#ダースレイダーの音楽話 #1 〜ヴァンのムーンダンス
映画「ベルファスト」を観てきた。
映画については幻冬舎+の連載で紹介したが、何よりVan Morrisonだ。
そして、かつて『NO拘束』に音楽レビューを書いていたのを思い出した。これは結構好きな文章なのだがあまり読んだという話は聞かないので…どこかにこうした音楽レビューも書きたいなと思ってはいた。
さて、依頼がない場合自分でやる、というモットーの元、音楽活動もラジオも原稿も全部自分でやってんじゃねえか!という砂場スタンスで生きてきたので依頼がないものは自分でやるんです。
Noteを使って時折更新していこうと思います。
Van Morrison『Moondance』(1970)
好きなヴォーカリストを一人だけ挙げろ、と言われたらザ・マンことヴァン・モリソンになる。
声だけでなんでも表現出来るんだよ。
このアルバムはスタートと同時に彼の声が空間を支配する。心のひだというひだに染み込んでいき、気づけば月の下で踊っている。なんて素敵な夜なんだ!
病院のベッドで寝ているだけなのにそう思えた。
月は女神で僕にロマンスの香りを教えてくれる。そして僕のトラブルを脱がせて、僕の痛んだ心を脱がせて裸にして狂ったように愛してくれる。
愛に包まれた僕はキャラバン隊と一緒に旅に出て、神秘の中へと入って行くんだ。ヴァンはその案内人。
こうして、僕はまた真っ新な一日を迎え入れる。
気づけばまた病室のベッドの上で寝てるだけだが、それでも旅の記憶は頭のどこかに残っている。それはVanの優しく、力強い歌声の余韻として。
このアルバムでは楽器の音一つ一つが歌としてVanと共に踊る。素晴らしいリズムに導かれて夜の帳が下りていくの全身で感じることが出来るのだ。
そう、夜は確かにこういうものだったはずで、僕らはなぜそれをすぐ忘れてしまうのだろうか?
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