多くの食品・製品に添加されている有害な可能性のある化学物質について
特集【食と栄養】
ジョージ・シトロナー：著 2023年5月2日
エポックタイムズ/TheEpochTimes
2022年夏、スキットルズ・キャンディのメーカーに対し、製品に既知の毒素が含まれているとして、少なくとも2件の消費者訴訟が提起された。問題の成分は二酸化チタンで、E171としても知られており、製造元のマース社は6年前に段階的廃止を公約していた。
✳️スキットルズ・キャンディー (Skittles candy)：アメリカの柔らかいフルーツキャンディ。明治製菓のマーブルチョコぐらいの大きさで、外側は赤・緑・黄・オレンジ・紫・青色その他のコーティングがしてあり片面に白のS字マーク、中身は白。オリジナルのフルーツ味の他にトロピカル味、ワイルドベリー味などがある✳️
酸化チタンは、欧州食品安全機関が食品添加物として安全でないとする報告書を発表してから9カ月後の2022年2月から、欧州連合で食品添加物としての使用が禁止されています。
【米国では古くから一般的だった酸化チタン】
二酸化チタンは、1960年代半ばから米国食品医薬品局（FDA）により、特定の制限付きで食品成分として承認されています。この一般的な食品添加物は、『白色、無臭、無味の粉末で、美白剤、増粘剤、食感』として使用されています。二酸化チタンは、天然に存在する鉱物で、日焼け止めなどの非食品にも含まれています。
酸化チタンを含む食料品の種類は、意外と多いかもしれませんね。
酸化チタンが含まれる可能性のある食品の例をいくつかご紹介します：
• キャンディー：お菓子のコーティングは、酸化チタンを加えることで光沢を出し、色鮮やかにすることが多い
• ガム：多くの種類のチューインガムには、二酸化チタンが含まれています
• 焼き菓子：パンやお菓子などの焼き菓子には、食感や見た目を良くするために酸化チタンがよく添加されています
• 乳製品：二酸化チタンは、ヨーグルト、チーズ、低脂肪乳の一部に美白剤として使用されることがあります
• 調味料：マヨネーズ、ドレッシングなどのソースにクリーミーさを加えるために、酸化チタンを使用することがあります
『FDAは、二酸化チタンの量が食品の重量に対して1％を超えないことを含む仕様と条件に従って、一般的に食品の着色添加物として二酸化チタンの安全な使用を引き続き許可する』と、連邦機関は電子メールでエポックタイムズに声明で語った。
【二酸化チタンの摂取による健康被害について】
二酸化チタン（TiO2）は、米国では一般的に安全とされていますが、その摂取に伴う健康被害の可能性を強調する研究が行われています。
2019年のある研究では、二酸化チタンを水に含ませたマウスに、腸内細菌叢の変化と炎症が起きたことが示されました。また、ラットを使った2009年の研究では、この物質の吸入によって呼吸器系の癌が発生することがわかりました。
「酸化チタンは、『悪玉』菌を増やすことで、体内でより多くの炎症を発生させ、腸の健康に悪影響を及ぼす可能性があることを示す研究があります。ほとんどの研究では、食品から消費される量は非常に少ないので、人間の健康に対するリスクはないと結論付けています」と、ノースウェルヘルスの登録栄養士であるエミリー・フェイヴァーは言いました。
二酸化チタンの粒子を大幅に小さくした二酸化チタンナノ粒子と呼ばれる添加物の別の亜種は、いくつかの研究で有害な影響を及ぼすことが示されている。2015年の研究レビューによると、二酸化チタンナノ粒子を吸い込むと、脳や腎臓や肝臓などの他の臓器に移動する可能性があるという。
『ほとんどの研究で、酸化チタンナノ粒子は、酸化ストレス、病理組織学的変化、発癌性、遺伝毒性、および免疫破壊を引き起こしたようだ』と、研究著者たちは書いています。これらの知見に基づき、彼らは、二酸化チタンナノ粒子および類似の材料をヒトに使用することは、潜在的な健康リスクを最小限に抑えるために『避けるか、厳密に管理』しなければならないと結論付けています。
【欧州では禁止されているが、米国では許可されているその他の食品添加物】
海外で禁止されている食品添加物は酸化チタンだけではありませんが、米国製品ではまだ許可されているものです。
カナダ、英国、EUで禁止されている臭素酸カリウムは、米国では一般的に小売店のパンに使用されていますが、ニュージャージー州保健局によると、鼻、喉、肺を刺激し、息切れや喘鳴を引き起こすことがあります。また、この化合物がラットで腎臓や甲状腺の腫瘍を引き起こしたという研究結果もあります。
米国では使用されているが、欧州では禁止されているもう一つの食品添加物はプロピルパラベン（E217）で、食品中に0.1%を超えない限りは禁止されている。抗菌防腐剤として、一部の加工食品、医薬品、化粧品に使用されています。しかし、2018年の研究レビューで、プロピルパラベンが内分泌攪乱物質、つまり内分泌系のホルモンを阻害し、がんや発達障害につながる可能性があることが判明しました。さらに、マウスを用いた研究では、プロピルパラベンが胚の発達における問題と関連していることが判明しました。
塩素を含む水で肉を洗う「塩素洗浄」は、細菌汚染のリスクを低減するために、米国の養鶏業界では一般的に行われています。塩素洗浄は食品添加物ではありませんが、健康や環境に影響を及ぼす可能性があるため、これまで議論されてきた工程です。EUは1997年に食品安全上の懸念から塩素洗浄を禁止したため、米国の生産者は同地域に鶏肉を輸出できない。
【食品に含まれる知らなかったその他の金属について】
酸化チタン以外にも、銀、亜鉛、銅などの金属をナノ粒子化して食品メーカーが製品に添加することで、さまざまな用途に利用できます。
銀や銅のナノ粒子は、その抗菌作用から、食品包装材などの食品の保存料として使用されることがあります。しかし、銀や銅のナノ粒子にさらされると、人の健康に害を及ぼす可能性が懸念されています。銀ナノ粒子は、肝臓、腎臓、脳、男性性器など、さまざまな臓器に蓄積されることが研究で示唆されています。また、ナノ粒子は酸化ストレスやDNA損傷を引き起こす可能性があります。
酸化亜鉛ナノ粒子は、食品への添加物や栄養補助食品として添加されることがあります。亜鉛は人間の健康に欠かせない栄養素ですが、酸化亜鉛ナノ粒子を大量に浴びると、毒性を持つ可能性があります。海洋生物の研究では、酸化亜鉛ナノ粒子が炎症、酸化ストレス、肝臓や腎臓へのダメージと関連しています。
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