
【質問回答集】不同視弱視について

こんにちは!視能訓練士のヤスです。
視能訓練士免許(国家資格)を取得し、小児眼科に勤務して17年になります。
Instagramで『子どもの目の健康』の情報発信を行っています。
そんな中、DMやストーリーズの質問募集にて、子どもの目で悩んでおられる親御様からたくさんの質問が日々届いています。
この記事では、親御様からいただいた多くのご質問の中から『不同視弱視』に関する質問とそれに対する回答を紹介します。【医師監修あり】
不同視弱視とは、目の度数が左右で大きく違うために、良い方の目ばかりを使うことで生じた片眼の弱視のことを言います。
※視能訓練士は診断はできませんので、一般的な眼科疾患知識の説明と現在の治療方針の解説になります。
お子様の未来のために、全国で治療を頑張っておられるパパママのお役に立てれば幸いです。
目次で質問内容を確認の上、ご購読下さい。
不同視弱視に関する質問
(Vol.1) 視力が1.0に到達しましたが、パソコン作業が増えるとまた視力は低下しますか?
【質問】
遠視の弱視があります。
メガネとアイパッチで視力的には、メガネでやっと1.0を超えるようになってきました。
リモート授業が増え、今まで以上に画面をみていなくてはならなくなりました。
1日4時間もリモート授業があります。
これによってまた視力が低下しないかすごく心配です。
アイパッチは1日おきに1時間(右目)にするようには眼科から言われています。
【回答】
矯正(メガネ)視力が1.0以上に到達しているようで、弱視としてはほぼ治癒されているのですね。何よりです。
質問にある「リモートが視力低下にならないか心配」ということですが、眼鏡が常用できていれば、リモートが原因で弱視(矯正視力が1.0未満)に逆戻りすることは考えにくいと思います。
もし裸眼視力の低下をご心配をされているようであれば、一般的には遠視の場合は基本的には心配ないと思われます。
近視の場合は近見作業が過度になると、近視度数が進行しやすく裸眼視力が低下することがありますが、遠視の場合は近見作業が増えるとむしろ遠視度数は減少しやすくなり、裸眼視力やや上昇することもありえます。
(Vol.2) 6歳で発覚した不同視弱視│まだ治療が間に合うのか不安です。
【質問】
6歳4ヶ月の子供を持つ親です。
先日、学校の検診で見えないことが分かり、眼科で不同視弱視の診断を受けました。
眼科では片目に遠視があり、右目は矯正視力0.2、左は0.9から1.0だといわれ、メガネが処方され、アイパッチ治療が始まります。
親として、気づいてやれなかった事が本当に悔しく情けなく涙が出てきます。
早ければ早い方が良いとの記事を沢山目にしましたが、発見としては遅い方だと思います。
ですが、将来車の運転などに支障がないようにまでは回復させてやりたいと願っています。
今まで関わってこられたお子さんの予後について、1人ひとり違うことは承知の上ですが、特に同じような年代のお子さんのことについて、事例があれば、ぜひ教えていただけないでしょうか。
【回答】
一般的に6歳で発見したお子様の場合でも、しっかり治療を行えば視力1.0以上獲得できる可能性はありますが、左右の度数差が大きい場合は難しいこともあります。
過去に6歳以上で見つかった弱視治療例を(Instagramに)3つ投稿していますので、良かったら参考にしてください。
症例①
症例②
症例③
アイパッチ治療を根気強く行う必要はあると思います。
視力が2段階向上するために、6歳だと236時間のアイパッチによる累積の遮閉時間が必要だという研究データもあります。
お子様の力を信じて頑張りましょう!
(Vol.3) 強度の不同視弱視は1.0以上の視力の獲得は難しい?(9歳)
【質問】
9歳娘が弱視治療中です。
3歳から治療を始め、左目の屈折度数が10Dを超えていたものが、現在は6D程になりました。
アイパッチは3歳当時から開始し、1年生になったころは一時的に中止したものの2年生から現在4年生に至るまで毎日3時間で継続しています。
視力の出が安定せず、0.6程度にとどまっています。
右目は屈折度数1D程程度で、視力は1.2あります。
メガネはお風呂以外ではしっかりかけていますし、歪み調整にも行っています。
それでも左目の視力は1.0に届かないまもうすぐ10歳を迎えてしまいます。
元々の屈折度数が高かったこともあるのかもしれませんが、1.0まで上がらなかったことが残念です。
治療を正しくしていても、限界があるものなのでしょうか?
治療開始時に屈折度数10D以上で視力1.0以上の実例は今までにありましたか?
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?