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エレベーターのお姉さん。

1、2年程前に家族でショッピングモールに行った時の話です。

よく行くショッピングモールに買い物に行って、1階からエレベーターに乗ったら、唐突に長女(当時2歳くらい)が
「あのお姉ちゃん、怪我してるねぇ」
と言い出したんです。

私と夫は顔を見合わせました。なぜなら私達家族以外、誰も乗っていないから。

長女「とっても痛そうだねぇ。どうしたのかなぁ?」
私「どこにお姉ちゃんがいるの?」
長女「あそこ。ドアの近く」

長女が指差すのはドア近くのボタンのあたり。誰もいない。

私「お姉ちゃん、どこ怪我してるの?」
長女「ここ、腕のとこ。白いの巻いてる。あれっ、足も怪我してるねぇ。とっても痛そう、かわいそうだねぇ」

再び顔を見合わせる私と夫。
長女の話では、腕と足に包帯を巻いたお姉さんがエレベーターに乗ってる、と言うのです。
長女は喋れるようになり出してから、度々こういうことを言うので、この子は『見えてる』子なんだなと思ってはいたのですが…

エレベーターから降りてもずっと『怪我してるお姉ちゃん』の心配をするので「どうしたんかなぁ?」などと誤魔化して、その場は忘れさせることに成功したのですが…。なんとも言えない空気が漂ったのは忘れられません。

次の日、車を運転してる時に突然、長女が
「あれ?怪我してるお姉ちゃんいないね。どこに行ったのかな?」
と言うので、確かに怪我してるお姉ちゃんがいたという事、家までついて来ていたというダブルの衝撃でハンドルを握る手が震えました。

あれから怪我してるお姉さんの話はしなくなりましたが、一体何だったんだろう…と今でも謎のままです。


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あみごろう
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