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NHKニュースクリップ(2024年8月25日号)
今週は国際放送の不祥事が世間を震撼させました。私としては、玉音放送ですら軍から放送を守ったことを考慮すると、放送史上最悪の電波テロ事件だと思っています。
私も号外的に記事を出したわけですが、そのアップデートをしつつ、改めて事件について整理してみます。
NHKの隠蔽・矮小化工作が大炎上
当初は、以下のニュースのように「不適切発言」とNHKは伝えていました。最初のニュースでは、まるでアドリブで何かを喋ったくらいの軽い扱いになっています。
しかし、恐らく国会議員からの問い合わせに耐えきれず、NHKは情報を次第に開陳していきます。NHKは「詳細を報じることは、(放送テロリストの)主張を更に拡散することになるから避けた」というアクロバティックな説明をしていましたが、結果的には内容の詳細が明らかになってきました。
「NHKにプロフェッショナリズムが無い」とか「731部隊」などの尖閣以外の発言については、原稿に無いだけで「事実」かと思いますが、数十秒に渡って職員が止めることもなく、政治的なメッセージが放送されたことは極めて重大です。
不適切発言の一部訂正?
個人的にひとつ注目したいのは、25日に出された「不適切発言の訂正」です。
「(1)「釣魚島と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します」(中国語)「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」(英語)※中国語での発言内容には以下の通り、「宣伝」という単語がありましたが、日本語に翻訳する際に確認が不十分でした(2)また、外部スタッフはこの発言の前に「靖国神社で落書きが見つかった」というニュースを伝えた際、原稿にはない「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」という文言を一方的に加えて放送していました」と伝えた。
まず「宣伝」という単語が入っていなかったとのことですが、これはつまり国際放送が実質的には「国営対外宣伝放送」であることを示しています。建前としては、NHKの編集権や自主性は保たれているとはいえ、裏にある金銭・法的根拠を考慮しても「宣伝放送」なのは事実です。
公共放送であるNHKの中に「国営放送」があるというのは、NHKにとっては不都合なのか、敢えて隠蔽したと考えられます(多分)。
加えて、もうひとつの「軍国主義」・「死ね」などの抗議の言葉についても補足します。
件の靖国神社の落書き、実はNHKは他社に抜かれていて、後追い報道をしているようなのです。取材に遅れを取るばかりか、内容にも不足があったと見え、この当該業務委託アナウンサーは内容を「補足」したと考えられます。
「犯人」像は?
敢えて、「犯人」と書きますが、一体どんな人物が今回の放送テロを起こしたのでしょうか?
国際ラジオ放送の業務委託アナウンサーは、NHKの子会社「NHKグローバルメディアサービス」(Gメ)と契約関係にあるとのことです。当該セクションには、国際放送以外でも、通常の放送番組の通訳・翻訳でもお世話になることがあるので、私も知っています。
一言でいえば、この手の職責を担う人物は、非常に優秀な方と相場が決まっています。
国費等で日本に留学し、日本語を修めた上で文化や伝統に対しても深い造詣が無いとできない仕事だからです。ただし、給料がそんなに良いわけではないですから、20年以上も勤めていたとなると、研究者等の活動をしながらアルバイト的に放送を担当していたのではないかと思います。
※8/27追記、情報が「現代ビジネス」から出ました
あくまで私の推測ですが、これまでの報道の経緯をみるに、NHKが行う対外宣伝放送が、中国をベースとする国際的視点からするといかに不十分かを知らしめたかったのではないでしょうか?
その背景に中国政府等の政治的意図がどのくらいあるかまでは不明ですが、相応の見識と立場がある方が敢えてやったとするならば、多少は深い意図もあると見るのが自然です。
「日本の視座を発信」のはずが「中国の視座」 経営計画に矛盾
今回の一件は、稲葉会長の立場にも影響を及ぼしています。NHKの経営計画を一読してみてください。
「国際発信」の項目の中に「分断、民主主義の危機が進むなか、国際発信を再強化し『日本の視座』を発信」とありますよね。しかし実際に伝えたのは中国の視座でした。
稲葉会長はどういうわけか、国際発信を強化すると就任当初から各所で発言していました。将来の国営放送化・受信料強制を睨んでの布石かもしれませんが、「日本の視座」ではなく、「中国の視座」を全世界に発信し、特に自局のニュースで触れもしないのは明らかにおかしいでしょう。
国際放送については、「国益にかなう」ことも存在意義のひとつとされています(NHKがそう述べています)。しかし、今回の件は明確に国益を毀損しているわけで、その点でも大いに問題があります。
NHK解体がXトレンドに、幹部はどう責任を?
