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【試写】レギュラー番組への道「コント×ドキュメンタリー 笑う会社革命」

私がNHKに就職した頃に話題となった「サラリーマンNEO」へのオマージュ的な番組が放送された。題して「笑う会社革命」。レギュラー化の道を探る、いわば実験枠。確か「サラリーマンNEO」も、似たような経緯で始まった。

今回の番組のテーマは、直近放送された「クローズアップ現代」とも近い。

NHK職員や外部プロダクションの中にも、不正の隠蔽はダメだという意識があるのかもしれない。

不正と隠蔽の連鎖が相次ぐ現代、どのような問題提起をするのか?興味深く試写に臨んだ。

番組総評

レギュラー番組への道「コント×ドキュメンタリー 笑う会社革命」

笑い:★★☆☆☆
時事性:★★★☆☆
公平性:★☆☆☆☆
演出的工夫:★★★☆☆
NHKらしさ:★☆☆☆☆

合計:10/25点
オススメ度:★★☆☆☆

会社や職場における人間関係や組織文化に焦点を当て、その改善策を実例を通して探る番組。

番組を貫くテーマは、組織の課題解決には現場の声に真摯に耳を傾け、社員との信頼関係を築くことが不可欠だということだ。クレームや失敗に向き合い、透明性を持って対応することで、顧客や社員からの信頼を得られる。また、ミスを恐れず、失敗から学ぶ姿勢を組織全体で共有することが、働きやすい環境づくりと業績向上につながる。

さらに、現場の声を吸い上げ、情報共有することで、新たなビジネスチャンスが生まれ、組織の活性化にもつながる。番組タイトルにある「会社を明るく、職場を生き生きにする」ためには、トップダウンではなく、現場との双方向のコミュニケーションが欠かせないことを示唆している。

番組は、「カンパニー」の語源が「共にパンを食べる」であることを紹介し、組織とは一つ釜の飯を食う運命共同体であることを視聴者に想起させる。組織の課題解決には、構成員間の信頼と協働が不可欠であり、そのための方策を模索することをコントとドキュメンタリーを通して伝えようと試みた。

試写した上での感想

正直に言って、コントなのに全く笑えない番組であった。

それは、番組が提起した課題の全てがNHKにおいて現在も解消できていない事を、私は誰よりも知っているからだ。

クロ現同様、ビッグモーター等の件を、新聞のカットを使って伝えていたが、世の中を揺るがせる不正という観点では、NHK報道局の組織的不正経理、クロ現・NW9の捏造報道の方が遥かに悪質だ。新聞一面のカットが無いにしても、自己批判を完全に消し去った形で伝えた事に、私は悪意を感じた。

紹介企業の宣伝でしかない不審なカットとコメントが多数

今回の番組では、社名と商品がこれでもかと連呼されていた。

それどころか、マネーフォワードの紹介では社長の著書の書影まで表示されていた。著書を宣伝したい、とゲストに要望される事は実際あるが、お断りするのがNHKの原則だ。

もし本を出す場合も、ある分野の権威である事を示す為にグループショットで入れる程度のものだ。

NHKが担保すべき公平性が蔑ろにされていた事について、非常に大きな懸念を抱いた。

もっとも、冷凍餃子の紹介では、担当者が手皿をする場面もあった。下品な様子も見せてバランスを取ったのだろうか?だとしたら、担当者の方にとっては気の毒だ。

NHKへのブーメランとなるキーフレーズ

クレームと向き合うことで会社は強くなる

逃げない上司が会社をイキイキさせる

そんな麗しいフレーズが番組では多数紹介された。

しかし、NHKだけでなく、直近のパナソニックのストックフォトの炎上を見てもわかるように、実際に実行するのは極めて難しい。

なぜ実行できないのか?その根源に迫り、まずはNHKから改革をし、その様子も番組で紹介すべきだ。でなければ、NHKにも未来は無い。

ぜひ次回作は、NHKの「改革の検証と発展」をテーマにコントとドキュメンタリーを作って頂きたいものだ。

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