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クラウディオ・モンテヴェルディ(1567/5/15 - 1643/11/29)のマドリガーレ第八巻(1638)「戦いと愛のマドリガーレ」

 ルネ・ヤーコプス盤の配列で記載、数字は出版楽譜の順番です。
 — Canti guerrieri  戦いの歌

1. Sinfonia  シンフォニア
2. Altri canti d'Amore, tenero arciero  他の者は優しい射手である愛の神を歌う(6声 2vn 4va)
3. Hor che 'l ciel e la terra e 'l vento tace  今や天も地も風も静寂と化し(6声 2vn)
4. Gira il nemico insidioso Amore  ずる賢い敵、愛の神が包囲する(3声)
5. Se vittorie sì belle  これほど見事な勝利を(2声)
6. Armato il cor d'adamantina fede  心を武装して(2声)
7. Ogni amante è guerrier, nel suo gran regno  恋する者は皆戦士(3声)
9. Il Combattimento di Tancredi e Clorinda  タンクレディとクロリンダの戦い(3声 2vn 1va)
8. Ardo, avvampo, mi struggo  私は燃えて焼かれて(8声 2vn)
10. Introdutione al Ballo (Volgendo il ciel) e Ballo (Movete al mio bel suon)  バッロへの序奏(天は永遠の道を通って)と皇帝フェルディナンド3世のためのバッロ(私の美しい調べに合わせて)(5声 2vn)
11. Altri canti di Marte e di sua schiera  他の者は軍神マルスのために歌う(6声 2vn)

 — Canti amorosi  愛の歌
12. Vago augelletto che cantando vai  やさしい鳥は歌う(7声)
13. Mentre vaga Angioletta  かわいい天使がさまよう時(2声)
14. Ardo e scoprir, ahi lasso, io non ardisco  私は燃えて、痛みを明らかにする(8声 2vn)
15. O sia tranquillo il mare o pien d'orgoglio  海が穏やかであろうとも(2声)
16. Ninfa che scalza il piede e sciolta il crine  ニンフは裸足で髪をほどいて(3声)
17. Dolcissimo uscignolo  いとも優しい夜うぐいすよ(5声)
18. Chi vuol haver felice e lieto il core  幸せで楽しい心を持ちたい者は(5声)
19. Lamento della Ninfa. Non havea Febo ancora  ニンフの嘆き ポイボスがまだ世界に昼を(4声)
20. Perché t’en fuggi, o Fillide  どうして逃げるのか、おおピュリスよ(3声)
21. Non partir ritrosetta  行かないでおくれ、浮気な人よ(3声)
22. Su, su, su, pastorelli vezzosi  さあ、さあ、さあ、愛らしい羊飼い娘たち(3声)
 
23. — Ballo delle Ingrate  つれない女たちのバッロ
Sinfonia - De l'implacabil Dio  シンフォニア - 無慈悲な神の
Sinfonia - Udite, Donne, udite!  シンフォニア - 聴け、娘たちよ、聴きなさい!
Bella madre d'Amor  美しき愛の母よ
Ecco ver noi l'adolorate squadre  我々に向かって痛みに満ちた一団が
Ahi troppo ahi troppo è duro!  あああまりに、あまりにもつらい(12声 2vn 2va)

 ごく一部の順番変更だけで全曲を演奏したルネ・ヤーコプスはむしろ少数派(労力が大変だし)。
 まずはウィリアム・クリスティ指揮レ・ザール・フロリッサンの抜粋を並べてみます。2(まさかの前半カット、実はクセ強), 3, 4, 8, 9, 13, 19, 20, 23です。

改めて、何て奇天烈な音楽でしょうか。これはマドリガーレなの? 確かに出版年が17年も経ってるとはいえ、ジェズアルドともシュッツとも全然違う。しかももう70過ぎてんだよ。斬新過ぎる。
 次にサヴァールさんの抜粋盤、独自の配列もあって、1, 2, 4, 10(バッロの前後半間にアンドレア・ファルコニエーリ作のシャコンヌを挿入), マドリガーレ第七巻“Tempo la cetra”のシンフォニア, 11, 19, シンフォニア(六声のカンタータ・ドミノ 1620年を器楽演奏), 3という構成。

彼ら独特の柔和さがキテレツさを少々緩和しているか。でも変ですよ。
 次はクラウディオ・カヴィーナ率いるラ・ヴェネクシアーナ、全曲盤で1, 2, 3, 4, 5, 7, 9, 8, 6, 10, 11, 12, 13, 14, 17, 18, 15, 19, 16, 20, 21, 22, 23の順。

更に柔和に。
 最後はルネ・ヤーコプス。思いっきりガチャついています。


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