機動戦士ガンダム復讐のレクイエムの感想

  ジオン視点で一年戦争を描きつつ、ガンダムを登場させるにはまだ課題が多いなと思いました

  • 良かった所

  • CGの出来MSもかっこよかったしルーマニアの街もきれいだった。

  •  ザクという兵器がもたらした絶望感、そして逆にガンダムという兵器がジオンにもたらした絶望感と双方の視点からの敵の恐ろしさを感じられた事

気になった所

展開
主人公がガンダムとザクで交戦して殺されかけた所を味方に援護され、ガンダムの注意が逸れて生き延びる
この展開を3回位見てまたかよってなる

主にガンダムの戦い方
もっとビームライフル使えよ
ビームライフルを使えばジオン側に対処法が無く一方的に倒せるのに何故かビームライフルはあまり使わず、ビームサーベルで格闘戦を挑む。
ビームサーベルに対してはジオン側の近接武器で対抗出来る訳で、わざわざアドバンテージを捨てて格闘戦を挑むのが分からない
ビームライフルが一発撃ったら次弾を打てるようになるまでに時間がかかる仕様なのだろうか?作中でその辺言及が無い(ビームライフルの仕様についてジオン兵が言及しかけたシーンがあったけど食事中にあの悪魔の話はするなと言われて結局言わなかった)

効いてないジオン側の射撃武器をいちいち避ける必要があったか?
ガンダムは先述の通りわざわざ格闘戦を挑みに行っている。格闘戦ならジオンの武装に傷つけられるリスクが格段に高まる。対して、ジオン側の射撃武器は豆鉄砲みたいに効いてない。グフカスタムとの戦闘でもガンダムはガトリングを避けて後ろに引いていたが、正直、装甲で耐えながら斬りかかれば良かったのでは?と思う。わざわざ回避行動を取ることでむしろビートサーベルで斬られうる隙が生じていないか?
これに対しては、自分がガンダムのパイロットだったら効いてないとしても敵の弾丸が当たってるのは怖くて思わず距離を取ってしまうという事はあるかもしれないが。

総評
ジオン側から一年戦争を描くに当たって、ガンダムとの性能差が圧倒的すぎる中で(主人公補正と取られたり、ガンダムが舐めプしてると取られること無く)どう作劇するかという所はまだ難しいのかもしれないと思った

とはいえ、実験的な試みは評価したい。今作の評価を受けて戦闘シーンを作る上での自作以降の経験値として活かしていってもらいたい。

追記
ジオン側の兵士達が俺たちは独立の為に戦ってるんだ連邦の仕打ちに耐えかねてな!という話をしてるシーン
ジオンが同胞たるスペースノイドに対して行った大虐殺を思えば彼らの主張には全く正当性を感じられないのだが、情報統制の下でプロパガンダに日々暴露しながら生活している人達の描写として見るとリアリティがあるように思った。特に、戦争中の国の人々の生活、みたいなニュースを日々見ていると、そのニュースと同じだなと感じられるのだ。(尤も、そのニュース自体が情報操作として仕組まれたものだ、という可能性を念頭におけという事は今日の常識なのは言うまでも無い。)
ギレン・ザビは、最も優れた人種であるジオン公国民が人類を管理するのだ!という思想をアニメのラストの方では全面に出すが、戦争の前半では、「我々は連邦の搾取からスペースノイドを解放するのだ!」という大義名分を掲げていて、そのプロパガンダは結構有効に国民に働いているんだなと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?