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#ダースレイダーの音楽話 #50 美しく、怖く、青く、白く、黒い世界たちを繋ぐ詩

Joni Mitchel 『Blue』(1971)

21世紀最高のホラー映画ともいえる『ヘレデタリー~継承』とか『トイストーリー4(予告編のみ)』で彼女の曲"Both Sides Now"が使われている。
こうした事例は彼女の持つBoth Sidesを示してくれる。
魔性と陽性、それを繋ぐ詩的言葉を通じて浮かび上がる世界は美しく、怖い。
そんな彼女の傑作群の中で病院に持ってきてたのはこれ。一曲目のギターの始まりに誘惑されて、もう欲しいのはこれが全てだ!って一発で思わせてくれて、その気持ちはアルバムを聴き終えるまで続く。
カリフォルニアから夜の飛行機に飛び乗り、川沿いで軽やかなメロディーが聴こえてくるが、そこには哀しみが流れている。
様々なリズムのポケットに鋭い言葉がはまっていき、それが透明感のあるメロディーを奏でる。
怖いくらい美しく、そして美しいものは怖いのだ。

最近で印象的だったのは『コーダ〜あいのうた』のライブシーン。聴こえる世界と聴こえない世界を繋ぐアイスクリームのお城。この記事を書くために見直したら思いっきり泣いてしまった。でも、この曲は別のアルバムなのね。


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