ただでさえ受信料制度に対して不信感を持つ人が多い中、放送史上最悪の不祥事を起こしつつ、事態の隠蔽・矮小化に走り、報道さえしないNHKの姿勢は異常です。
内部の職員からも、今回の件は徹底的に追及すべきだという声が上がっているようです。
まずは、報道番組がお得意らしい国際放送局長主導のもと、検証番組をニュース7・クローズアップ現代・NHKスペシャル等の枠でやることが必要ではないかと思います。
もし、海外の国営放送や公共放送で同様のことが起きたとしたら、間違いなくそれらの枠で大きく扱うでしょうしね。
※8/27追記
NHKは「お知らせ」と濁した枠で説明を行いましたが、「放送法に規定された役割を果たせない深刻な事態」と述べつつも、ニュース等で全然扱ってもいません。配信もあまり再生されていないようです。
NHKからのお知らせ
また、放送法・NHK経営計画のいずれにも背いたことは、そこらの不正経理とは次元が異なります。厳しい処分と組織再編も必要です。
新プロジェクトXでサイレント訂正
私も様々な媒体で問題を指摘してきた「新プロジェクトX」。なんと、初回放送での「捏造」が明らかになりました。
スカイツリーの回について、しれっと「おことわり」が出ているので皆さんも確認してみてください。
▼お知らせ
○2024年4⽉6⽇放送の「新プロジェクトX 挑戦者たち 東京スカイツリー 天空の大工事〜世界⼀の電波塔に挑む〜」のナレーションの中で、スカイツリーの構造設計を担った日建設計の小西厚夫氏が耐震性を高めるために心柱を生み出した際の思いについて、「あらゆる地震、たとえ東海、東南海、南海地震が同時にやってきても耐えられるように」と番組として表現しました。しかし、当時、小西氏がより強く意識していたのは、「大きな地震の後もスカイツリーから放送電波を出し続け、被災地に情報を届けること」でした。
〇NHKオンデマンドでは、この部分を「大きな地震の後も、タワーから放送電波を出し続け、被災地に情報を届けるには心柱が必要だ」に変更したものを配信しています。
まさか構造設計を担った方の「思い」まで捏造していたとは驚きました。しかも、それをWebのサイレント訂正で済ませているのです。あれだけ事前番組も含めてお祭り騒ぎをしていたにも関わらず、です。
NHKは偽情報・フェイク対策を叫び続けていますが、世帯視聴率10%の番組で捏造を伝えたら推計500万人以上に伝わります。一方、この「おことわり」はどれほどの人たちにリーチできるのでしょうか?
例えば、合計での視聴率100%に達するまで訂正を放送で扱い続けるなど、相応の対応が必要ではないかと、私は思います。
「チコちゃん」でも誤情報
ついでに、「チコちゃん」でも誤りを伝えていました。
訂正後の内容にも微妙に疑問が残りますが、生物等の基本的素養に欠ける面々が制作している以上、起こるべくして起こったと言えるでしょう。
民放各局では元NHK職員がバカを晒す
私のような退職者にとって迷惑なのは、元NHK職員が民放各局でバカを晒していることです。ま、NHK職員って時点で終わってるっちゃ終わってるんですが、ここまで酷いと同類だと思われるのは心外です。
岩田氏は「絶対読んでる!ニュース!正午のニュースで何回も呼んだじゃない!私見たよ!」「麿(=まろ、※登坂氏のあだ名)、何やってんの?!今日子供連れてきてたでしょ!マザー言えなくてどうすんの!」と叫ぶように叱咤激励
この手の連中が報道を担っていたら、そりゃおかしくて当然だと視聴者の皆様も思ったのではないでしょうか?
【メンバーシップ】社会部で退職ラッシュ 「スクープは要らん!災害と社会保障だけやっとけ!」
このところ、社会部を中心に、30代の退職も相次いでいるという情報が入ってきました。
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