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パ・リーグ優勝決定を機に振り返る

福岡ソフトバンク・ホークスのリーグ優勝が決まった。そして、我らがオリックス・バファローズは、ほぼ5位でのシーズン終了が濃厚となっている。また、今日9月24日は、ホーム最終戦。長年、チームを支えたT-岡田、安達の引退試合(実際のところは、比嘉、小田の引退でもある)が行われた。ファンの多くが、涙したに違いない。

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我らがバファローズの3連覇で迎えた今季、絶対的エース山本由伸がMLBへ、左の先発の一角だった山崎福也が日ハムへ移籍し、その抜けた穴をどう埋めるのか、4連覇の実現にはそれが絶対的な課題だった。ところが、蓋を開けてみれば、課題は全く別のところにあった。

まず、投手陣。山本、山崎が抜けても、宮城、山下舜平、山岡、田嶋、ここに曽谷、新外国人を加え、十分に埋められると見られた。しかし、今季の二枚看板、左の宮城と、右の山下舜平大が共に絶不調。山下は、オフで上半身を鍛え過ぎたことが原因か、身体のバランスを欠き、ストライクが入らない。宮城は早々にケガで離脱してしまったのだ。さらに、強力と思われた抑えも、山崎颯一郎、宇田川、阿部、小木田ら昨年までの連覇を支えた投手陣がほとんど2軍暮らし。昨季までの優勝を支えた投手陣がほとんど今季はいないという緊急事態。3連覇による疲労の蓄積は大きかったのだろう。

しかしながら、投手陣は新戦力がカバーした。先発は右のエスピノーザが前半戦を支え、2年目の左の曽谷がローテの一角として台頭。途中加入のカスティーヨの存在も大きかった。また、昨季までローテの一角と守りつつも、不甲斐ない投球も多かった田嶋が、後半戦、投球フォームをワインドアップに切り替えたことで開眼、安定的な投球を見せてくれた。また、中継ぎは、トレードで日ハムから加入の吉田輝星、現役ドラフトで中日から加入の鈴木博志、そして何よりもデビューから22試合連続無失点のプロ野球記録(タイ)を打ち立てたドラ6入団の古田島の存在が際立った。抑えは、開幕当初こそ平野だったが不調続き。当初、8回を任されたマチャドが中盤からは9回に君臨。8回を主に任された途中加入のぺルドモの安定感も素晴らしかった。昨季までの投手陣が悉く離脱する中でも、新戦力がしっかりカバーし、リーグ2位の防御率で支えたのである。

そう、投手陣は優勝したソフトバンクと比べても全く引けを取らない安定感を示したのだ。それが5位に低迷する。そう、問題は打撃陣にあった。3連覇を支えたのは、2021年は首位打者の常連・吉田正尚がおり、杉本がホームラン王として君臨した。2022年も吉田正尚が最後まで首位打者争いをしてチームを引っ張り、紅林、中川といった選手が大きく飛躍。また、2023年は吉田正尚がMLBに移籍となるも、森が西武からFA移籍し中核選手として大活躍、また頓宮が首位打者を獲得するなど開眼。そう、この3連覇の間、核となる打者がいたのである。前年の主力が抜けたり、不調でも、その穴を埋める選手がしっかりいたのだ。

ところがである。今季は、打撃陣が極端な不調に陥った。首位打者の頓宮は1割台の打率に低迷。中川、森もケガで度々離脱。大きな期待が寄せられた、広島からFA移籍の西川は、交流戦を機に少しずつ目が覚めていくが、パ・リーグの投手にアジャストできない日が続く。早打ちの選手が多く、他球団からは攻め方を徹底されたようにも思う。ファールで粘るしつこいタイプの選手も少ない。そして、3連覇中からそうだったが、盗塁は極端に少なく、バントも下手な選手だらけ。僕らファンの目からすれば、「普通の野球をしてくれ」と願う毎日だった。若手積極起用も開眼するほどの選手は出てきていない。それほど打撃陣はひどく、終わってみれば、12球団中11位のチーム打率となっている。優勝したソフトバンクに加え、ロッテにも大きく負け越し、圧倒的な最下位の西武にも負け越す始末。Bクラスも当然の結果としか言いようがないシーズンとなってしまった。

中嶋監督の続投はまだ発表されていないが、球団からは続投要請されており、受諾するようではある。低迷の責任を取るという考えもあるだろうが、今季は故障離脱する選手だらけで、まともに試合出来た日も少なかったこともあり、中嶋監督もこのままでは終われないと思っているだろう。低迷の原因を作った打撃コーチ陣は一掃され、阪急、オリックスの流れをくむOBからではなく、外部招請の可能性が高いようだ。抜本的なてこ入れが必要であり、オフには、トレードなども積極的に行われるかもしれない。

まだシーズンは6試合残ってはいるが、クライマックスシリーズを逃した今、もう来季に向けた戦いが始まっている。

プロ野球 オリックス 4位以下確定でCS逃す リーグ3連覇からの低迷 要因は | NHK | #プロ野球

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