NHKニュースクリップ(2024年12月29日号)
今年も不祥事が相次いだNHK。さすがにもう出尽くしたか、と思ったところで衝撃的なニュースが飛び込んできました。
この不祥事のリリースを見た時、該当するであろう人物が誰だか見当がつきました。私の想像通りだとしたら、「NHKの影の支配者」の異名をとり、もはやNHKの全権を掌握していたであろう人物です。
その人物が停職3ヶ月に加えて降格処分も受けるなど、にわかには信じられませんでした。
NHKのリリースと各社のニュースからは、あくまで内部での情報共有程度の事案としか読み取れません。カネが絡むわけでもなく、他社に迷惑を掛けたわけでもない局内の話なら、処分する必要さえ本来ならありません。あったとしても、注意レベルで済む話で、対外的に公表されるのはおかしな話なのです。
例えば、内示前に人事情報をリークしたとしても、ここまで重い処分などありえません。社会部の不正経理、国際放送ジャックと比しても遥かに重い処分が下った背景には、より大きな事案が潜んでいると考えるのが自然です。
今、NHK内はこの不祥事の話題で持ちきりとのことです。新聞社や雑誌社も、事案の大きさから既に取材攻勢を強めているとみられます。
事によると「磯野事件」をも上回るほどの大きなハレーションに繋がる懸念もあるとか。私も全容を把握し切れてはいないため、メンバーシップで現段階の情報からの「推測」をお伝えします。
紅白歌合戦 曲目変更の裏にリスク管理力の低下あり
盛り上がりに欠ける紅白歌合戦を巡って、歌唱順の発表直後、久々にXのタイムラインが騒がしくなりました。
星野源の曲目、「地獄でなぜ悪い」に対しての懸念が巻き起こったのです。
この曲は、園子温氏の同名作品のテーマ曲でもありました。園子温氏といえば、これまでの性加害的な言動が問題視されていました。さらに、加害を告発した俳優の方が自殺されたことも記憶に新しいでしょう。
私は、曲目は変更されるだろうと思っていました。そして、予想通り、26日には曲目変更が正式に発表されました。
NHKで放送する以上、普通に考えれば、ある楽曲がどのようなコンテキストを持っているか精査するのはディレクターとしては当然のことです。細かな表現ひとつとっても、差別的なニュアンスが無いか?誰かを傷つけてしまうことはないか?様々な懸念を洗い出した上で、曲目は決定する必要があります。
しかし、今年の紅白の演出陣の中には、このような「当たり前」が存在していなかったと見受けられます。
もちろん、同曲はファンの多い人気曲ですし、「辛い状況にある方を勇気づける」という効果も期待はできるはずです。しかし、その程度の視座から選曲するのは「ストリーミングのプレイリスト」の考え方なんです。
紅白は「国民的番組」を自任していますが、全く国民的ではないことが露見したと言えます。NHKでは、ただでさえ制作費のカットが厳しく要求される中、このような演目変更は単純にコスト増も引き起こします。
今、その曲が社会的にどのように受け止められているのか?紅白で放送することにどんな意味があるのか?改めて、考え抜いた上で「どんちゃん騒ぎ」に興じてもらいたいものです。
NHKの報道が消極的な背景に 園子温信者デスクの存在が?
それにしても、紅白の演目が、X上からの声に端を発するムーブメントで変更に至った経緯はニュースバリューが大だったと見えます。事実、週刊誌メディアだけでなく、新聞各紙も触れていました。
しかし、NHKの報道は極めて消極的です。
一体、なぜこれほど消極的なのか?調べていくと、意外な事実がわかりました。
NHKで芸能情報を担当するのは科学文化部です。文化=芸能という意味なのですが、この科学文化部では園子温氏に対して、かなり好意的な記事をたびたび発信してきているのです。
さらに、科学文化部デスクのXを遡っていくと、衝撃的なPostが複数見つかりました。
このデスク、ETV特集でも園子温氏を取材していたと打ち明けているのです。
紅白歌合戦以上に、NHK科学文化部がこれらの記事やPostを残していることの方が、より「お墨付き」を与えているというメッセージを強く発信しているのではないかと思います。
百歩譲ってそれは良いとしても、今回のような騒動があったのなら、園子温氏に対して直接取材した上で疑惑の真相などを炙り出すような記事も出すのがNHK職員の使命のはずです。
さもなくば、取材先だから、恩があるから、といった理由で報道に対して「手心」を加えているとみなされます。それはNHKにとっては大きなリスクです。
NHK科学文化部ならびに当該デスクは、本件に加えて、園子温氏をどのように捉えているのかスタンスを明示した上で記事ないしはニュースの形で情報発信する必要があるでしょう。
「ノジマ」の番組が放送延期 背景に何が?
