韓国語 担当:須田さ紀え
韓国語をかじりはじめて今年で7年目になる。
きっかけは映画「お嬢さん」だ。
日本統治時代の朝鮮半島を舞台に、資産家と姪の令嬢、彼女の侍女、そして財産を狙う詐欺師の騙し合いを描いた作品で、登場人物の言語も日本語と韓国語が混じっているのだけど、その入り混じるさまがとてもミステリアスに感じられたのを覚えている。
ぐらりぐらりと揺らぐ騙し合いの行方のように、日本語と韓国語を行き来するセリフ。字幕で内容は理解できるけど、韓国語の部分で本当はなんて言っているんだろう。それが気になって、ハングルの読み方から調べ出したのがはじまりだった。
やっていた勉強法
・ハングルを覚える
まず初めに買った教材は『1時間でハングルが読めるようになる本(ヒチョル式超速ハングル覚え方講義)』(学研)。
わたしの場合1時間で読めるようにはならなかったけど、ハングルの読み方を覚えるための教材としてはかなりとっつきやすかった印象がある。
・韓国語に慣れる
最初の半年ほどはNHKの語学講座アプリを使って勉強していた。
1回15分の番組数回分を平日の通勤中にひととおり流し聴きし、土日は平日に聴いていた分をノートにメモしつつリピート再生する。わからない単語や言い回しはその都度調べる。
わたしが聞いていた「まいにちハングル講座」は基本がぎゅっとまとまった内容だったので、ある程度の時間をかけて取り組むことで知っている表現がちょっとずつ増えていったように思う。
他には「MBC mini」や「JTBC news」のような韓国の放送局のアプリや、「Tunein Radio」(radikoのワールドワイド版的なアプリ。韓国の放送局の番組も聴ける)もたまに使っていた。
・音の響きや会話を観察
何を言っているかわからなくても、Youtubeや各種配信で視聴できる韓国語コンテンツをとりあえず観ていた。出演者の表情やリアクションでしか内容が追えなくても、ひたすらハングルの音の響きや会話を観察する。そうすると、
「かしこまった表現の言い回しは1センテンスが長めだな」(※韓国語にも日本語同様に敬語の概念がある)
「語尾に「ニヤ(니야)」とか「ヤ(야)って付くときの響き、なんか猫っぽくてかわいいな」
「韓国のおじさんと北海道のおじさん、言語は違うけどしゃべり方だいたい同じだな」
みたいな気づきがあって、ちょっと学習が楽しくなった。
・買い足した教材
ハングルがだいたい読めるようになってから買い足した教材はこんな感じ。それぞれ文法と単語、それに漢字語に特化したテキストだ。
学習抜きにしても面白く読めたのは「韓国語の漢字語マスター 法則が分かれば語彙が増える」だった。韓国語も日本語と同じように中国から伝わってきた漢字語が現地語化した語彙が多いので、読み方が分かれば意味も分かる単語が実はたくさんある。しかも、意外と発音が近かったり同じだったりする(「不動産(부동산:budongsan)」「準備(준비:junbi)」など)。それに気づいてからは単語を覚えるのが一気に楽しくなり、「天空の城ラピュタ」でムスカが「読める……! 読めるぞ……!」とつぶやくシーンの気持ちになって単語を覚えられるようになったのだった。
途中年単位でサボった時期も含めると足掛け7年の韓国語学習歴、現時点でのわたしのレベルはだいたいこれくらい。
・日本語と比べたらかなりゆっくりだけど、ハングルをだいたいひととおり読める
・わからない単語はまだ全然あるけど、ハングルでの読みが日本語の読みと近い場合は推測して理解できることもある
・長いセンテンスの聞き取りは、わかる単語をつなぎ合わせてふわっと理解するレベル
・文法は弱い、弱すぎる……「雰囲気でなんとなく理解しているけど、説明しろと言われたらたぶん無理」な概念がとても多い
……同じ韓国語学習者の方はお気づきかもしれないが、学習歴7年の人間にしては正直かなりゆるゆるなレベルだ。でもベースが怠惰なわたしにとって、語学が嫌いじゃないという点は数少ないアドバンテージだと自覚しているので、これからはちょっとずつでも学習を再開したいな。とりあえず、来年4月のTOPIK(韓国語能力試験)は申し込もうと思っています。