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NHKニュースクリップ(2025年1月19日号)

今、世間の注目はフジテレビに集まっています。タレントとアナウンサーの個人間の問題ではなく、フジテレビが組織的に「上納」を行っていた疑惑へと発展。さらに、記者会見での報道機関にあるまじき対応が非難の的となり、もはやTV局としての存亡の危機に陥っています。

この問題、PVが取れることに味をしめたのか、NHKも批判的な論調で報じています

ただ、NHKが「対岸の火事」として見ているのだとすると、足元を掬われるリスクが大きいと思います。

今回のフジテレビの対応にはかなり問題がありますが、私個人としては「従業員から相談を受けたにも関わらず、事実上握りつぶし、さらに番組を長期間に渡って継続したこと」が特に大きな失敗だったと思っています。

従業員が安全に働ける環境を整備せず、隠蔽に走るなど現在は言語道断ですが、このような「握りつぶし」事案はNHKでも多発しているのです。この辺りはメンバーシップ領域でお伝えします。


「NHKもやってるはずだ」フジテレビ問題で注がれる疑惑の眼差し

今、フジテレビに限らず、オールドメディア全体への不信が大きなトレンドになっています。Xでは注目を集めますし、YouTubeでは再生回数が容易に稼げます。さらに、Web記事もPVが稼げることから、出版社系メディアでは派生記事を何本も作っています。

世間は、「フジテレビだけのわけがない」、「NHKもやってるんじゃないか?」という目で見ていますし、そのような情報を求めています。実際、すでに数人の記者から「NHKでもアナウンサーの性上納ありませんかね?」という質問を受けました。

NHKの場合、今回のフジテレビの疑惑のように、有名タレントに職員アナウンサーを組織的に「上納」することは恐らく無いとは思います。

私自身がそういう立場にいなかったのはありますが、ちょっといかがわしい雰囲気の飲み会があったとしても、「懇親会」や「番組打ち合わせ」の範囲を出ないものでしょう。

ただ、例えば、過去に報じられた以下のような事案をどう捉えるか?は難しいところだと思います。

実際、NHKの女性記者は「寝てネタを取る」ことを厭わない傾向があると私は思っているのですが、結果的には双方合意にせよ、組織としてそれを良しとするカルチャーがあったり、半ば業務に近い形でシチュエーションを作られていたりはしないのでしょうか?

私は、記者が勝手にやっているというよりは、特にいつぞの社会部長などが、それを推奨する空気を作ってきたのではないかと疑っています。実際、そういう声は在職中から聞いてきましたしね。

「べらぼう」バースデーサプライズは受信料の無駄

私は脱落してしまいましたが、NHKの大本営発表によれば、「べらぼう」のNHKプラス等での再生実績が好調らしいです。

しかし、「1分以上」をカウントするのは、幾分卑怯じゃないですかね?確かに、接触者率と合わせたのかもしれませんが、オープニングや、飛ばし飛ばし軽くチェックしただけでも「視聴」カウントされるのはどうかと思います。

まるで戦果を偽った大本営発表のごときもので、呆れるばかりです。

その「べらぼう」で受信料の無駄が大々的にアピールされていました。

このバースデーサプライズ、オーダーメードのケーキ代だけでも安くて3万。普通に作ったら5万円くらいは掛かります。その間に撮影がストップする分のロスや、Xに映像を編集して投稿するコストも考慮すると、10万や20万ではきかないでしょう。

この映像をどこかの番組でオンエアしたりすれば、「消えもの」の経理コードで処理できますが、なぜ赤字のNHKでこんなことをアピールするのか私には理解できません。

X上で騒いでいる人たちも、多くは自分自身で受信料を払ってはいないのでしょう。

私も何度もやったことありますが、出演者個人の誕生日祝いなど非公開で良いんです。自腹で出すのが嫌で、経費精算したいからロケをしてXやら番宣やらでの露出を企てているようにしか見えません。

