中国は治安が良いと言われてきたが、なんで?

中国の深圳で日本人学校の生徒さんが刺殺された事件はみんな知っていると思う。なんとも言えない憂鬱な気分である。
中国の話になると単細胞の温度が上がるようで、相も変わらず幼稚な連中が多い国である。

私から見ると、中国と日本のネット民は同レベルである。
単細胞。

前中国大使の発言に単細胞が大興奮

前中国大使に埀 秀夫という人がいる。チャイナスクール出身で中国の専門家である。勇ましいことを言う人で、ヤフコメやSNSのバカ共に受けるタイプ。今回の事件で、埀 秀夫氏がこのような発言をしている。

トリガー(引き金)となったのは、「137校(実際は11校)も存在する日本人学校は治外法権であり、対中工作のスパイが養成されている」など、日本人学校に関する悪意や誤解に満ちた交流サイト(SNS)にある数百本に上る動画だろう。
私も大使時代、これらの削除を何度も申し入れてきたが、中国政府は対処してこなかった。一昔前、中国では抗日ドラマが流行していたが、今それに代わるのが反日動画、とりわけ日本人学校関係である。これを削除させていかないと、同じような事件が繰り返される恐れがあり、強く懸念している。

【深圳の男児刺殺事件】前駐中国大使・垂秀夫氏「居直った対応、放置するな」

この人の発言には何の問題もないのだが、ネットのバカ共が興奮しちゃうわけですな。それで、国交断絶とか、日本人は全員撤収すべきとか、いかにも単細胞らしいことを言いだすのである。
私は政治なんてどうでもいいので、好きにすればよい。
しかし、どのような状況になろうと、今後も一定数の日本人は住むだろう。

動画を削除しても狙われることは変わらない

ああいう国である。
公安の人数が少しぐらい増えるかもしれないが、日本人の立場に立った対策は期待できないし、するべきでもないだろう。

中国は知ってのとおり、日本を憎む人間が存在する国である。
仮に動画を削除したとしても、キチガイがいなくなることはない。
動画に触発される人間はいなくなるかもしれないが、今後も日本人学校が狙われる可能性は依然として残る。

日本人学校が狙われる理由に、非常にシンプルな構造的な問題がある。

それは、日本人しかいないことだ。

前回は中国人の阿姨さんが犠牲になったが、基本的に日本人学校で誰かを狙うと日本人なのである。中国は爆薬を簡単に入手できる国ではない。
しかし、もし爆薬を使われたら、日本人だけを効率的に大量に殺害できる。

マジメに考えてんのか?

ちょっと違う話かもしれないが、投資ではたまごをひとつのかごに盛るなという。違うことを考えてみれば、木を隠すなら森の中ともいえるかもしれない。中国で普通に生活していれば、日本語を話さない限り日本人とは分からない。だから、いきなり日本人だろと殴り掛かられたという話は聞かない。

中国では日本人だけ集まるのは危険としか思えない。
いいかげん、中国では日本人学校の在り方を考えたほうがいいかもしれない。父兄が集まったところで、悪いが休校にする程度のアイデアしか出ないだろう。

日本の教育制度との兼ね合いがあるのは分かるのだが、そんなことを言ってる場合なのかと思う。
まぁ、それぞれの家庭に事情があって帯同しているのだろう。

困ったことに、こんな国が長らく意外と治安が良いと言われてきた。

治安はよいと言われきたのはなぜ?

さすがに今言う人はいないと思うが、意外と治安は良いと言われてきた。
聞いたことがある人も多いと思う。
でも、中国に関係してこなかった人は、なんで治安が良いと言ってたのか意味不明と思うはず。

主に報道の内容と中国生活のギャップだろう。
報道内容からヤバい印象を持つと思うのだが、実際には多数の日本人が平穏無事に過ごしてきた。私も平穏無事に10年以上過ごした。

本当は治安が良いはカッコ付きの話で、実際は表面上はという言葉がつく。
きっかけは違うが暴動は起こってきたので、非常に脆い基盤の上にある表面上の治安の良さ。

公安が家に押しかける

暴動が日本絡みだと抜き打ちでマンションに公安がドカドカ来るときもある。こら、スリッパを履け。
ビザがおかしなことになってたら、どうなるかは分からない。
うっかりでは済まない。

暴動を起こしてる中国人のところに行けよと思う。

私の家にも何度か来た。
もし、ガールフレンドがいても別に隠す必要はない、単発的な経済的関係でなければ。ただ、ガールフレンドもチェックはされる。

拘束されるところまでいかなくても、嫌がらせ的な来襲はいつあるか分からない。普通はこんな話を聞くとヤバい印象を持つと思う。

ところが、こういうヤバい話を除くと、なんでもスマホで出来て便利だし、意外と過ごしやすいんだよね。
と、ポジティブ評価をしがちな人が多い。

普通の感覚だと便利で過ごしやすいが、こういうヤバいことがあるのでダメとなるべき。ところが、こういう国だからとヤバいが大前提となっていて評価の外なのだ。

中国人が私に言った危機管理

中国人が考える日本人が中国でどう振舞うべきかというスタンス。
大丈夫だよの楽観派と気を付けろの慎重派がいる。
もちろん、ヤバい状況になったときは、みんな慎重派になってアドバイスをしてくれる。

ただ、個人差はあるし、相手との関係性にもよる。
相手がどうでもいい奴なら大したことは言わない。
私の場合は仲の良い人が、なかなかの慎重派だった。

外で日本語を話すなと言われたし、バー(普通の)で日本人同士で大きな声で日本語を話すなんて問題外。飲みに行かないのがよいと言いだす始末。
カフェで日本語のフリーペーパーを読んで待っていたら、登場した瞬間にさっさと直せと言われたこともある。
私に言わせると待たせるからだと思うのだが。

中国人は日本人を憎む人が一定数いることを実感として知っている。

わざわざ日本人と知らせるなと言われた。
一理ある。

実際は日本人が騒いでいても

日本人が集まって日本語でワイワイやるのはやめた方がよいと誰もが思っている。でも、みんな平穏無事に過ごしてきたので、だんだん緩んでくるのである。

日本人会や駐在同士の集まりでワイワイやっていた。
北京などの都会では県人会など、もっと狭い範囲のコミュニティまである。
私は一度も行ったことはないが、同僚はよく参加していた。
要はただの飲み会である。

ワイワイやっていても、絡まれることが少ない。
大前提がヤバい国なのだが、意外と絡まれたり危険な目に合うことがなかったりする。意外と治安がよいではないかとなりがち。

しかし、近くにいる中国人は日本語のワイワイを聞いてイラつくだろう。
間違いない。
だからといって、急に今後はオラオラになるとは思わないが、中国以外の国でも緩みすぎるのはマズイだろう。


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