです。

人間は「依存」し合う弱い生きものであるという前提で考えていないと、このような「保身」や「依存」を見逃してしまうことになります。

そして、一番大きな理由はやはり「共感」の薄さでしょう。”なんとかして感情”を表に出してくる人たちを見ると、目指す事業や作っているものに対しての関心や共感が薄く、自分ゴトとして関わっていない傾向が見られます。

数名のスタートアップにそんな人がいるのか?と思われるかもしれませんが、前述のように条件面を主眼に置いて参加したメンバーはやはりこの傾向は強く、時間をかけても条件より共感が上回るということはほぼ無いように思います。

寂しい気もしますがそれが現実です。感情的には「時間が経てばきっと共感してもらえる!」と思いたいですが、その感情は判断を惑わせる事になります。ここは感情は切り離して冷静に判断しなければなりません。

『なんとかなる』を生み出すチームを作るには?

では、プロジェクトチームに「保身」や「依存」を無くし、「共感」を仕事の中心に置くにはどのようにすれば良いのでしょうか?

「共感」を生むためにはビジョンや事業プラン、夢や目標を伝える事はもちろん必要ですが、「保身」や「依存」を生み出さないためには何ができるのでしょうか?

この点は私も今後取り組む中で見出して行くことになりますが、まずは以下を前提にして行動して行く必要があると考えています。

1:最初の段階で重視するものが条件なのか?共感なのか?タイプを把握しておく
2:条件重視は、あくまでもテンポラリーという位置付けで長期参加を前提としない
3:人的リソースが無い間と割り切って無理に「共感」を得ようとしない
4:チーム体制は3ヶ月目処で役割やメンバーを変えて行く
5:チームメンバーが抜けてもすぐに補填しない
附則:『ドラえもんは、スタートアップには居ない』事は前提として伝えておく

1は、実は「なんとかして」タイプの人でも、最初は当然「共感」という皮を被りマウントしてくるものです。ですので判断は難しいところがあるかもしれません。

もし「共感」を口にするなら、その部分を徹底的に掘り下げて理由をしっかり聞くことが大切です。「共感」の理由が薄い説明しかできないのだとしたらそれは、「なんとかして」タイプの可能性が高いでしょう。

2と3はほぼ同じですが、新たに人を採用する段階でとにかく人が必要な状況なら、「なんとかして」タイプだとしても能力があればテンポラリーで採用し、短期で見直しをする前提で進めると良いでしょう。つまり割り切るということになります。時には感情を殺して割り切ることも必要です。

4 と5は停滞を避けて依存関係を生まずに、オーナーシップや「なんとかなる」という気持ちを定期的に蘇らせるために必要かもしれません。荒療治のように思われるかもしれませんが、スタートアップで自分ごととしてサービスを開発して行くには、中長期目線で見ると必要なタイミングもあると思っています。

 『なんとかする』ためにこれから必要なもの

これらはなんら実証もなく、これから私が実施しようと考えている仮説であり、自分に向けたポエムなので参考にはならないでしょう。

こんなことを考えずとも「共感」するメンバーを集めて成功しているキラキラなスタートアップは沢山あります。

これまで1年半スタートアップで複数のプロジェクトチームを立ち上げ、失敗も多く経験してきた私の持論で、もちろん自身の能力に依存する問題が多くあります。(それが殆どかもしれませんが。。)

ただ、経営者であり、プロダクトオーナーである私は「なんとかなる」ではなく、「なんとかする」立場となります。たとえ、人が居なくなりひとりになったとしても、なんとかしなくてはならないのです。

私が目指す『全ての人が自己実現出来る社会を創造する』には、「なんとかして」ではなく、「なんとかなる」「なんとかする」オーナーシップを持った人を増やさなくてはなりません。

その為に、足元の自分達のチームがロールモデルとなり自己実現を目指すことが必要です。創業から1年半、改めてビジョンやコアバリューのブラッシュアップと「なんとかなる」と「なんとかして」を見極める判断力を身につけられるように取り組みたいと思います。

こんな私どもにご興味をお持ち頂けましたらぜひお話にいらしてください!


いいなと思ったら応援しよう!

dash
走りながら考える