暗い気持ちになる夜
暗い気持ちになる夜もあるけれど、私はそれを悪だとは思わない。
空虚な気持ちになる時期もあるけれど、そこで無理やり前を向かなくてもいい。
世の中は、辛いとき前向きになるよう鼓舞する言葉で溢れている。というか人を励ますときは、結局のところ、そういう言葉をかけるより他ない。辛いときは無理にでも口角あげてけ、そしたら軽い気持ちになれる、とか、涙を拭いたら前を向こう、とか。いつまでも悩んでいても出口はないから、明るい気持ちになることが、良い未来を作る第一歩であると皆信じている。そしてそこの切り替えが早くできる人の方が基本的には評価が高い。
でも。
物思いに更ける夜があったっていい。悩んで悩みすぎて、眠れず迎える朝があってもいい。人間、どうせ奥の奥まで思考したら、それ以上は考えられなくなっていつかは思考をやめるのだから。途中でぶったぎって明るい気持ちになりたくない時は、わざわざぶったぎらなくていいのだ。
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