うちの前の公園がうるさい理由
今日はうちの前の公園がうるさい理由を書いてみたいと思います。本稿のサムネ画像は「公園」と打って出てきた画像の中から上の方に表示されたものを選びました。おそらく公園と言われてみんなが想像するのはこういう風景なのかなと思います。
木が生えています。中央に大きな木陰があって遊び場があってその周りはやっぱり木に覆われています。私の家の前の公園もかつてはこういう姿でした。ところがバスケットコートを増改築するにあたり場所を確保するために木を大量に伐ってしまいました。今まであった遊具を削らないように考えたのでしょう大半は前からあったものを流用して古くなった複合遊具は大きな新しいものに変更されました。
一方で大人が使っていた健康器具的な遊具は大幅撤去となりました。ぶら下がり健康器的な鉄棒や腹筋をしたりする台、果にはお年寄りや小さい子供を連れてきた親が休憩するベンチと木陰まで消滅しました。今は木陰はほとんどありません。
公園の外周を覆っていた樹木はなくなり遊具や遊ぶスペースがそこに押し出されてきました。今まで樹木に囲われて遊んでいた子どもたちは公園の外周ギリギリで遊ぶようになりました。新しくなったことやコロナ禍の反動で人が増えてキャパオーバーとなり遊ぶ場所がない子は公園外の歩道や道路で遊ぶようになりました。ボールを追いかけて子どもが道路に飛び出してくるのも毎日何度も何度も見かけます。それが私の家の前です。今ままでは30メートルほどの距離とその間の樹木で和らいでいた子どもたちの声は今は真横です。
「うちの近くに公園あるけど気にならない」という意見をたくさんききます。「近く」と「至近距離」は天と地の差があります。「横をよく通る」のと「常に横にある」のも天と地の差があります。このことを理解してない人がとても多いように感じます。
かつてこの公園をデザインした人は近隣への配慮をしっかり考えていたのだと思われます。一般的な「樹木に囲われた」デザインを踏襲しておけば概ね騒音が軽減できるということを理解していたのでしょう。
しかし現在のデザインはとにかく全てを敷地内に収めることしか考えていなかったことが丸わかりです。住宅地の公園としては広い敷地ではありますがそれでも過剰に色んなものがこの公園にはあります。
先人の知恵とも言える基礎を踏襲しないデザインは公園だけではないようです。先日紹介した保育園騒音訴訟では問題となっている保育園は全く防音をせずにワイヤーフェンスがあるのみでした。(2年後防音壁を設置)
保育園だけではなく小学校等もしっかりした塀を撤去しワイヤーフェンスに切り替えているところがとても多いです。ブロック塀が崩れて小学生が亡くなった事故などが影響しているのかと思いますが、なぜ今までしっかりした塀を使っていたのか忘れてしまっているように感じます。
騒音の問題だけではありません。変質者から中を覗かれないようにする機能もあったはずです。私が通っていた幼稚園や小学校はワイヤーフェンスの部分には植栽が植えられていて中が見えないようになっていました。(現在は植栽が刈り取られ中身丸見えになってしまっていますが)
コスパや見栄えを優先し積み上げてきた叡智を簡単に切り捨てデメリットを他者に押し付ける。そういった姿勢には私はずっと疑問を感じています。