NHKニュースクリップ(2024年7月7日号)
7/7は東京都知事選でした。19:58から枠を取っていた時点で、NHKは現職にゼロ打ちすると明白だったので、有権者の投票行動に何か影響を与えたのではないか?と私は思いました。
プロジェクトマッピングを模した下品なカウントダウンからの当確は、選挙に浮き足立つNHK内部の心情を反映しているかのようで、嫌らしさが感じられました。
都知事選 若年層有権者の行動にNHKも喫驚?
今回、都知事選の結果そのものではない部分で、NHKの将来に関して重要な示唆がありました。
それは、石丸伸二氏の得票データです。NHKの調査によれば、若年層においては小池氏を上回っていたのです。
石丸氏といえば、オールドメディアや地元のいけていない議員を敵として、論破スタイルでの情報発信が人気を集めています。私も、中国新聞との戦いはエンタメとしてかなり面白いと思って、楽しんで見ていました。
主にはYouTubeとTikTokでの「切り抜き動画」で認知を拡大していったわけですが、それが実際に投票行動に結びついていたわけです。
これって、若年層はそれだけYouTubeとTikTokの影響が大きいということですよね。
一方のNHKは、これからWeb独自コンテンツから原則撤退します。ちょっと恨みがましい感じの「更新停止」ポストがNHK関連アカウントからも多数投稿されています。
私はTVとSNSの媒体の違いというよりは、発信の仕方の問題と捉えていますが(例えば本当に若年層に刺さる発信をNHKがTVで行っていたら、違法切り抜きがもっと出回るはず)、今のままでは本当にNHKが近い将来全く相手にされなくなることを示唆したのが、今回の都知事選の結果かと思います。
また深刻なミスが相次ぐ 能登半島地震から半年を「1年と誤表記」
「ニュースーン」において、オンエアではなく、Webに掲出する情報とEPGデータですが、能登半島地震から1年と誤表記しているのを発見しました。
この情報は一担当者が適当に入れて出せるものではありません。必ず管理職のチェックを経て公開されるものです。
にも関わらず、半年と1年を取り違える重大な誤りをおかしていました。ちょっと信じられないことです。
取材内容も掘り下げ不足が目立つ
見出しも見出しですが、局内では、内容面でも「取材が足りていない」と話題だったとか。
それは、現地局以外に拠点やその他の部局が大勢関わっているにも関わらず、単なる現象の切り取りばかりに終始しているからでしょう。
端的に課題が表れている記事のひとつが、この「困りごと」とラベルをつけたアンケートです。
タイトルには表記されていませんが、このアンケートは仮設住宅の入居者を対象に行ったものです。だとしたら「居住環境」が1位に決まっています。むしろ、9%の方はなぜ「困っていない」としたのかの方が気になります。
こうしたアンケート、普通は、生活再建においての課題をより具体的に可視化するために行います。
もしくは、仮設住宅に入居されてはいない、一見すると平常通りの生活に戻られている方の、表に出てこない不安を可視化するなどの目的のもとで行います。
とりあえず実施した感が否めず、「1年」の誤表記とあわせて、NHKがまるで手を抜いているかのように見える報道です。災害報道においてもノウハウが失われているのではないかと懸念しました。
「バッハの名言」をでっちあげ 教養番組でも深刻な間違い
もう1つ、今まではあまり無かったタイプの間違いが記事になっていました。
番組内でJ.S.バッハの言葉として紹介された、「音楽は世界共通語であり 翻訳される必要がない 魂が魂に働きかけるのだ」とするものが実は全く別人のものだったというのです。
顛末は出演者の方が詳しく書かれているので、それを読んで頂くとして、私が注目したのは、なぜこの間違いが発生したのか?です。
私が知る限りでは、この手のクラシック関連の番組は、例えば音大を卒業されていたり、音楽家としても優れた能力を持つディレクターやCPが担当していました。
かくいう私も、クラシック鑑賞は割と好きで、J.S.バッハのCDも10枚くらいは持っていますが、こんなちょっと齧ったレベルとは全く違う水準の人たちが、曲そのものだけでなく、音楽史も考慮した上で構成をたて、映像も設計していく類の番組です。
私が知る人たちなら、J.S.バッハが「音楽は世界共通言語」とか「魂と魂」のような発言をすると誤解することは無いと思うのですよね。
もちろん、番組の構成からすると、格言からスタートしたいというのはよくわかります。しかし、お客さんがある程度決まっているクラシック番組において、無理してキャッチーな格言を用意する必要があるとも思えません。
恐らく、「どうしても格言からスタートしたい!」というCPの意向をディレクターが断りきれなかったか、ディレクターが偽りの格言を「どうしても入れたい!」と主張してCPも特に点検しなかったか、でしょう。
この辺りの番組でも深刻な誤りがそのまま放送されていることには、大いなる懸念を感じる次第です。外部監修や試写を入れた方が良いのでは?
専門家の選定にも問題
こちらは一般の方からのDMで得た情報です。
ジェンダーと教育に関する記事において、「前広島県教育長 平川理恵さん」という方にNHKはコメントを求めています。
この方、広島においてはいわく付きの人物として報じられています。なぜ、わざわざこの方にコメントを求めたのか、私にはわかりません。普通なら、名前が挙がった時点で記者やデスクから指摘が上がって別の方に変更される事案だと思います。
数学の番組でも
こちらは私も詳細を確認中ですが、三平方の定理に関連して「エジプト紐」についてNHKが確認不十分なまま番組告知を行っているようです。
これもまた、「疑う」という基本がおろそかにされているからこそ発生したハレーションでしょう。
【メンバーシップ】内々示があらかた終了 今年も退職ラッシュ
NHK職員の皆さんが大好きな人事関連の情報です。7/11に内示ということで、それに先立って内々示が行われました。
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