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【裂地】大黒屋金襴


大黒屋金襴

 我が家にある仕覆はもっと濃い色の裂地です。

 この柄の仕覆は去年手に入れた古瀬戸茶入に添えられていました。雁金瓢箪と呼んでいますが、それは釉景が雁金にみえる瓢箪茶入だからです。

 ここから銘は「缸砕(かめわり)」としました。缸砕柴田からとった銘ですね。

 我が家には過分ではないかと思うほど、大変いいものなので、これには添盆と附茶杓を用意したくなります。

  ただし、大黒屋金襴の意味をまずは読み解かねばなりません。

大黒屋金襴とは?

 大黒屋金襴は大阪堺の商家で、五代将軍綱吉の御代の正徳年間(1711〜15)に大阪の大黒屋で売り始めたことから、この名前がついたという大黒傘(大黒屋傘)で名を知られる大黒屋が所持していた名物裂です。

  実際にこの裂地は、江戸中期頃と考えられます。

 朽ちておらず、ちょっとこの裂地を弟子に扱わせるのは怖いかなぁ……と思わなくもないですが、まぁ。だめになったら、直しましょう。

  もしかすると、大黒屋が秘蔵していた茶入なのかもしれませんね。

 これ自体、大阪の旧家の蔵から出てきたものだそうですし。

替仕覆は何にする?

 さて、替えの仕覆は「有楽緞子」を最初に思い浮かべました。

 柴田勝家ですから、主君の織田信長の弟である有楽斎の緞子ならぴったりでしょう。

  物語としては大黒屋金襴よりも簡単です。しかし、本能寺緞子という手もあります。本能寺の変の後、没落していった柴田勝家。因縁がありますよね(そんな事を言ったら瓢箪は秀吉の馬印なんで、余計に本能寺緞子の方が良いかも?)。

  添盆はオリジナルで作ってもらいたいと考えています。

茶入盆は?

 円盆で、五つ割木瓜、そう、織田家の家紋の形ですね。鏡は五角形がいいかな?と考えましたが、本能寺純子なら「桔梗盆」がいいかも!と思い直しました。

 塗は真塗朱鏡がいいですかね。

附茶杓は?

 附茶杓は、無節の剣先露折撓がいいとかんがえます。柴田勝家の愛刀「にっかり青江」にちなんで「青江」か「にっかり」なんてどうでしょう?

  芦屋姥口釜写に柴田井戸写なんかと並べて点前をしたいところです!(どちらも柴田勝家ゆかりの品)

 夢は広がるばかりですが、追いつかないですね(笑)

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