NHKニュースクリップ(2024年12月22日号)
この1週間もまた、NHKの不祥事が相次ぎました。毎週必ず不祥事が発生するなど、改めて協会のガバナンス不全には呆れるばかりです。
北九州での中学生殺傷事件 NHKが容疑者の住所を全国発信
まずは、北九州の中学生殺傷事件について、NHKが信じられないことをしでかしました。
こうしたX上のPostに加えて、職員からも「ヤバい」と情報提供が相次いだため、私も自宅の全録サーバーをチェックしてみました。
すると、急に差し込まれたであろうVの中で、警察の方がハッキリと住所番地を伝えていました。
容疑者といえど、住所を放送することなどありえません。人権上の問題があることに加えて、家族や近隣住民への悪影響も想定されるからです。
報道機関の重大な不祥事とあって、産経新聞が事の顛末を取り上げていました。
NHKプラスでは断り無く当該箇所の音声をミュートにしていましたが、このような情報は、一度伝えたら訂正も取り消しもできません。だからこそ生中継ではなく、わざわざ編集にしたとのだと想像しますが、こんな初歩的な情報をチェックせずに放送するなど言語道断です。
不祥事の裏にIの影
では、なぜこんな不祥事が起きたのか?
ひとつには、焦りがあったとは思います。北九州の事件については、初動からNHKは遅く、完全に周回遅れとなっていました。容疑者が逮捕されたこの日も、地元民放は早朝に確保される映像から抑えていたのに対して、NHKはそうしたスクープは皆無。
内部の動きを取材すると、かなりの焦りがあったとのことです。上層部も現場をドヤしていたのでしょうかね?
こうした焦りやすい場面こそ慎重な対応が求められるわけですが、実はNHKは今年、同様の不祥事を起こしています。
何か今回の件と似ている気がしませんか?
取材を進めると、今回の北九州の件も、大津の件と同様、Iという人物が指揮を執っていたことがわかりました。
大津の件ではIが責任を取る形で大阪報道から「更迭」されたそうです。で、流れ着いた先が、TVニュースやネット記事の担当部署。
今回の北九州の件を巡る不祥事について、Iがどこまで関与していたかはわかりませんが、Iが関わっていたことだけはほぼ確実です。
で、このI、察しの良い方ならわかりますよね?ニュースウオッチ9の捏造報道にも関わっていた、あのIですよ。Iの行くところで必ず不祥事が起きているのは、偶然とは思えません。
大体、この手の不祥事は普通に考えたら一発アウトで報道の現場から外すべきところ、なぜずっと現場に残り続けているのかが私には理解できません。
このnote、経営委員会の方々も見て下さっているようですので、ぜひNHKのガバナンスの問題として取り上げて頂きたいですね。報道機関が果たすべきチェック機能が破綻していることが象徴的に現れた事案ですし、何より、不祥事に対して責任を取るべき人物が責任を取らず、現場の上層に居座ってさらに不祥事を重ねることなど、許してはいけません。
衝撃の放送事故 熊本で仙台の放送が?安定運行にも大きな懸念
このところ、技術関連の放送事故を毎週伝えていますが、今回また今まででは考えられなかったような大事故が起きました。
放送波のパラメーターを誤って設定したため、一部の機器で放送を正常に受信できなくなったのです。
で、この件、何が悪質かってNHK側の大チョンボにも関わらず、あたかも放送機器側が対応していないかのような伝え方をしている点です。だからこそ、「お知らせ」としていて、「おわび」ではないわけです。
夕方のローカルニュースでも、視聴者の多いトップ項目ではなく、エンディングに差しかかったころに軽く触れた程度。重大情報なのにNHKには伝えようという意思が全くありません。
今のオールドメディア不信の背景にある最大の課題は、今回のNHKの件のように「都合の悪いことは隠す」、「伝えたというアリバイだけ作って目立たないように工作する」といった不誠実なスタンスにあります。
視聴者に迷惑をかけた以上、受信できなかった世帯には返金するなどの対応も含めて、誠実さをアピールしない限り、NHKへの信頼が回復することは今後も一切無いでしょう。
ニュースーンでも不体裁連発
視聴率の測定限界に達しつつあるニュースーンもおかしなことになっています。12月18日の放送の17時台はあまりに酷いので、皆さんも録画が残っていたら確認してみてください。
誤った映像を繰り返し送出したり、音声が欠けたり、技術的にも初歩的なミスが連発しています。
もともと、リモコンカメラを使って省力化して放送することでコストを削減するという触れ込みでニュースーンは始まりましたが、こんな有様だったらフィラーを流しておいて、何かあったらNCを取る体制の方が幾分マシではないでしょうか?
