デンマークのポストロックバンド『Mew』
たま~に少し寒い湖畔の風景を感じるようなきれいな音楽を聴きたいなと思います。北欧のバンドってアンビエント色が強いバンドって多いんですが、Mewはその中でもロックなギターサウンドとうまく調和した、でもサウンド自体はとても美麗。あまり他と被らない音楽性を持っている気がします。
本人たちは自身の音楽のことを「メロディック・プログレッシブ・ロック」と呼んでいるそう。
デンマーク出身のバンド、Mew。
Mewの魅力
バンド名ですが、某ポケモンの名前と全く同じです。でも関係自体はないようです。(そもそもバンド結成のほうが先なので)
バンド名自体は高校時代にメンバーが考案。
両端がとがり、真ん中に柔らかそうな文字で構成されているのが神秘的だったと語っています。
ちなみに現メンバー全員幼馴染。
フロントマンのヨーナスですが、バンドマンだけでなく映像作家、アニメーターなどの顔も持っています。気になる方は、個性的なデザイン性が垣間見える彼のInstagramを覗いてみましょう。
ジャケットやライブの際のVJ映像なども手掛けるなどバンド内でもクリエイティビティを発揮しているようです。
曲を作った本人だからこそ、曲の創造性をより広げる映像を制作し、ライブ空間を演出することができるんですね。
ライブ映像。幻想的です。
オルタナの音楽性が比較的強いバンドですが、ライブはかなり熱狂が渦巻いてる感じですね。大きい会場で演奏した時の迫力が物凄い楽曲が揃っている印象です。ギターの音もゴリッゴリ。
フロントマンのヨーナス、音楽活動の面でもマルチ。
『Tachys』という名前でポップデュオとして、また『Apparatjik』という名前で別プロジェクト活動も行っています。メンバーにはColdplayのベースのガイ・ベリーマン、a-haのキーボーディストのマグネ・フルホルメンが在籍。面白いメンバーですね。
まずこれを聴け!必聴アルバム①Frengers
2003年リリースのデビューアルバム。これ、はっきり言って殿堂入り名盤です。この作品をきっかけにMewの知名度が上がりました。
Mewの世界観を知るならまずはこのアルバムを通して聴きましょう。
幻想的な絵本の世界に誘われるような不思議な感覚。でもその中にも轟音のギターが鳴り響く情熱的な楽曲あり、切なくメロディックなバラードあり。一つの映画のサントラを聴いているようです。
特に1曲目を飾る『Am I Wry?No』。
初めてこの曲を聴いたとき、超衝撃でした。曲の展開が予測できないんです。
次に鳴る楽器や曲調の展開、すべてが予想もできないような構成で流れてきます。でも通して聴くと一曲の中でいろんな表現を感じることができる神曲。ベースはロックサウンドなので、ドラムも複雑でテクニカル、ギターサウンドも非常にgood。Mewの中で一曲お勧めするならば、この曲です。荒々しさと神々しさと神秘性がこの楽曲に詰まっています。
まずこれを聴け!必聴アルバム②And the Glass Handed Kites
2005年、Frengersの次にリリースされたアルバム。Mewは本作品でDMA06(Danish Music Awards)というアワードで4つの賞を獲得しています。
聴きどころは2曲目『Apocalypso』~3曲目『Special』~4曲目『The Zookeeper’sBoy』の流れ。通して聴くとわかりますが、繋がっています。個人的にこういうのに弱いんです。
轟音ギターやメロディアスサウンド、メルヘンでメランコリックな曲調・展開も健在。
1stもそうですが、コンセプトアルバムとして非常にクオリティが高い1枚となっています。
ジャケットデザインの意味不明さは一旦置いておきましょう。
まとめ
この手の音楽、実は結構手を付けるのは難しいんですよね。メジャーなロックテイストでもなく、完全なオルタナティブサウンドとも言い難い。逆に言うとその二面性の良いとこどりをしたバンドと考えると、途端に聞きやすくなるし魅力を感じてきてしまします。北欧ポストロックに手を付けるにはお勧めのバンドですし、そこからSigur RósやMogwaiなどに発展することだってできます。
さてそんなMewですが、2020年に来日予定だったもののコロナにより公演中止。2021年の振替公演も結局できずといった状況です。
2022年7月現在、急速に音楽シーンでも来日ラッシュが続いています。この勢いで再振替公演として日本来日リベンジ、ぜひお願いしたいものですね。