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クリストフ・コロンの書物

 マックス・ラインハルトからの委嘱で書き上げた原作(1927年)には邦訳があります(筑摩世界文學体系 56 (1976))。早くからクローデルの勧めでオペラ化した「クリストフ・コロン」(Opus 102.)は1930年ベルリンでエーリヒ・クライバーの指揮で初演されています。
 第一幕は17景からなり(原作第16景“異教の神々が大海原を攪乱する”をカット)、死に瀕したコロンを前に彼の生涯を記した書物を読み解く形で始まります。火刑台のジャンヌとそっくりのフラッシュバックの手法、スピーディな展開で、原作ト書きにもスクリーンの利用が書かれており、映画の影響を感じます。クリストフ・コロンが2人に分裂したり、登場人物も多数。第二幕はもう一度、コロンのアメリカ発見を振り返り意味付けし、女王イザベルが回帰してハレルヤで閉められます。びっくりなのは1956年にミヨーは改訂を加え、何と第一幕と第二幕の順を逆にしました。同年のロザンタール盤はその順番で演奏されています。
 1953年にジャン・ルイ・バローがマドレーヌ=バロー劇団で演劇として上演、ミヨーは改めて別の劇伴音楽(Opus 318.)を作っており、同劇団座付指揮者だった何とピエール・ブーレーズの演奏で録音が残っています(この録音に作品108と記載する誤記が多いです)。自由に刈り込んである感じで今どこにいるか分からなくなる時がまだ多いですが、名優達の声の魅力が素晴らしい。
 コンピエージュの舞台です。

こっちはミトロプーロス(1952年)ですね。英訳ナレーション、元々の第一幕、改定後第二幕の部分でした。

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