NHKニュースクリップ(2023年3/5号)
今週のニュースは1本、これだけで行かせてください。
私としては、この方針転換は事前の新会長周辺取材から予想していたことではありましたが、改めてこのように発表されると驚きます。
要は、前田時代の人事制度改革などはダメだったと公式に認めたということなんですよ。もしかすると、検証の結果として「正しかった」という結論になってしまうかもしれませんが、これから逆回転が始まるのでしょう。
政治部の傀儡になり、番組制作を敵視し続けた前田
これは本当に許せないので何度でも貼ります。前田時代に会長Q&Aなるイントラのコーナーに掲載されたものです。
放送局の最大の商品は番組であり、番組を作ることこそが最大の職務にも関わらず、この言いようです。私は予々職員時代から主張し続けてきましたが、「放送局にあって番組を作れない奴など存在してはいけない」のです。
たとえ、総務・事務系職場だとしても緊急事態にはジャーナリストとなって必要な情報を取材して映像を作り、自分の言葉で伝える放送スキルこそが最も大切なんです。
大体、番組制作にはあらゆる要素が必要とされますから、番組を作れる人間は事務でも何でもできます。酷い言いがかりだったのですよ。
放送局に本来必要なものは何か見つめ直した新会長
対して、稲葉新会長のメッセージはどうだったか?
私は全文を読みましたが、明らかに前田体制で強硬に進められた“改革”とは反するものになっています。
そもそも、放送業務というのは極めて専門的なスキルです。私だって、かなり濃密な期間を5年くらい過ごしてようやく自分で番組をコントロールできるようになってきた実感が持てて、15年掛けてあらゆるニーズに応じた番組を作れるような自信が持てるくらいになりました。
放送局の最大の商品である放送(番組)の価値を最大限に高めることこそが、受信料を納得してお支払い頂くために不可欠だと私は考えていました。
だからこそ、その根幹となる緊急報道力を若手には身につけさせるためにチャンスを積極的に設けつつ、企画・取材・ロケ・構成・編集・PR・スタジオワーク・放送事後処理など全てを後輩たちには伝えてきました。
それが、どこの職種になるともわからずフラフラとキッザニアみたいな職場見学だの、単なる勤務時間の削減でしかない働き方改革などを繰り返していたら、いつになっても放送、特に番組制作の専門家など養成できないのです。それではNHKの崩壊・弱体化が早まるだけです。
NHK内の分断・抗争の過激化は必至か?
ただ、この改革の検証というのは、危険も孕んでいます。
今のNHK上層部はほとんど良心を捨てて前田に媚びを売り、未曾有の退職ラッシュまで引き起こしました。
中には良心の呵責に耐えかねて、窃盗までしてその責を逃れようとした人もいましたが、大半は、職員に向けては「私もこんなことやりたくない」、「全員を不幸にするこんな改革はダメだ」と嘘泣きをしながら、前田に忠実に“改革”というなの組織の破壊活動に手を染めてきました。
しかも、逆回転を防ぐために、自らの不正を知る人物や、不正と不正で繋がった人物ばかりを幹部として登用する、異常な人事が強行されました。
実際、前田は退任挨拶で次のような捨て台詞を残しています。
前田の人事制度改革の根本的な失敗は、どこからどう見ても明らかに不適格な人物を幹部に登用しまくったことです。
最近逮捕された船岡、不倫を撮られた阿部、その他にも過去にセクハラ・パワハラどころか窃盗や住居侵入等で逮捕された前科のある人物が幹部に名を連ねています。私が把握するだけでも、まだまだ大勢いますよ?
改革の検証をするのだとしたら、そのようなNHKのような公共的な組織の幹部に不適格な人物は全部降格させる等の対応も必要でしょう。
前田のおかげで甘い汁を啜った面々はまだ権力を持っています。それらを追い落とそうという動きが、これからNHKで活発化することは避けられません。
となると、また怪文書が飛び交い、リークに次ぐリークで次々に問題人物が粛清されると私は思います。360度評価の名を借りた組織間の対立も激しくなっていくでしょう。
誰が、麻のように乱れたNHKの正常化を成し得るのか?きっと、次世代のリーダーが求められる局面なのでしょうね。
幸い、私に戻ってきて欲しいという声もたまに聞くのですが、ここまで全面戦争をしてしまったらそれは困難でしょう。ただ、私はもし必要とされたらいつでも戻るつもりで日々研鑽していますし、戻らなくてもNHKの正常化や職員の皆さんのスキルアップに繋がる情報は発信し続けます。