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タレの話 油をどうしたか

ざっくりいうとタレはロウと油を混ぜて溶剤に溶かしたものと言ったけど、もう少し説明すると、革を形作っている、絡み合った繊維の間に溶剤に溶けたロウと油が入り込むことで働くわけだ。今日はその油について思いつくまま語ってみる。

油について

ここで使う油には私は最初ワセリンを使った。わたしは「ワセリンはいいぞ」というのが座右の銘で、タレの作り方を知って、そのあと革の手入れにワセリン、と言う話もどっかで聴いて、「ワセリンでいけるんじゃね?」と思った。ワセリンは手元にあったし、テレピン油だけ買って、ワセリンと、別件で使った蜜蝋クリームと、仏壇にあげるろうそくを適当に混ぜて作ってみたのだが、これが存外うまくいったのだった。
下がそのとき漬けた革シース。まあそれなりに見れるでしょ。

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うまくいったのには確信があって、革にしみこんで働く関係上、要は常温で固まらずに流動性を持ち続けるものなら機能を果たしてくれるはず、と考えたからである。まあ油と言うことでいえば椿油とかオリーブ油のような空気中で固まらない「不乾性油」に含まれる「油脂」と言うことになるのだけれど、ならばワセリンも液体ではないものの固まりはしないのであるから、いける、という理屈だ。

ちなみにワセリンは椿油のような「油脂」とは化学的には違う部類で「パラフィン」になるのだけれど、このあたりを調べ始めたらわけ判らなくなってしまって「油脂」と「油」と「蝋」と「ワックス」と「パラフィン」と、ってどう違うんだ、となってしまったが、まあそのあたりはいずれ解説してみようと思う。

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