矢倉沢往還を走る その2 足柄峠越え
前回の続きとして、南足柄市の大雄山駅を出発点として、足柄峠を越えて、駿河の国に入り、足柄駅まで進みました。
江戸時代以前は、こちらが東海道の本道だったようですが、箱根路が整備されてからは、東海道の脇往還として庶民が使う道になっていたようです。
現在は車が通れる県道が通っていますが、別ルートを通っている246号線も、箱根新道もあるので、移動目的でわざわざ足柄峠を越えることは無いのではないでしょうか。
幹線ルートから外れたことにより、古道の雰囲気が残っていることが期待できるので、この峠越えは楽しみでした。
矢倉沢に関所が設けられたことから、道の行先を表す「矢倉沢往還」が名称になったと想像しますが、この地では「足柄古道」として整備されていました。
大雄山駅~地蔵堂 10㎞
南足柄市から、矢倉沢を通り足柄峠の中腹まで上る。
小田原駅から大雄山線に乗り換えて、終点の大雄山駅に9時前に到着し、スタートする。お椀を伏せた姿の矢倉岳を目指す。
県道から古道に入る。これから先、足柄古道の標識が整備されているのでほぼ迷わず進めた。
足柄神社の脇を進む。この神社はもともとは足柄峠にあったとのこと。
開けた場所から見える矢倉岳も徐々に近くなる。日当たりの良いミカン畑の間を進む。
道は舗装路だが、落ち葉が積もっていて車の往来は少なさそうだ。
矢倉沢の集落に入る。矢倉沢関所跡は普通の民家と畑だった。
イノシシゲートを自分で開け閉めして進む。途中2箇所あった。
茶畑も見かけるようになる。このあたりは足柄茶として有名のようだ。
人里から離れると、ところどころでハンターを見かける。熊は出ないと思うが、イノシシとかに出くわせる可能性もあるのかと思い、ちょっと緊張する。
足柄峠中腹の地蔵堂のあるエリアに到着。ちょっとした観光地になっていて、金太郎関連の史跡や駐車場、トイレ、食堂もある。
地蔵堂~足柄駅 8.1㎞
標高759mの足柄峠を越えて、駿河の国の足柄駅まで下る。
箱根越えと同様に、車道と山道を行き交いながら上っていく。蛇行しながら徐々に高度を上げていく車道に対して、古道は最短距離を上っていく。
古道に入るところで、車止めの先に入って迷う。石碑の裏の細い山道が古道だった。
尾根をひたすら上る。
峠手前の急登に入ると、箱根路のような石畳が残っていた。
足柄峠に到着する。ハイカーは見かけたが車は一台もすれ違わなかった。
足柄城址に立ち寄る。秀吉の小田原征伐時に井伊直政に攻められ落城したとのこと。
足柄城址から富士山の裾野までの展望が開ける。しばし見とれる。
富士山を堪能し、すかさず下る。
舗装路の区間もあるが、車とは1台も出会わなかった。
人里エリアまで下る。今日は足柄駅までにしようと思い始める。
御殿場線の踏切を越えて足柄駅に12時ごろ到着し、本日のゴールとする。無人駅だが、最近建て替えられたのか駅舎はモダンな作りだった。
電車が来るまで時間があったので、近くの清流で釣り人を見ながら昼食をとる。
体力と時間的にはまだまだ進むことができましたが、これ以上進むと次の行程が中途半端になるので、この日は足柄峠越えをメインイベントとして、短めに切り上げました。
想像通り古道の風景を残しながら、通行に支障が無いように整備されていたので、古道体験やハイキングにはお勧めだと思います。
最終区間は足柄駅から沼津まで約30㎞になりますが、下り基調なのでよっぽど寒い日でなければ、快調に進めれるのではないかと考えています。