早くも打ち切り説が流れていますが、私のもとにはNHK好きの方からも「打ち切ってちゃんとしたニュースにしてほしい」といった声が届きます(意外かもしれないですが、NHKファンのフォロワーの方も多いんですよ)。
元々のコンセプトからして、とりあえず生放送出しておくか、くらいのものですから、技術も身が入らないんでしょうかね。
NHK世論調査の偏り問題
兵庫県知事選でNHKが情勢を完全に見誤った背景には、実は、世論調査の偏りの問題が潜んでいます。
NHKの世論調査は、基本的にはランダムに発生させた電話番号をもとにして、電話で行うスタイルを取っています(他にも、調査票を郵送するものや、近年ではWebを使う方法も研究されてはいる)。
この場合、何が問題かというと、サンプルに偏りが発生するのです。
当たり前ですよね?日中に電話とれる暇人のうち、NHKの世論調査に付き合うような奇人なんて限られていますから。およそ人口構成と乖離したサンプルに対して調査を行っても、妥当な結果が出るわけがないですよね。
この問題をNHKに問い合わせた方が情報発信しているのですが、予想通りのノーコメントでした。
NHK党関連だから黙殺するという判断なのでしょうか?その奢りこそが、NHKを今まさに窮地に追い込んでいると認識した方が良いと思います。
要は、「世論調査」も、所詮はそういうラベルをつけているだけの「フェイク」だと疑われているわけです。実際、私は「フェイク」だと思っていますけど…
NHkの情報発信の根幹に関わる部分ですから、「自主的な編集判断」とか言っている場合じゃないんですよ。
この辺りのノット・アカウンタブルなスタンスについては、経営委員会でも度々指摘されていますが、全く改善される兆しがありません。そりゃ委員長だって怒りますよ…
このように「社会との対話を拒む姿勢」をNHKが打ち出している限りは、NHKブランドなど空疎な概念でしかありません。もともと、大本営発表をしていた宣伝機関だと思えば、「対話」など無理なわけですが(ちなみに、GHQにも同じことを指摘されて街頭インタ番組や視聴者参加番組が生まれたんですよ)。
9.1億円拠出の謎 中継局共用会社を巡り稲葉会長が懺悔
「中継局共用会社」の件について、私はむしろNHKと民放という二元体制を崩し、民主主義の脆弱化が進むと懸念しています。
この件、経営委員会議事録で興味深い展開がありました。
面白いので、こちらを皆さんも読んでみてください。
かいつまんで説明します。
この中継局共用会社(恐らく新たな天下り先)についてはNHKが設立し、民放も後から乗っかってくるという想定で進められています。
で、その負担割合は内々での協議の結果、NHKは9.1億円と何か知らんところで決定していたようなんですね。
ただ、この9.1億円という金額については算出根拠が不明瞭ですし、何より、受信料の効率化の観点からすると、出資した結果としてそれ以上のコストパフォーマンスが求められるにも関わらず、その点が曖昧なまま進んでいるのです。
結果として、外向きには「1億円出資」というミニマムな情報だけになったわけですが、この一連の動きについて、経営委員会が真っ当な指摘をしています。
衝撃的なのは、最後の方にある次の一節です。
NHK職員は特に当事者意識が欠如しています。執行部となると、その欠如ぶりには想像を絶するものがあります。
稲葉会長もリーダーシップが不足していると自覚しているなら辞めれば?ってところなのですが、こんな連中にS評価年収2500万円なんてのがいる時点で狂っていますよね。
最近の経営委員会議事録を見ると、生産性の低さたるや絶望的なものがあります。本来なら、まずトップからして生産性を厳しく追求しなければならない局面において、言語に絶するような酷い有様です。
でも、職員の皆さん、こうした経営委員会議事録などをちゃんとチェックしていませんよね?
本来なら、チェックして、「責任を果たせないなら辞めろ」と職員が突き上げるべきなんですよ。それをしないから、こんなウスノロでしかない執行部がのさばってしまうのです。
執行部もNHK職員一般職と地続きです。ひとりだけで騒いだら握りつぶされますけど、1000人とか10000人で抗議したら多少は変わりますよ、たぶん。
【メンバーシップ】「かんぽ」問題議事録 何がNHKの存亡に関わる問題だったのか?
このところネタの宝庫となっている経営委員会議事録絡みで、「かんぽ」絡みで隠蔽された議事録が公開されたニュースについても所感を述べさせてください。
私は当時、まさに渦中の部署にいたので、色々思うところがありました。
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