人間が山に登る理由は、いろいろあっていいのだと思った話
みなさんには、趣味はありますか?
わたしは今までろくに趣味らしい趣味がなく、休日は街中をしゃにむに歩き回っているうちに日が暮れていました。「趣味はなんですか?」と聞かれると「趣味、ずっと探しているんですけどなかなか見つからなくて……」とまごつくばかり。
今日はそんなわたしが最近ようやく見つけた趣味と、それを通して感じたことをご紹介できればと思います。
※ この記事はnoteのみんな Advent Calendar 2024の1日目の記事です。
「無趣味」という所在なさ
そういえば、元彼はバスケが趣味で、週末は必ずバスケサークルの練習に出かけていました。前職で仲のよかった同僚は、学生時代からトロンボーンをやっていて、発表会でのドレス姿はとても素敵だったっけ。
フットサル、麻雀、映画鑑賞。旅行やギター、陶芸、釣り、キャンプ、英会話に御朱印集め。その他エトセトラ、エトセトラ。みんな何かしらしっくりくる「趣味」を見つけて、ピカピカのバッジとしてその胸に掲げているような。そんな中でふと見てみると、何にもついていない自分のさびしい胸。
長年そんな所在なさを感じていたのですが、今年、思い立って始めました。はい、「登山」です。
趣味を聞かれたときに答えられるというのは、すこぶる便利です。三十路も過ぎて、ようやくちゃんとした大人になったような気分。見てください、わたしの胸にも輝く、「登山」のバッジを。
といっても、まだ高尾山や尾瀬くらいしか行っておらず、「それはもはや登山じゃなくてハイキングだろ」とつっこまれている今日この頃。グッズをそろえて登山が趣味、というポーズだけ取っているとも言えます。
とはいえ「登山」という趣味の一部を理解し始めた気がしているので、その奥深さをご紹介できればと思います。胸にバッジがまだないそこのあなた、登山、どうですか?
なぜ、人は山に登るのか
わたしは現在、社会人の登山サークルに所属しています。人間模様うずまくこのサークルには、だいたい肌感覚として70人くらいのメンバーがいるでしょうか。
年齢層としては40歳前後の方が多く、登山レベルは人によってばらばらです。超上級・上級・中級・初心者向けの企画がそれぞれあり、たまに果物狩りのような山に登らないイベントもあります。
それぞれ職種や年齢もはばひろいサークルの人たちとの会話は、だいたい「これまでどんな山に登ったか」「これからどんな山に登りたいか」といった話題から始まります。
話を聞いていると、人によって山に登る理由はいろいろあるのだと感じました。だいたいよく聞くのはこのあたり。
自然が好き・景観を楽しみたい
運動不足を解消したい
登頂という達成感を味わいたい
山の上でご飯を楽しみたい
山から降りた後の温泉やビールがたまらない
己にハードな負荷を課したい
ひとつだけでなく、だいたいいくつかの理由が組み合わさっているイメージ。山に登るまで知らなかったのですが、山のそばには温泉があることが多く、汗を流してお酒を楽しむ、という人も多いみたいです。最高では!!!
たまに⑥あたりに情熱を燃やすガチガチの上級者の人と話すと、「負荷を上げるためにザックに重しを入れている」「蛭ヶ岳(神奈川最高峰の標高1673mの山)に日帰りで、ジョギングもしながら標準半分のタイムで登る」「釣った魚で食料を現地調達しながら3日間テント泊で山を登り続ける」とか言ってて震え上がります。どういうこと?
ちなみにわたしは①④⑤あたりの複合型なので、ケーブルカーとかで行けるなら、もはや登らなくてもいいんだよな。と、ガチ勢に知られたら怒られそうなことを考えています😉
どんな目的で山に登りたいかによって、挑戦する山や登り方も変わってくる。それでいいのだな、と登山の懐の広さを感じました。
意外によかったこと5つ
始めてみるまで知らなかった、意外なよさもありました。
レインウェアって便利!
登山の際に必須と言われるグッズの一つ、レインウェア。結構雨が降っていてもぜんぜん水がしみてこないので感動しました。
普段から傘をさすのが嫌いで「お前はイギリス人か」と突っ込まれているので、今後はレインウェアを日常使いしたいと思います。
ちなみにわたしはMILLETのこれを買ったのですが、今見たらブラックフライデーでめちゃくちゃ値下げされてて、血を吐いています。
こんにちはって言うのが楽しい
山道などですれ違うとき、「こんにちは」「がんばってください〜」と他人同士でも声をかけ合うことがあるのですが、やっぱりいいものです。人間と交流してる〜!!という感動にも似た気持ちを感じました。リモートワークに慣れた心にも、潤いが満ちていきます。
登山をしている人、いい人が多い気がする
簡単に人を信用しすぎるのがいいところでもあり悪いところでもあると言われるわたしですが、それをおいても登山をしている人は、いい人が多い気がします。
レインウェアやザック、登山靴など、始める際に一定の初期コストがかかるので、治安がいいのも一因かも?と思いました。
お気に入りのまちが増える
恥ずかしながら群馬、これまで一度も行ったことがなかったのですが、この秋に山に行き始めて、すでに2回訪れました。草津温泉最高でした。玉こんにゃくもまいたけもおいしかった。
「群馬って何があるの?」という大無知ポンコツ(群馬の方ごめんなさい)でしたが、今は早くまた行きたいです。
やはり自然が好きだな、と思えた
愛媛県出身の私は、小さな頃から祖父母の住む山中の田舎町で遊び散らかしていたので、自然はすごく身近でした。
祖父は趣味で鹿や猪を撃っていたし、釣り堀で釣った鮎やあまごを焼いて食べたり、川で取った川エビを素揚げにして食べたり。野いちごやヤマモモの実でジャムを作ったり。あれ?食べ物の話しかしてないな……。
東京で暮らしていると、なかなか生の自然に触れる機会って減ってしまいがち。山に行ったことで、やっぱり自然って最高だな〜としみじみ思いました。
2025年も山に向かいます
「趣味は登山です」と胸を張って言えるように、2025年も意気込んで山に向かいたいと思います。登ったり登らなかったりするかもしれませんが、それでもいいのです。
来年の夏こそは、高尾山のビアガーデンにも行きたいです。お酒を飲むとこける性質があるので、帰りはしっかりケーブルカーに乗ろうと思います☺️🍺