「べらぼう」はテーマはもとより、この辺の感覚も明らかに世間と乖離しているような気がします。そういうチームは不祥事を起こすものなので、今から心配です。

赤字予算のNHK 裏に無駄な契約

NHKが赤字予算を組んだことがニュースになっています。

普通、赤字ならまずは無駄遣いを減らします。特に、外部からの調達は要不要を厳しく吟味し、絶対に必要なもの以外は契約をカットするのが、赤字の場合の常道です。

そこで、「ラスプーチン」の件でも一部で注目が集まった「契約情報」をチェックしてみました(2024年度分)。

しかし、この契約情報のPDF、データの読み込みがしづらいように加工されていたため、結局は全件目視せざるを得ませんでした。普通に使いやすいCSVとかで置いといてくれないかな?

まず、私が驚いたのは、「役務等」の「競争入札」P.12にある「ハイヤーA」です。14億8000万円もの金額になっています(恐らく本部の分だけ)。

今時、こんなにハイヤーを使わなきゃいけない理由ってどこにあるのでしょうか?記者と役員、早朝番組の出演者の一部が使っているのだと思いますが、出演者以外はタクシーで十分でしょう。

機密保持を理由にするのだとしたら、番組ロケで東京駅までクルーと移動する場合だって一緒なわけですから、もっと減らせるのではないかと思いました。

「随意契約」は本当に必要か?

「随意契約」の方も驚きの連続です。1件処理するだけでも相当な手間があるのですが、370ページに渡って3000件近くもリストには掲載されていました。

中でも私が最初に違和感を覚えたのは、P.148にある「コンテンツ監視業務」です。ポールトゥウインという、ゲームのデバッグを主な事業とする会社に委託されています。

なんでデバッグ会社?と思ったのですが、実はここ、ネット風評監視対策の「ピットクルー」を傘下に収めているんです。

年間600万くらいと小規模ですが、著作権違反とかを監視しているんでしょうかね?よもや、この金額ではネット工作は出来ないと思いますが、個人的には「ん?」と思いました。

この他、広告関係がアプリやデジタル関係でぼちぼち支出されてたり、よくわからん「調査業務」や「コンサルティング業務」や「ダイバーシティ関連支援業務」などに合計何億と発注されていたり、怪しい匂いがプンプンしました。

で、ひとつひとつチェックしていく中で、個人的には許せないものを1つ見つけました。

P.181にある「マネジメント向上研修」です。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズに1億円ほどの金額で委託されています。

NHKでは、この手の研修や人事関連のコンサルに莫大な金額を支払ってきました。もちろん、私も受けたことがあります。

しかし、前田改革のようなデタラメをやったり、そうでなくてもコロコロと施策を変えているせいで、人事関係の研修が役に立った試しが無いんです。

この「マネジメント向上研修」も恐らくそうです。そもそもNHKにおける「マネジメント」は何ぞや?って話も定まらない中、一体何がどう向上したというのでしょうか。

今年に入ってからも、基幹職(管理職)の不祥事は多数ありました。特に、「ラスプーチン」問題は人事局が火薬庫になってもいるわけで、末端のマネジメント云々で解決できる話ではないのです。

セクハラやパワハラを無くすことはもちろん、マネジメント層がNHKの使命達成のために指導・育成と、いざというときのアンカーを担えるようにすることが何より大切なのに、今のNHKは管理職がいかに休むか?若い子からいかに嫌われないか?ばかりを重視していると聞きます(特にD1研修)。

「マネジメント向上」の1億投じたのなら、それを上回る効果が無ければ無駄でしかありません。ぜひ、職員の皆さんは協会人事局に問うてみてください。どうせ、何も応えてきませんけどね。

【メンバーシップ】水戸局・小松アナ問題

記事では名前も報じられていましたので、実名にしておきます。この件に関しての「こぼれ話」です。

実はこの件、私の元にも早い段階から情報が寄せられていました。

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