散文詩 / Guanfacine
ジェニファー、2人のホセ、ステファン、ソフィア、ユルゲン、ミーチャ、キム、そしてほかのすべての人々が成し遂げる仕事に敬意を表する。
[系統図1.意識]
・あなたがたとその仕事は、私に「いま(という点)」と「ここ(という点)」を与えた。
・あなたがたとその行為は、私のはかなく所在ない人生に的確なプンクトを与え、それは文節という形をとって意味という線を創造した。
・私はその線を辿ることで他者の存在に思いを寄せる。
・同時にほかの者に於いても、自身に備えられた線を辿り私の存在に思いを寄せる。
・思いを寄せ合う者たちは必ず1本の線で繋がっている。
・そこに至るまでの信号は意識にも、表象のうちにも現象することは無い。それらは「技術者」によって適切に処理され、尻をはたかれ(促進され)る。
[系統図2.絵画]
α.意味/象徴/自我という地平を超え出てゆこうとする試み。
β.非人称であるということの持つ快楽性。
γ.作品と作品が結びついて生成されるシンタクスでは無く、作品と観客の関係から生まれるシンタクス。
δ.あるいはまさに、アントロポモルフィズムを剥離させるための単純化であること。
[系統図3.歌うこと]
詩は意識の絵画である。完膚無きまでに抽象化された視線は、確実な感覚を見上げるものである。われわれは森の中に突然現れた湖の中でそれを諾う。彼らの務め上げた労働に対する正当な報酬を支払う。理解するとは、その偶然性を含む個別性のことごとくを引き受けるということである。あるいはその調律を楽譜に記すことである。転記され、知られた調律はそれによって他の意識と通じる。ささやかに奏でられたメロディーを、私たちはそれゆえに知悉する。神はその表現するところのものを赦しはするが、批評を加えようとする行為を拒絶する(よって、われわれはその快楽と罪苦から隔離されている)。愛する者へと捧げられた勇気ある書簡はある種の暗号化が為されており、つまりそれによって「愛している」ということを現にあるありかたとして言明しようとする。伝達の過程により発生するタイムラグは、愛(内容)の美しい容貌を、したがっていささかも傷つけることは無い。
[系統図4.恩赦]
・ある一つの幻覚を以って他の一つのものと比較することは出来ない。
・夢はこの世で最も柔らかい現実の形質である。あるいは現実が最も無邪気であるありかたが夢と呼ばれるものである。
・つまり意識は、自分が記号化されることをある程度は許容しているということである。
(暗転)
“女性”である私は“女性”であることを一部認めることで、あるいは一部の男性性を否定することで、“女性”からの承認を得る。私は自分が男性に対し非処女であることにより、“女性”から処女性という刻印を額に受ける。これが男性よりも“女性”のほうがより神に近い所以である。2023年にあっては、それはこう表現される。以下、沈黙。
(https://youtu.be/e_Ue_P7vcRE)
あなたはその形であるからこそ真実たりえ、神に存在を知られるに至った。「その形」はしかし表層的なものでは無く、むしろ内奥のことである。「その形」を変質/変形/流転させるということは、それでもなお神から知られることにあるものであり、他の事物は一切の介在が不可能であるとされるものである。
[系統図4.幾何学模様]
色彩とは神が残した思考の断片である。ここ(このこと)に「優れた画家」というものがある。私たち(「優れた画家」では無い者たち)は絵筆を持たない代わりにペンと紙を与えられる。それがすなわち「詩」であるものと命名される。よって「優れた詩人」とは最も責任感の強い者である。あるいは野生の獣であるということだ。私たち(「優れた画家」でも「優れた詩人」でも無い者たち)は彼らの流した血を一滴残らず飲み干すことで、自身の辛苦の跡を完全に縫合し、治癒する。生きている私たちは常に死を、その瞬間を待望している。「地図(赦し)は確かに手元にある」と。少なくともそれによって個体は死というプンクトを与えられる。しかしそれは、魂にとってはコンマに過ぎないものである。
最短で自律性を獲得する者=野生の獣
↖勿論、野生では無い獣というのはどのエレメントにあっても存在しない。私たちの言葉はすべて引用であり、複製である。神は人間が息継ぎを忘れないように、言葉という器官を創造した。信仰心は思考する器官の行為である。
創意を剥奪する者。引いたそばから揮発してゆく補助線。柔らかな夢が円錐形と完全に一致すること。
( ˘•ω•˘ )...(i know tomorrow nevercomes)
母は明らかに私が狂っていると思っている。祖母は母を産んだことを忘れた。私は母が日に日に狂っていく様子を眺めていた。私に父親は居ない。これまで一度たりとも。母は誰の手も借りず、自分だけの力で子供を産んだ──2人も。私はそれを許した者を赦さない。私は父親に1億円以上もの借金がある。返済出来ないなら死を以って贖えと戸を叩く存在が、私に生存を諦めさせる存在が、私に時間という後ろめたさを感じさせる存在が、父親と呼ばれる者だ。私に弟は居ない。しかし私は弟とセックスをした。正しい認識ですら、その痕跡にはいくらでも誤謬と訂正とを加えられる。知ることは罪であり、無知であることが何よりもの罪だ。母はもう二度と私に手紙を寄越さないだろう。私は完全に狂ってしまった。
動物は人間の言葉を理解するが、人間は動物の言葉を理解しないのは何故か?言葉。ことば。コトバ。書かれたもの。筆記されたもの。指という先端器官。開かれたまま枯れ果てた耳という末端器官。年老いた人間は聴覚を失ってゆく。祖父は死んだ。祖母はもう何も思い出さないだろう。