いかにもPR色が強い番組「これがわが社の黒歴史」、いつか問題を起こすだろうなと思っていたら、謎の放送延期が発表されました。
奇妙なのは「ノジマ」が公式Xから発した声明です。
この部分に私は強い違和感を覚えました。
なぜNHKが制作するのに、「スタッフ様と一丸となって制作」と発言しているのでしょうか?
こうした時、取材先は悪意がありません。恐らく、制作実態がそうなのでしょうね。ノジマの「魅力」にフォーカスをおいた上で、ノジマ自身も深く制作にコミットしているからこそのコメントだと思います。
とはいえ…
そもそも、家電量販店である「ノジマ」をこのような形で取り上げること自体、受信料徴収との兼ね合いか?と勘繰ってしまいます。ドコモショップも運営していますから、ネット受信料についても関わりが出てきそうです。
タイミーは類似の発言で大炎上しましたが、今回の件はほとんど炎上はしていません。放送延期の時点で十分すぎるほど黒歴史で笑えないからかもしれませんが、事案としては同じです。
NHKとしても、本来なら、あくまでもNHKが自主的に制作しているというスタンスを強く明示しなければならない場面です。しかし、NHKは放送延期を伝えたのみで、何もアクションを取っていません。
そのような曖昧な態度が不信感を募らせるのです。
改めて、この番組を巡っても取材を継続していきます。
職員向け雑学・CSKは何の略?
ちょっと古いPostなのですが、NHK広報のしょーもない「フェイク情報Post」が私のタイムラインに流れてきました。一般の方はまだしも、職員の皆さんまで間違った認識をしてはいけないので、私からより正しい情報をお伝えします。
と、その前に、私も実は間違って覚えていたんですよね。
確かにCSKのCSはCommunication Satellitesの略です。加えて、Kの略は「くるま」とか「カー」だとかと、私も若い頃実際に聞いてきました。
しかし、中継をやっていた頃に疑問に思って技術のベテランの方に尋ねてみたところ、「機動車のKだ」と教わったのです。そのため、ずっと、K=機動車だと思っていました。
その旨をPostしたところ、「K=可搬のKだ」という情報提供を頂いたのです。つまり、移動できる衛星中継局という意味ですね。
まさか、と思って調べてみると、それを裏付ける情報が見つかりました。
まず、入札情報サイトには「CS可搬局」という単語が確かにでてきます。
さらに、北海道で起きた「豊浜トンネル崩落事故」の緊急報道のレポートも発見(これは今の若い人も読んだ方がいいですよ、ランドラインの重要性がよくわかるので)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvtr/20/48/20_KJ00001961567/_pdf
ここには、「CSK車」と出てくるのです。Kが車・カー・機動車の略だとすると、「CSK車」は「頭痛が痛い」になっちゃうので変ですよね。
というわけで、断定できる資料はネット上では見つけられなかったのですが、恐らく「可搬」が由来だと考える方が自然です。もっとも、対になる「固定局」の固定の頭文字もKなので、妙と言えば妙なのですが…
※投稿後追記
CSK以外にもCSP(Communication Satelite Portable)があるそうです。こちらは車搭載ではない純粋な持ち運びなので、「Kは機動車の方が恐らく正しいのでは?」という情報も頂きました。
今は技術でも「K=くるま」と習うらしいので、時代と共にKは変遷しているのが実態かもしれません。
改めて 中継スキルを高めることが大事
何気なく使っているNHK独自の用語も、由来を調べてみることで様々な発見があります。
今やランドライン(マイクロ波)はもちろん、CSKも削減に次ぐ削減が進められていると聞きます。しかし、携帯電話回線を使うLiveUに、本当に有事の際に頼れるのでしょうか?
「豊浜トンネル崩落事故」のレポートも、大先輩が「地形などの影響でCSの電波が届かないこともある。ランドラインの構築の重要性を再認識した」という趣旨のコメントで結んでいます。
当時は、CSKが盛んに使われるようになった頃です。私も、技術下見は「面倒ならCS」という文化で育ちました。
ただ、それでもCSが使えない中、死ぬ思いでランドラインの中継点を探して「おわん」を置く交渉をしたことが何度もあります(例えば、神保町での中継とか)。
NHKは、いざというときには、あらゆる手を尽くして放送を出すべき使命を課せられています。広報のように下らないPostをして悦に入っているのではなく、改めて、中継とはなんぞや?緊急報道とはなんぞや?をNHK職員の皆さんには考えて頂きたいものです。
【メンバーシップ】影の支配者
今回のnoteは皆さん、この部分が気になることでしょう。
https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2024/20241225.pdf
実際、懲戒処分が発表された日は、私のDM・LINEへの通知が鳴り止みませんでした。
私とて、あくまで複数の情報を総合した上で、あり得そうなことを推測するしかできないのですが、何となく輪郭が見えてきたので、「推測」とおことわりした上でまとめます。
情報が更新されたら、随時修正も加えていくのでご了承ください。
もし宜しければチップ(サポート)を頂けると幸いです。取材費などNHK健全化の為の取り組みに活用させて頂きます。