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タレの話し テレピン油についてのウンチク

タレの作り方は蜜蝋と油とその他をテレピン油に混ぜて湯煎で温めて溶かして作る。ロウに何を使うかとか、油になにを使うかなどはいろいろ試すといろいろ違いがあるはずなので試してみたい所。
世の中には溶剤はいろいろあるが、これは向き不向きがあって何でもいいというわけではない。とりあえずは先例に習ってテレピン油をつかっているが、おもしろいことに「テレピン油」と名のつくものにもいろいろある。
値段や成分もちがうので、賢く選びたくてその辺調べたり考えたりしてみたので、そのあたりのことをかいてみよう。

まず、テレピン油というのは本来油絵の画材で、それは伝統的には松脂を蒸留して作られる(たぶん)。
おそらく今も画材用に売られているものはそうやって作られているのではないかと思うのだが、とうぜんお高いわけで、ホルベインとかクサカベなんかの物は小さい瓶に入って1000いくらもする。こんな高級品をただとばしてしまうような使い方はもったいないのでタレにつかってはいけない。絵画の世界では昔から使われている伝統的な製法のテレピン油でないといけない、みたいのがあって、たぶんそうでないと書き味とかが絵の具の伸びとかなんかそういうのが違うんだろう。だからそういう高級品がいまでも売られているんだろう。

で、いろいろ検索すると、塗装用の溶剤として「テレピン油」の名前で売っているのが見つかる。これは明らかに画材用のものより安いので、伝統的な製法とは違って、工業的な方法で木材チップから抽出、あるいは合成によって成分を再現して製造されているのかもしれない。
結論から言うとこの手の奴で十分つかえるので、大阪塗料の瓶入りの奴か、アトムハウスペイントの缶入りのやつをオススメする。実際に使ってうまくできたので保証する。

溶剤が使える使えないというのは、私が考える限り主成分たるロウと油脂をどれだけ溶かしこめるか、という溶解度が関係していると思う。実験してみたらある種の溶剤はロウが溶け込む量が少なく、ちょっと冷えると固まってしまう。その辺は長くなるのでまた今度書いてみたいと思う。

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おまけ:こんな具合にしみ込まずにロウまみれになってしまう

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