タレの話のつづき

日付が変わってしまったけれど9/28日分として。

もったいぶったけれど、
そんなタレの正体は、言ってしまえばロウと油脂、その他を混ぜたものを溶剤に溶かし込んだものだ。別に特別なものは入っていない。他と違うのはその液に丸ごと漬けてしみこませるというところ。

普通ヌメ側というと何かクリーム的なものを塗ったりして保護することがあるが、そういうものとはやり方がだいぶ違う。革用品の手入れ用はもとより、趣味で革製品を作っているひと向けにもこういう処理剤が市販されている様子はないので、自分でこういうことをやることはあまりなさそうだが、防水性耐久性見た目どれも効果は抜群である。

もっとも、作った品物に後から処理をするというのではなく、素材としての革にあらかじめ処理を施したものは普通にある。オイルレザーとかブライドルレザーとかというものはそれぞれ油、ロウをしみこませてあるわけであるから、先にやるか後にやるかの違いともいえる。で、まあ自分でやって楽しむために手軽にやるにはタレのが良い、というのと、ナイフシースではウエットフォームをする関係から後から処理するほうが都合がよいというのもある。一度革をぬるま湯に浸してふにゃふにゃにしてやり、ナイフの形に合わせて成形して乾かすとその形のまま固まる、というのをやるのだけれど、これは油やロウなんかが染みた革ではできないので、実にナイフシース向けの優れた方法だなあと思う次第。

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