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#ダースレイダー の音楽話 #17 ビートマイナーズで回復度を計るのだ

Black Moon『Enta da Stage』(1993)

脳梗塞で入院中、これが僕にとってはどれだけ治っているのか?を図る尺度になった。
彼らの低音を、僕の弱った身体は受け止めることが出来るだろうか? 
 恐る恐るヘッドホン(愛用のヘッドホンもDJ49に持ってきてもらった)を耳に被せてブラウ! パワフル過ぎるインパクトが鼓膜を直撃! 来た! バックショットだ! ものすごいラップだぞ、これは一発ノックアウトか?とビビッてたが、そうではなかった。
 ビートマイナーズが作る極端にフィルタリングされたベースとザックザクしたドラムサウンドはマッサージのように脳を揉み解し、次々とツボを押していく。
 彼らの舞台に上がれば良いんだ。“Buck Em Down”が流れる頃には怒号のようなサビも快感だった。病院のベッドにいながらBuck townのラフなストリートに連れて行ってくれる。街の空気がそのままパッケージングされているヒップホップのお宝だ。

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