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革シースを漬け込むタレのええトコ


タレはいいぞ、という話を昨日したが、この革で作ったものをタレにつける、というのは実に気持ちが良い。丹精こめて作ったものを最後に秘密の液を温めてとかし、ゆっくりとそこに沈めてゆく、よく染みたのを確かめてひき上げ、軒先につるして日に当てながら乾くのを待つ。

すると、ヌメ革そのものの色だったのがタレが染みて色が変わる。乾かしていく間に色が落ち着いてゆく。しっかりとしていながら適度な弾力があって、こう手になじむ、実に心地よい手触りへと変わる。

ひとつひとつ段階をを踏んでゆき、その度に姿を変えるさまを味わうことが、自分で物を作っているという気分を昂ぶらせてくれる。そこにほかでは味わえないタレのよさがある。

そんなタレを材料を集めて自分で作る、という所もまたよい。なにやら釜に材料を放り込んで怪しげな薬でも作っているような気分である。タレが減ってきたらその瓶に材料を注ぎ足して作るのだけど、老舗のうなぎ屋の秘伝のタレ、みたいな具合でこれまた気分が良い。こんな具合にモノを作る過程で妄想させてくれるのが魅力だ。

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